まとめ:オートバイ編集部/写真:関野 温
Q.13 チェーンの張りすぎはなんでいけないの?
A.張りすぎるとサスペンションの動きを邪魔する
サスペンションがストロークすると、ドライブスプロケットの中心とスイングアームピボット、アクスルシャフトの3点が同一線上に重なった地点でチェーンが一番張る。この時、チェーンを張り過ぎていると、サスペンションが自由に動かなくなる。スプロケットとの正常な噛み合いのためにもチェーンには適切なたるみが必要なのだ。
Q.14 チェーンの寿命はどのように判断するの?
A.シールチェーンなら通常1万5000km~2万km以内で交換
新品の状態からチェーンアジャスターで約1cm引っ張ったくらいが使用限度。シールチェーンなら通常1万5000km~2万km以内、ノンシールチェーンなら5000kmでの交換が望ましい。チェーンが伸びると操作性や乗り心地、燃費が悪化するだけでなく、チェーンの騒音も大きくなる。チェーンは劣化スピードが遅いのでライダーはその悪状況に慣れてしまっていることが多い。なので距離を目安に定期的に交換しよう。
Q.15 チェーンをつなぐときのクリップの向きがわからない…。
A.クリップの口を進行方向とは逆に向けるのが正解
チェーンをジョイントする方法は、「カシメ」と「クリップ」のふた通りある。簡単なのはクリップなのでこれを使う人は多いのだが、クリップの向きを間違えている人も多いそうだ。正解はクリップの口を進行方向に向けない。もし口の開いた方を進行方向に向けると、クリップがなにかに接触した場合クリップが外れる可能性があるからだ。
Q.16 チェーンカバーが付いてると寿命は伸びるの?
A.チェーンカバーの効果は絶大で耐久性に貢献する
カブ系に使用されているチェーンはノンシールタイプなので、まめにメンテナンスしないとすぐに伸びてしまう。しかし、カブ系の車両にはチェーンカバーが装着されていることが多いので、ダストや雨からチェーンを守ってくれる最適な環境なのだ。とは言えノンシールチェーンの寿命は約5000kmとシールチェーンよりも短いことを覚えておこう。
Q.17 シールチェーンはメンテナンスしなくていいの?
A.チェーンルーブがシールの劣化を抑制してくれる
「シールチェーンはピンが削れないようにグリスを入れてシールで栓をしているので、メンテナンスの必要はない」と言うのは大きな間違い。シールチェーンもメンテナンスは必要だ。シールはゴムでできているので、雨風にさらしたままにするとひび割れが発生し、劣化してしまう。それらを予防するためにチェーンルーブにはシールを保護し、活性化する成分が入っている。これにより塗布後はチェーンがスムーズに回転するようになるのだ。
Q.18 灯油やパーツクリーナーでチェーンを洗浄していいの?
A.シールチェーンをパーツクリーナーで洗浄してはダメ!
シールチェーンの場合、灯油やパーツクリーナーで洗浄するとシールを傷める可能性があるので専用のチェーンクリーナーを使おう。どんなにチェーンがピカピカでも、シールが破れてしまったら交換するしかないのだ。またホイールに飛散したチェーンルーブはチェーンクリーナーではなく、パーツクリーナーで洗浄する。チェーンクリーナーには油分が入っているので使わない方がいいそうだ。
Q.19 チェーンのメンテナンス方法を教えて!
A.チェーンメンテは走行直後に行うのがベスト!
チェーンは走行中、外気温の+20~30℃くらいまで発熱するので、走行直後にメンテナンスを行うと溶剤の浸透性が良くなる。さらに次の走行までには溶剤が乾燥しているので飛散を抑えることもできるのだ。
【メンテナンス方法】
チェーンのクリーニング
チェーンのグリスアップ
Q.20 サビたチェーンでもメンテナンスすれば使えるの?
A.プレートの点サビはチェーンが曲がったときにシールを攻撃する
サビが発生する状態になると、当然内部のピンやブシュも同様の状態であることが考えられる。メンテナンスして一時的には使える可能性はあるが、安全上、多量にサビが発生しているチェーンは使用しない方がいい。特に内プレートの点サビはチェーンが曲がったときにシールを痛める原因となる。
Q.21 雨天走行したらメンテナンスしたほうがいいの?
A.雨天走行後は必ずメンテナンスしよう
雨の日に走るとチェーングリスが流れてしまうので、サビを予防するためにも必ずメンテナンスしよう。濡れたままにしておくとあっという間にサビが発生してしまうぞ。その他にサーキット走行や長時間高速走行したときもメンテナンスを行った方が望ましい。
Q.22 長期間乗らないときはどうやって保管したらいいの?
A.乗っても乗らなくてもシールチェーンの寿命は約5年
チェーン表面とシール部分を保護するために必ず保管前にメンテナンスしよう。シールチェーンの寿命は約5年ほどなので、5年以上経過したチェーンはシールが劣化して本来の性能を発揮できない可能性があるそうだ。
Q.23 スプロケットの丁数を変更するとチェーン長も変わるの?
A.ドライブチェーンの継ぎ足しは安全上推奨していない
一般的な車両であれば、基本的にスプロケット1丁の変更であればチェーンアジャスターで調整できるが、2丁以上増やす場合はチェーンの長さ変更が必要となる場合が多い。リンク数の計算は、D.I.Dのホームページにあるチェーンリンク計算表で計算することができるので利用してみよう。
まとめ:オートバイ編集部/写真:関野 温