文:太田安治/写真:南 孝幸
アールエスタイチ「リキッドウインド」の特徴
冷却水と走行風で冷やす「着るラジエーター」が進化!
化粧品メーカーのマンダムと共同開発したリキッドウインドウォーターを首元に送って専用シャツを濡らし、走行風を浴びて気化熱で冷やすという、水冷エンジンのラジエターのような構成のウエアシステム。2021年発売してヒット商品となり、2022年は専用の保冷ボトルも登場した。
複数のアイテムで構成されているが、まずは自分のサイズに合った「アンダーシャツ」と「保冷ボトルキット」、「リキッドウインドウォーター」を揃えれば使用可能。より高い冷却効果を望むなら「エアフローベスト」を追加するといい。各パーツを破損または紛失しても単独で購入できるというのも安心だ。
アールエスタイチ「リキッドウインド」使用レビュー
個人的に2021年モデルを使っているので効果は熟知している。今回は新作の保冷ボトルを組みあわせて使ってみたところ、噴射した瞬間は「ひゃっ!」と声が出るほど冷たい。強烈な冷たさは噴射直後だけだが、通常ボトルの生暖かい冷却水に比べて涼感は大きく向上している。
アールエスタイチのデータでは[室内温度35℃/湿度70%/風速6m(20km/h相当)で表面温度が5.2℃下がる]とのこと。大雑把に言えば濡れたシャツを着て走っているのと同じなので、涼しいのは当然。さらにメントールの涼感もあり、調子に乗って冷却液を出すと寒く感じるほどだ。難点はシャツを脱ぎ着するたびに送水パイプを外す必要があることと、冷却水のコストが掛かることだ。
アールエスタイチ「リキッドウインド」サーモカメラ検証
【使用したサーモカメラ】
インフレック R450Pro
サーモカメラの国内トップメーカー「日本アビオニクス社」が開発した高画質・高精細な熱画像撮影が可能な「インフレック R450 シリーズ」のフルスペックモデル。測定温度範囲はマイナス40℃〜1500℃をカバーし、時系列データの計測を行うR&D分野や、常温から加熱して連続的な温度変化を観察するような溶接時の蓄熱・放熱のプロセス解析などにも対応する。
協力:日本アビオニクス株式会社
文:太田安治/写真:南 孝幸