皆さん、こんにちは!
日立Astemoレースクイーンの楠瀬るりです。
8月7日(日)に、2022FIM世界耐久選手権第3戦、“コカコーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会が、3年ぶりに鈴鹿サーキットで開催されました。
作本輝介選手、渡辺一馬選手、羽田大河選手の体制で挑む、Astemo Honda Dream SI Racingとして初めての8耐参戦であり、私自身も8耐に参加するのが初めて! 以前からチームの皆さんには鈴鹿8耐がとても暑く&熱いレースで、夏の風物詩であり、お祭りであることを聞いていたので、本当に楽しみにしていました。

7月中は大学の試験がたくさんあったのですが、鈴鹿8耐を楽しみに乗り越えることに。熱中症になりやすいので、試験が終わったら毎日ジムに通い、筋力トレーニングと5キロランニング、スイミングと、暑さ対策と体づくりを頑張りました!!

私は8月5日(金)に合流しましたが、ライダーやチームの皆さんは8月2日(火)、3日(水)から合同テストがあり、先に現地入りしていました。2日、3日は猛暑だったので、皆さんの体調がとても心配だったのですが、テストは全員ミスなく、順調な走りを見せていたと聞いてホッとしました。
8月5日(金)の公式予選のスケジュールです↓

画像1: モータースポーツ初心者・楠瀬るりの“ピットから発信中♡”/鈴鹿 8耐 編

8耐は公式予選が2回あり、予選順位はチームのエントリーライダー3人のうち2人が出したベストタイムの平均で決定。8月7日の決勝には、予選グループ内のトップタイム×1.08秒以内のタイムを出した選手だけが進出できます。

Rider BLUEの作本恒介選手、Rider YELLOWの渡辺一馬選手は、快調な走りで予選突破。しかしRider REDの羽田太河選手は、予選の2回とも酷い雨のせいで全力でアタックできず、トップ×1.08秒タイムをクリアできませんでした…。

公式予選中、太河選手のタイムをチームの全員が見守っていて、結果を知った時の皆さんの顔、太河選手の悔しい顔は忘れられません。大河選手のことは伊藤真一チーム監督も「とても速いライダー」と仰っていましたし、直前のテストも好調だったにも関わらず、2回の予選とも天候に左右されて力を発揮できなかったことに、私までとても悔しくて泣きそうになりました。

金曜日の予選終了後の時点では、チームは作本選手と一馬選手の2人体制で決勝に進むことになる可能性がありました。しかしRider REDの予選では、17名ものライダーがトップ×1.08秒のタイムをクリアできなかったことから、翌日に救済措置が取られ、羽田太河選手も無事に決勝を走行できることになりました。その知らせを聞いた時は、本当に心から嬉しかったです!

羽田太河選手は今年、全日本ロードレース選手権のST600クラスにTN45 with MotoUP Racing Teamのライダーとして参戦していて、Astemo Honda Dream SI Racingのライダーとして走行はこの鈴鹿8耐だけ。初めてお会いした時から本当に明るくて、話しやすくて、お人柄の良さを感じました。メカニックさんやエンジニアさんなど全員の方と楽しそうに話していて、作本選手と一馬選手ともとても仲が良かったので、以前から交流があったのかと思いましたが、後から聞いてみたところ、一緒に走るのは今回が初めてだったそうで驚きました。

ちなみにチーム内での会話を盗み聞きしたところ(笑)、チームの皆さんは渡辺一馬選手を “一馬”、作本輝介選手を “作本”、“さっくん”、羽田太河選手を“太河”と呼ぶことが多いようです!
(編集部注:羽田選手は8耐の後、Pertamina Mandalika SAG Teamのガブリエル・ロドリゴの代役として、世界ロードレース選手権第13戦オーストリアGPから最終戦までMoto2参戦することが発表されました)

そして5日の夜、タイヤ交換や給油のピット作業をされるチームの皆さんは、夜遅くまで練習を繰り返していたそうです。私がホテルで寝る前に洗濯物を取りに行った夜1時頃、給油作業を担当するチーフメカニックの小原さんとテレメトリーの佐能さんが、ちょうどホテルに戻ってくるところでした。皆さん早朝から作業されているのに、こんなに遅い時間まで練習しているなんて…!

8耐ウィークでは、連日遅くまで作業されるメカニックの皆さんのために、サポートスタッフの方がおにぎりを作っていたのですが、土曜日のおにぎりには私もメッセージを書かせていただきました!

