文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸
ヤマハ「YZF-R25 ABS」インプレ(太田安治)
倒立フォークの採用で走りのレベルも向上
現行型YZF-R25は、普段使いでの乗りやすさを保ったままスポーツ性能もハイレベルなものとした「正常進化」モデルだ。
スタイリングを一新し、ハンドル位置は前モデルより22mmほど低くなったが、最大のポイントは倒立フォークの採用。これで走りのステージがスポーツライディング側に大きく広がった。サーキットはもちろん、公道レベルでも接地感の高さ、操作に対して車体が反応する際の速さを体感できる。倒立フォークは剛性が高く、ブレーキングやコーナリングで大きな荷重を受けてもインナーチューブのたわみ、ねじれが起きにくい。バネ下重量も軽くなるので路面追従性も上がるのだ。
実際に走らせると、ハンドル位置が下がったことで体重が乗りやすくなり、低速域での落ち着きが少し増している。渋滞路でのふらつきが抑えられるので、市街地では好ましい変化だが、それを感じられるのは30km/h程度まで。クルージング速度域では前モデル同様に軽快なハンドリングになる。
急な下り勾配でフルブレーキングして一気にフルバンク、という走り方も試したが、剛性は高く、ブレーキを残したまま寝かし込んでもフロント回りがバタつくことがない。前後サスが踏ん張ることでフルバンク中の安定性はさらに高まり、バンク角も増した。
こう書くと、真価を発揮するのはスポーツライディング時だけと思われそうだが、フロントタイヤの接地感が掴みやすく、車体姿勢を乱しにくいという特性はビギナーにも優しいし、市街地での乗り心地も前モデルより少し硬いかな、という程度の違いだ。
エンジンは基本的に変更なし。低中回転域の力強さによりゼロ発進が楽で追い越し加速も速く、中回転域からの全開加速ではフラットに速度が乗り、エキサイティングさには欠けるが速さはトップレベルだ。