文:太田安治/写真:南 孝幸
SV650/SV650X用 アールズギア「リアルスペック スリップオンマフラー」テスト&レポート
トルクの上乗せでゼロ発進と追い越し加速の力強さをアップ
リプレイスマフラーは動力性能を高めるピークパワー向上、軽量化、迫力ある排気音で人気を得てきた。しかし音量が法律で厳しく規制されて以降、ユーザーの嗜好は変化し、普段使いでの扱いやすさと心地いいサウンド、機能美を漂わすルックスが選択の要件になっている。
アールズギアの製品はピークパワーよりも低中回転トルクを、音量よりも音質を優先し、チタン素材が生む軽さと美しさに拘ったエキゾーストシステムの開発を続けている。
このSV650用スリップオンマフラーに関しても、アールズギアの理念は変わらない。走り出した瞬間に感じるのがゼロ発進のイージーさ。エンジン回数とクラッチ操作に気を使う必要はなく、坂道やタンデムでの発進/加速も力強いしUターンも楽。ベンチテストでの出力グラフによるとアイドリングから9000回転までの全域でトルクが上乗せされているのだが、これが排気量が10%ほど増えているように感じさせる。
車検OKの政府認証マフラーなので排気音量は抑えられているが、スロットルをワイドに開けたときの弾けるサウンドと、スロットルオフ時のアフターファイアー音はノーマルマフラーにはない魅力。サイレンサー重量2.1kgはノーマルの半分以下だし、質感の差も大きい。機能とルックスの両面でカスタム効果を実感させてくれるアイテムだ。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
エキパイから集合部、センターパイプまではノーマルながら、性能の違いは明確。1980年代車のような左右2本出しタイプがあると喜ぶ人も多そうだけど、サイレンサーが2本になるとコストが掛かるから難しいかな。
文:太田安治/写真:南 孝幸