文:小松信夫
日本仕様は未発表の新型125ccスクーターがかなり魅力的?
スズキが日本国内向けのニューモデルとして、125ccスクーターの「アヴェニス125」と「アドレス125」を発売したのはご存知の通り。この2台はインドで販売されてたものを日本国内にも導入したもの。「アドレス125」はインドでは「アクセス125」という車名だけどね。
しかしインドのスズキで125スクーターといえば、もう1台「バーグマン・ストリート125」ってのもあるんですよね。スズキ125スクーター三兄弟の長男といいますか、ちょっとスポーティというか上質な感じの最上級モデル。でもフラットフロアだったりして使い勝手も良さそう。現時点では日本では販売されておりませんが。
それでですね、日本で「アヴェニス125」と「アドレス125」が発表されるのと機を同じくして、ヨーロッパなどに向けたニューモデルとしてケルンショーで「バーグマン・ストリート125EX」が発表されていたんです、グローバルモデルに出世ですな。
ヨーロッパだけじゃなく、「バーグマン・ストリート125」を販売してた本国のインドでも発表されてました。要は「バーグマン・ストリート125」のさらに上級版として用意されたモデルらしい。
そのリリースを見ると、高効率を追求した空冷125cc単気筒のSEP-αエンジンを積んでることをアピール。 エンジンオートストップスタートやアイドリングストップ、新しいサイレントスタートシステムを追加して、燃費と静粛性を向上させておるそうです。
あとスクーターには欠かせない、大容量でヘルメットやショッピングバッグも収まる、使いやすいシート下収納だとか。
小物の収納に便利な左側のフロントコンパートメントと右側のクイックアクセスポケットと、左コンパートメント内にUSBポートとか。でもエンジンを除けば、これらの特徴ってスタンダードな「バーグマン・ストリート125」と大体同じなんだよね。両車は諸元みてもほとんど変わらない。エンジンも周辺のシステムはともかく、それ自体は同じだよね多分。
インド向けには装備されてるBluetoothでのスマートフォン連携やターンバイターンナビ機能が、ヨーロッパ向けには設定されてないとか、タンデムグリップがリアキャリア兼用になってるかどうかとか、ボディカラーとか…インド向けとそれ以外、ということなら違いはあるんだけど。
だがしかし、一見すると非常に分かりにくいんですが、「バーグマン・ストリート125EX」と「バーグマン・ストリート125」には、メカニズム上ではっきりとした違いがあったのです。インド仕様の両車を斜め後ろから見た画像を見比べて気づきませんか?
そうです、リアホイールが違う。フロントは両車共通で12インチ径だけど、スタンダードな125は10インチ径で、125EXは12インチ径。そう言われてもよほど注意して見ないと分からんですが。合わせてホイールベースとか微妙に変わってます。よく見るとリアフェンダー周りとかも違う…という、重箱の隅を突いた程度の差しかない?
実際乗ってみれば、これ結構違うんだろうなぁ。乗り心地とか、安定性とかは前後12インチ化された「バーグマン・ストリート125EX」の方が良さそう。なんでインドではわざわざ「バーグマン・ストリート125」が用意されてるのか?
それはひとえに価格が理由らしい。インドでは125EXはデリー市渡し価格11万2300ルピー(現在のレートでの日本円換算・約18万4000円)なのに対し、スタンダードな125は8万9900ルピー(約14万8000円)。その差、日本円で約3万6000円。15万円とかの買い物で2割以上の価格差だから、それは無視できないね。安くて見栄えのいい「バーグマン・ストリート125」への需要は、インド市場では根強いんだろうなぁ。
というか、ヨーロッパなどで売るためのモデルとして、リアホイールを12インチ化した125EXが開発されたから、ついでにインドでも売っとくか、という感じ? そもそもバーグマン・ストリートの原設計がリア12インチだったりしてね。
文:小松信夫