画像2: モータースポーツ初心者・楠瀬るりの“ピットから発信中♡”/鈴鹿 8耐 編

知らなかったのですが、鈴鹿サーキットのピットロードは傾斜があるため、平面でやるピット作業よりも難しいそうです。また、ピット作業はタイヤ交換→給油の順番で行なうのですが、タイヤ交換の間はマシンに触れてはいけないそうで、30リットルのガソリンが入った給油タンクを2人で持ち上げていないといけないのだとか。じつは今回、この給油タンクを持たせていただいたのですが、カメラを向けられても表情が作れないほど重くて、この重さをずっと持ち上げているなんて考えられなかったです。

画像: ガソリンが入ってない空の給油タンクは無事に持ち上げられました!

ガソリンが入ってない空の給油タンクは無事に持ち上げられました!

小原さんの腕を見せていただいたのですが、力こぶが私の腕の3倍くらいありました!(笑) どれだけ力が強いのだろうと腕相撲してもらいましたが、両手で挑んでも軽々と負けてしまいました。でも特にトレーニングなどはしていないそうで、「メカニックは腕の力がつくんだよ」とおっしゃっていましたが、本当に力持ちです!

画像3: モータースポーツ初心者・楠瀬るりの“ピットから発信中♡”/鈴鹿 8耐 編

ちなみに今回の給油スタッフが小原さんと佐能さんに決まったのは、おふたりの背が高いから。給油係と消火係の方は引火防止のために耐火服を着なくてはならず、とても暑い中、耐火服で重いタンクを持って作業されるなんて、皆さんすごい体力だと関心してしまいました。

画像: 耐火服・ヘルメット・目出し帽・ゴーグルとフル装備のテレメトリー・佐能さんと撮りました。

耐火服・ヘルメット・目出し帽・ゴーグルとフル装備のテレメトリー・佐能さんと撮りました。

給油作業の難しいところを聞いてみると、「しっかりと給油口にはめること」だと教えてくださいました。ピタリとはまってない場合、ガソリンが漏れ出してしまいますし、規則で決まっている最大容量24リットルのガソリンタンクをきっちり満タンにしないと、耐久レースではガス欠の可能性があるからです。給油タンクは、圧力をかけて給油スピードを上げることが禁止されているので、自重によっていかに速く落とせるか、落ちる時にできる渦をどう使うかなど工夫されているそうです。

タイヤマネージメントの池田さん、メカニックの大須賀さんも、8耐用のマシンは全日本ロードレース選手権のマシンとは違い、ガソリンタンクの給油口に窓口が付いていることを教えてくださいました。この窓口はガソリンが満タンになっているか確認するためのもので、きっちり満タンになっていないと気泡ができてしまうとか。タンクは燃費計算のために重さを厳重に管理されていて、走行後は必ずガソリン消費計算を行なって燃費を確認。8耐の勝利の鍵は、ピットインを最低限の7回に抑えることだそうで、5日の夜も燃費計算を綿密に行い、戦略を立てている姿が印象的でした。

画像4: モータースポーツ初心者・楠瀬るりの“ピットから発信中♡”/鈴鹿 8耐 編
画像: 8耐で使用するガソリンは、FIMの指定するPANTA OILという黄色いガソリンです。

8耐で使用するガソリンは、FIMの指定するPANTA OILという黄色いガソリンです。

画像5: モータースポーツ初心者・楠瀬るりの“ピットから発信中♡”/鈴鹿 8耐 編
画像: メカニックの大須賀さん。

メカニックの大須賀さん。

8月6日(土)のスケジュールはこちらです↓

画像1: 8月6日(土)のスケジュールはこちらです↓

昨日の公式予選ではAstemo Honda Dream SI Racingは4番手。プライベートチームでこの速さは凄いことだと聞き、とても嬉しくなりました!
本来なら土曜日は鈴鹿8耐ならではの、予選上位10位以内のチームで行なわれる「トップ10トライアル」が実施されるはずだったのですが…悪天候のため中止となってしまいました。とても楽しみにしていた方も多かったはずですし、私もワクワクしていたので残念でした。
最終的にスケジュールは40分間の計時予選に変更となり、Astemo Honda Dream SI Racingは7番グリッドを獲得しました。

そして夜はお楽しみの前夜祭です! ナイトピットウォークは初めて経験しましたが、給油やタイヤ交換などのピット作業の公開練習が行なわれ、ファンの方々も大勢見に来てくださって、盛り上がりを見せていました。

しかも私はなんと! チーフメカニックの小原さんが「乗ってみたら?」と提案してくださり、#17のマシンにまたがらせていただきました(*´ω`*)
まだ二輪免許を持ってなく、バイクは触ったこともなかったのですが、鈴鹿8耐で実際に使用するさまざまな想いの詰まったバイクに、チームの皆さんに見守られながらまたがらせていただいて、大変貴重な経験でした。初めてまたがったバイクはとても大きくて、ライダーの皆さんがコーナーで体をあそこまで傾けられることが凄いと実感しました。

画像2: 8月6日(土)のスケジュールはこちらです↓
画像3: 8月6日(土)のスケジュールはこちらです↓

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