2022年8月6日、鈴鹿サーキットで特大のサプライズがありました! なんと、鈴鹿8時間耐久レースの前夜祭で、カワサキが現在開発中のEVスポーツと、ハイブリッドスポーツの2台を突如登場させ、デモ走行を行ったのです!一体どんなバイクなのか? 世界初公開のマシンを、まずはじっくり見てみましょう!
文:石神邦比古/写真:南孝幸、関野温

EVスポーツはZ250風のネイキッド仕様で登場!

翌日に決勝を控えて賑わう鈴鹿8耐の前夜祭の会場で、カワサキから思いがけないサプライズがありました!

これまで月刊『オートバイ』、webオートバイで最新情報やスクープをお送りしてきた、カワサキが現在開発中のEV・ハイブリッド車のプロトタイプがなんと鈴鹿サーキットに登場、デモランを世界初公開したのです!

その姿がこちらです! まずはEVスポーツから見てみましょう!

画像1: ▲EVスポーツ・プロトタイプ

▲EVスポーツ・プロトタイプ

今回公開されたEVスポーツ、これまではフルカウルの試作車が公開されてきましたが、今回はなんと、外装を一新し、Z250のようなストリートファイタースタイルでの登場となりました。「EV」と書かれた大きなシュラウドはフレームやバッテリーをしっかり隠しており、マフラーがない以外は、普通のスポーツバイクと比べても違和感のないスタイリングとなっています。

画像1: EVスポーツはZ250風のネイキッド仕様で登場!

ちなみにコレが初期の試作車「EVプロジェクト」。公開されてから約4年、おそらくモーターやバッテリーなどは大きく進化しているものと思われます。

画像2: ▲EVスポーツ・プロトタイプ

▲EVスポーツ・プロトタイプ

今回はデモランのみで、カワサキからは車両に関する発表はありませんでしたが、ガソリンエンジン搭載のニンジャ250やZ250とはフレーム構造が異なり、本来エンジンのシリンダーがある位置にはバッテリーが収まり、その下にはモーターが収まります。以前公開された「EVプロジェクト」では4速ミッションや手動の回生ブレーキを備えていましたが、今回もリアホイールがチェーン駆動なところから察するに、マニュアルミッション搭載の可能性は高そうです。

スタンドの観客が静かに見守る中、EV独特のモーター音を立てて滑るような走りを披露してくれました。

【追記】その後車両を確認することができ、マニュアルミッションではなく、モーターからスプロケットを介してチェーンで降臨を駆動する方式らしいことがわかりました。お騒がせしてごめんなさい。こちらがその写真です。

画像2: EVスポーツはZ250風のネイキッド仕様で登場!

ハイブリッド・プロトタイプはフルカウルで登場!

もう一つの世界初公開マシンが、ガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドモデル。昨年公開された試作車はまだカウルがなく、フレームが剥き出しの状態でしたが、今回はカウルが完成。フェイスデザインこそ現行ニンジャ250風ですが、各部はかなり目新しいものとなっていました。アッパーカウル横から大きく張り出した、ウイングレットのようなサイドカウルが特徴です。

画像: ▲ハイブリッド・プロトタイプ

▲ハイブリッド・プロトタイプ

画像1: ハイブリッド・プロトタイプはフルカウルで登場!

こちらが昨年公開されたハイブリッドの試作車。この時点ではライトはニンジャ250のものをそのまま使っていました。

画像2: ハイブリッド・プロトタイプはフルカウルで登場!

特徴的なのはそのホイールベース。昨年公開された試作車同様、250クラス風のボディワークに対して、少し長めのホイールベースとなっています。車格的には400〜600クラスぐらいの長さに見えますね。サイドからテールカウルにかけては大きなパネルを設けており、フレームワークは完全にカバーされています。

こちらのハイブリッド車も、デモランのみでカワサキから車両に関する発表はありませんが、大きな特徴としては、バッテリーとモーターだけでも走行可能な「ストロングハイブリッド」方式を採用しているようで、今回のデモランでは途中でエンジンを始動し、ストロングハイブリッドであることをアピールしていました。下に見えるエキパイは2本で、エンジンはやはりニンジャ系のDOHCツインである可能性が高そうです。

今回は2台ともグランドスタンド前の短い区間を走行するのみとなりましたが、現場で見た印象としては、かなり量産手前まで仕上げられてきているのでは、と感じました。

カワサキが提案する未来のカタチ。もしかすると、リリースされる日も遠くはないかもしれません。

詳細が公式に発表されるのを期待して待ちましょう!

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文:石神邦比古/写真:南孝幸、関野温

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