アドベンチャーモデルに乗りたいけど排気量による免許区分や車体重量、価格、足つき性などで諦めている人は多いのではないだろうか。今回試乗したCRF190Lはそんな人たちにオススメなミニアドベンチャーだ

中国にはHONDAの名前がついた二輪メーカーが2つ存在する。五羊本田と新大州本田は中国でHONDAの二輪車を生産・販売する合弁会社だ。今回紹介するCRF190Lはその新大州本田から発売しているモデル。

14Lタンク搭載で145kg、軽量ミニアドベンチャー!

画像1: 14Lタンク搭載で145kg、軽量ミニアドベンチャー!
画像2: 14Lタンク搭載で145kg、軽量ミニアドベンチャー!

HONDA
CRF190L
¥439,000(税込)
全長:2,100mm
全幅:820mm
全高:1,387mm
軸間距離:1,387mm
最低地上高:241mm
シート高:830mm
車重:145kg
エンジン形式:空冷4サイクルOHC4バルブ単気筒
ボア×ストローク:61×63mm
燃料供給方式:FI
排気量:184.4cc
圧縮比:9.5:1
最高出力:15.7PS/8,500rpm
最大トルク:15.75Nm/6,000rpm
燃料タンク容量:14L
ブレーキ:前ディスク(ABS)/後ドラム
タイヤサイズ:前90/90-19 後110/90-17
ヘッドライト:LED
テールライト:LED

CRF190LはまるでCRF1100L Africa Twinのようなラリーマシンを模したスタイルを持っている。スペックを見ていくと、エンジンは空冷4ストローク単気筒で、排気量は184.4cc、ボアストロークはほぼスクエア。タイヤサイズは前19-後17インチなので、ツーリングとフラット林道を想定したミニアドベンチャーと言えるだろう。最低地上高が241mmというのもオフロード走行的に嬉しい数値だ。

シート高は830mmでさほど高くなく、スリムな車体のおかげで足つき性も上々。車両重量はアドベンチャーとしてはかなり軽量で145kg。14Lの燃料タンクを搭載しているため、ロングツーリングにも適している。

柔らかい車体とサスペンションでソフトな乗り心地

試乗したのはCRF190Lを輸入販売しているバイク館の試乗会。コースは教習所の敷地内だったため、オフロードや高速道路などを走ることができなかったが、波状路やコーナーでその特性を感じることができた。

画像: 柔らかい車体とサスペンションでソフトな乗り心地

実際に跨ってみると驚くのが、見た目と反してめちゃくちゃコンパクト。ロングスクリーンのインパクトと、ラリーバイク然としたスタイルから、フロント周りの位置が高いのかと想像していたが、まったくそんなことはなかった。そういえばフロントタイヤは19インチなのだった、と思い出す。

走ってみると、エンジンは実に素直な吹け上がりでパワーも申し分ない。印象に残ったのは、とにかく車体とサスペンションのソフトなフィーリングだ。リアブレーキがドラムなこともあって、スピードを出してコーナーに突っ込むような走りにはあまり向いていない。一つ高いギアでエンジンの低〜中回転を使って、トコトコと流すのが気持ち良いバイクだ。とてもスリムな車体なので、スタンディングしたままヒラヒラと寝かせて緩いワインディングを駆け抜けるのが楽しい。エンジン的にもサスペンション的にも、なんとなくセロー250に似ていると感じた。

ちょっと気になったのはノーマルのステップ位置が少し前方にシフトしているので、慣れないとスタンディングでのシフトチェンジやブレーキ操作がしづらい点。これはベネリ(現在は中国企業傘下のイタリアメーカー)のアドベンチャーマシンTRK251でも感じたことなので、中国系のアドベンチャーあるあるなのかも。ただしこれにはメリットもあって、シッティング時のライディングフォームに余裕が生まれて、疲れにくいという点が挙げられる。

タイヤは19-17インチだが、サスペンションが本当によく動くので、ブロックタイヤを履かせてあげればオフロードもそこそこ走れるのではないかと思わせる。ラリースタイルのバイクに乗りたいけど予算の都合や車重、足つき性などで諦めてしまっている人に、ぜひオススメしたい一台だ。

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