MVアグスタ「921S」スタイリング解説
最新技術を惜しみなく投入した「テック・レトロ」コンセプト
MVアグスタから美しいコンセプトモデルが発表されました! その名も「921S」。1970年代に一世を風靡した、MVアグスタの4気筒モデルをオマージュした「テック・レトロ」デザインを与えられ、最新技術を惜しみなく投入されたスポーツネイキッドです。
スタイリングのモチーフとなったのは、1972年登場の750S。世界グランプリで大活躍したMVアグスタが、そのノウハウを投入して造り上げたスポーツバイクで、DOHC4気筒という、当時としては非常に高度なメカニズムを持ったエンジンを搭載。非常に高価な価格もあって、当時のライダーにとって「高嶺の花」だった憧れの1台です。
そんな名車のDNAを継承しながら、最新技術を駆使して生まれたのがこの921Sと言うわけです。鮮やかなブルーに彩られたタンク、レッドの車体まわりなど、グラフィックも往年の750Sを再現したデザインとなっています。
ムダをそぎ落とした、ミニマルなスタイリングは、このバイクのメカニカルな部分を前面に押し出したもの。アルカンターラのシートや、フレームにマウントされた、シートストッパーを備えたテールカウル、タンク上にマウントされたタッチスクリーン式メーターなど、ユニークなデザインとアイデアに満ちています。
MVアグスタ「921S」メカニズム解説
エンジン、車体とも完全新設計の意欲作!
エンジンは完全新設計の921cc・DOHC4気筒。115.5HPを発揮する強力なユニットを、クロモリ鋼のトラスセクションとアルミキャストのピボットプレートを組み合わせた、これまた新作のシャシーに搭載しています。
前後サスペンションはオーリンズ製を採用するなど、メカニズムも一級品。フロントディスクにドラムブレーキ風のカバーを付けたり、エンジン直後に大きなサイレンサーを備える4into1マフラーの出口を4本出しとするなど、斬新さとレトロ感を両立しています。
タンク上にマウントされるメーターはタッチスクリーン式のカラーTFT。各種車両情報表示のほか、エンジンマッピングやライディングモードの設定もできるようです。
現段階ではコンセプトモデルですが、エンジンやエキゾースト、車体関係の造りを見ると、市販化の可能性は高そう。MV自身が「フューチャーモデル」と言っているだけに、期待が持てそうです。日本でもぜひ発売して欲しいですね!
まとめ:松本正雅