文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝
アプリリア「SR GT 200」インプレ(太田安治)
アドベンチャー感のあるタフでワイルドな1台
SR GTは、無骨ささえ感じる外装デザインとセミブロックパターンタイヤが醸し出すワイルドな雰囲気が魅力。エキゾーストパイプを可能な限り上側に寄せて最低地上高を確保し、前後サスストロークも122mm/102mmと長い。このあたりはライバルのホンダ・ADV150よりもオフロード適性にこだわった結果だろう。
タフなルックス/高い走破性を謳っているが、実情はストリートバイクとして使われることが多いだろう。そこで重要なのはスロットルワークに対して違和感なく加減速する走行特性。特に小排気量スクーターは、最大トルクの発生回転近辺を積極的に使う設定でゼロ発進が唐突だったり、常用回転域が高いため、せわしく感じる車種が少なくない。
しかし、SR GTは約2500回転で遠心クラッチが繋がり初めて穏やかに発進し、80km/hオーバーまで力強く加速する。100km/h時は約5800回転で、高速道路クルーズも快適。17.4HPという数値から想像する以上に余裕のある動力性能だ。
タイヤは前14・後13インチで、ハンドリングはニュートラル。ライダーの着座位置が高い割にヒラヒラ感が薄くて直進安定性もいい。コーナリング中の接地感の高さ、リニアな効き味のブレーキと併せ「無理が利く」車体に仕上がっている。「高速道路も使いたいが、フルサイズスクーターは…」というライダーなら是非検討すべき一台だ。
アプリリア「SR GT 200」ライディングポジション・足つき性
シート高:799mm
ライダーの身長・体重:176cm・62kg
シート高799mmだが、停車時にシート前側に腰をずらせば足着きを確保できるので身長160cm台でも無理なく乗れる。足を置く場所の自由度も高く、大柄な体格でも窮屈さはない。
アプリリア「SR GT 200」注目ポイント
アプリリア「SR GT 200」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 1920×765×1295mm |
ホイールベース | 1350mm |
最低地上高 | 170mm |
シート高 | 799mm |
車両重量 | 148kg |
エンジン形式 | 水冷4ストSOHC4バルブ単気筒 |
総排気量 | 174cc |
ボア×ストローク | 61.5×58.7mm |
最高出力 | 13kW(17.4HP)/8500rpm |
最大トルク | 16.5N・m/7000rpm |
燃料タンク容量 | 9L |
変速機形式 | オートマチック(CVT) |
タイヤサイズ(前・後) | 110/80-14・130/70-13 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ260mmシングルディスク・Φ220mmシングルディスク |
生産国 | ベトナム |
メーカー希望小売価格 | 55万円~56万1000円(消費税10%込) |
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:赤松 孝