現行のアフリカツインは、2016年に登場したCRF1000Lアフリカツインが、2019年のモデルチェンジでエンジンの排気量アップ、軽量化、各部の熟成といった大幅な改良を受けCRF1100Lアフリカツインへと発展したものだ。
 
このモデルチェンジで追加されたバリエーションモデルがアドベンチャースポーツで、コーナリングヘッドライトや大容量タンクなどで、より長く過酷なツーリングに対応させたモデルという位置付け。さらに電子制御サスのEERAを標準装備したモデルがアドベンチャースポーツESだ。
 
2022年には、エンジンの排ガス規制対応、DCTの制御プログラムの見直し、ウインドスクリーン形状の変更といった改良を受け、さらにアドベンチャーツアラーとしての完成度が高められている。
文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行

ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」各部装備・ディテール解説

画像1: ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」各部装備・ディテール解説

エンジン

ハードなオフロード走行や長距離ツーリングなど、幅広い用途で快適な走りを可能にする余裕のパワーを発揮するコンパクトな1082cc水冷並列ツイン。スロットルバイワイヤも採用して操作に対するリニアな反応も追求されている。写真はDCT仕様だが、マニュアルクラッチの6速ミッション仕様を選ぶこともできる。


画像2: ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」各部装備・ディテール解説

マフラー・リアブレーキ

マフラーは、十分なパワーとスポーティなサウンド、快適なパルス感を兼ね備えるために、排気経路を切り替える排気バルブシステムを採用。リアブレーキはローター径Φ256mmのシングルディスク。選択式ABSモードを備え、On-Road/Off-Roadモードを選択可能、ABSの動作をオフにもできる。


ヘッドライト・スクリーン

アフリカツインのアドベンチャースポーツには、メインのヘッドライトの下側に夜間のコーナリング時にバンク角に応じて3段階に照射範囲を切り替え、進向方向を効果的に照らし出すコーナリングライトを追加。周囲に街灯などが無いような状況でのライディングでも、大幅に安心感を向上。フロントマスクの印象もやや異なって見える。


メーター

明るく見やすい大型TFT液晶パネルで、ライディング中でも見やすい多機能メーターを実現。GOLD・SILVER・BRONZEと名付けられた、3つの表示モードを好みに応じて選択できる。Apple CarPlayにも対応し、iPhoneをケーブルで接続すれば、電話帳や音楽プレイリスト、マップアプリケーションなどのコンテンツがそのまま利用が可能。


フロント 足まわり

倒立フォークと21インチ径ホイールなどはスタンダードモデルと同様だが、車両の走行状態に応じて減衰力を最適化できる、ショーワ製の電子制御サス・EERAを装備。低速時の乗り心地と高速時の安定感、オンロード走行性能とオフロード走破性といった相反する要求を高次元で両立。ライディングモードと連動する4つのサスペンションモードも選択可能。


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リア 足まわり

軽量で高剛性なアルミ製スイングアームを採用、リアホイール径は18インチ。幅広い路面に対応するため作動性と路面追従性を追求し、オフロード走破性とオンロードの快適性を両立させている。また電動プリロードアジャスターも装備し、車両状態に応じたプリセットモードや、細かく調整できるUSERモードでセッティング可能。


画像4: ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」各部装備・ディテール解説

燃料タンク

スタンダードの18Lに対し、アドベンチャースポーツは24Lという大容量を確保して長大な航続距離を実現。しかもオフロードライディングの邪魔にならないように作られていて、サイドに強く張り出し、ボリュームを感じさせるデザインながらも、ニーグリップやスタンディングポジションでの快適さまで考慮している。


画像5: ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」各部装備・ディテール解説

シート

オフロード走行時に必要となる前後の体重移動など、アグレッシブなライディングにも対応できるスリムでフラットなシート形状。標準状態でもシート高を830mm・810mmの2段階に調整できるようになっている。スマートなデザインでタンデムグリップも兼ねたアルミ製キャリアは、オプションのトップケースの装着ベースにもなる。


画像6: ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」各部装備・ディテール解説

テールランプ

コンパクトだがLEDの採用で十分な明るさを備えるテールランプ。シャープで洗練されたデザインのテールカウルの後端に埋め込まれる。

ホンダ「CRF1100Lアフリカツイン アドベンチャースポーツ ES DCT」主なスペック・価格

全長×全幅×全高2310×960×1445-1500mm
ホイールベース1560mm
シート高810/830mm
車両重量250kg
エンジン形式水冷4ストOHC4バルブ並列2気筒
総排気量1082cc
ボア×ストローク92.0×81.4mm
最高出力75kW(102PS)/7500rpm
最大トルク105N・m(10.7kgf・m)/6250rpm
燃料供給方式FI
燃料タンク容量24L
変速機形式電子式6速(デュアル・クラッチ・トランスミッション)
キャスター角27°30'
トレール113mm
タイヤサイズ(前・後)90/90-21 54H・150/70R18 70H
ブレーキ形式(前・後)ダブルディスク・シングルディスク
メーカー希望小売価格205万7000円(消費税10%込み)

文:濱矢文夫、アドベンチャーズ編集部/写真:柴田直行

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