文:小松信夫
【海外バイクあるある】車名が同じでも同じ車両とは限らない!
近年原付二種というか125ccクラスへの注目が高まっている中で、ホンダCB125Rとか、スズキGSX-R125といった、純粋な125ccロードスポーツも人気ですが。その一方で、東南アジアとかヨーロッパあたりでは、汎用性の高い実用車的な性格も備えたシティコミュータ的125ccスポーツというのが根強い人気のようで。
その代表的なモデルとしてホンダにCB125Fというモデルがあるというのは、以前この連載でもやりましたね。ヘッドライト周りとか今時なスタイルだけど、前後18インチホイール、ツインショック、OHC2バルブの空冷単気筒エンジンという古典的な造り。スポーツ性はそれなりだけど乗りやすくて、燃費や信頼性は抜群で下駄代りには最適、お値段もリーズナブルっていうヤツ。
ある時、パキスタン・ホンダのホームページを見ていたらCB125Fを売ってるんですよ。ああ、ここでも売ってるのね〜、と思ったんだけど、何か違和感が。そういや格好は似てるけど、タンクにシュラウド着いてないなぁ。コストダウンのために細かく変えてるのか? と思ったら、実はそれだけじゃなかった。
このエンジンがね、違うんですよ。普通のCB125Fは先ほど説明したように、シンプルなOHC2バルブを採用してるんですが。パキスタン版CB125Fのエンジンは、これ何とOHVだった。ということは、世界各国で今なお販売されてる実用車・CGシリーズ系のエンジンということか。
もちろん2バルブだし、普通のCB125Fより圧縮比も低くてOHCよりパワー的には劣ってる。けど、その分信頼性は高いし、メンテナンスも楽だ。そういう面がパキスタンのお国柄的に求められてるんだろうけど…いや、OHVエンジンを搭載したCBって、初めて見たね! 「OHVはCBにあらず!」なんて決まりは無いはずだけど、なーんか違和感はあるな(ひょっとしたら世界のどこかに存在するのかもしれないけどね)。
ちなみに普通のCB125Fに近いモデルはパキスタンにもあって。それが上級モデルのCB150Fで、こちらのエンジンはちゃんと(?)OHC。タンクにシュラウドも付いてます。
パキスタン版CB125F、ボディカラーは4タイプも用意されてますが、いずれもなかなか独特な色彩感覚というかなんというか。基本的には大人しいスタイリングのCB125Fなんですけど、パキスタン的グラフィックによって強烈な存在感に変身。
あとね、この画像の右上に「パキスタン独立75周年を祝って」とかなんとか書かれてるんですよ。パキスタンは1947年独立だそうなんで、確かに75年目。ホンダCB125Fの車体の方にはそんなことは書かれてないみたいなんだけど、パキスタン版ホンダCB125Fは独立75周年記念モデルってこと?
パキスタン・ホンダの他のモデルにはそんな文言が付いてないが。確かハーレーが、アメリカの独立200年記念モデルを1976年に出してたような気はするけど…他にはそんなオートバイ聞いたことない。それだけ気合の入ったモデルってことなのか。
文:小松信夫