文:小松信夫
海外ウェブサイトの沼で、謎多きスズキ「レッツ」を発見
えー、この週刊連載も70回を超えました。薄々お気づきかとは思いますが、いよいよもってネタ枯れです。1年半もやってれば、だいたいキャッチーでネタになりそうな車種は刈り尽くしますよそりゃ。でもね、そういうことを言うと、某N野webオートバイ編集長が怖〜い目で睨むので、そうも言ってられない。
というわけで、最大のネタ元である各メーカーが用意してる海外ホームページリンクをさすらうわけですが、タマにニューモデルが登場する以外、そうそう面子が変わるわけもなし。しかしリンク集にはですね、たまに会社名だけあってリンクが存在しないものがあったりする。今までは面倒なんで放っておきましたが、ここをちょっと探ってみると…なんか変なモノが引っかかってきましたよ。
上の画像のスズキの海外リンク集の一番下に見える、東南アジアはカンボジアで二輪を扱うカンボジア・スズキモーターという会社が見えるんですけど、公式Webページへのリンクがない。どうやら本当にWebはなくて、フェイスブックとかTwitterしかやってないらしいのね。
その辺を掘り返してみたら謎のスクーターが。この画像です、あー、レッツってんですけどね。またレッツかよ、という声が聞こえてくるなぁ。
ええ、ついこの間もこの連載で、中米はグアテマラでスズキが売ってるレッツ110ってのを紹介しましたっけね。ええ、カンボジアのレッツとは一目瞭然、全く違いますよ。ホイールだって前後10インチだし、ちょっと古臭いけどスポーティな感じのスタイルで。
もちろん、今も日本で売ってる質実でシンプル、実用性一点張りな50ccスクーターのレッツとも全く別物ですよ。
そもそもカンボジアのレッツは、前後14インチという時点でレッツらしさが感じられないんです。というか、全体のフォルムがそもそもレッツらしくない…というより、スズキらしくないような。
どうやらエンジンは110cc、前後14インチホイールみたいです。LEDヘッドライトだったり、フロントブレーキがディスクだったり、結構贅沢な造りみたいですねぇ。
でも、うーん、フロントマスクとかホンダが今もタイで売ってるスクーピーみたいな風味ね。あれはあれでそんなに違和感感じないけど、コイツは見れば見るほどチグハグな感じが。うまく言葉にしにくいんだけど、なんというか独特な色遣いとかグラフィックのデザインのセンスが引っかかるんですよ。それでも説明しきれてないなぁ。
エスニック? というんでもないねコレは。この不思議な感覚が、カンボジアの血に流れている民族的センスなんでしょうかね。日本ローカルのモデルを見て、海外の人たちも同じようなことを思ってるのかね?
それより今回困ったのはカンボジア語ですわ。テキストになってれば最近はマイナー言語でもGoogle翻訳でなんとかなるんだけど、このカタログ画像みたいに一枚の画像になっちゃってるものは、何が書いてあるかさっぱり分からない。時たま混じる(カンボジア語にできない)英語にしか頼れないというね。
だから今回、スペックとか装備とかの説明の歯切れが悪いんですよ。結局、どこで生産してるかも調べが付かなかった。ああ、世界はまだまだ謎に満ちているんだなぁ。
文:小松信夫