文:市本行平(Webike Plus編集部)、オートバイ編集部/写真:木村圭吾、カワサキモータースジャパン
※この記事は月刊『オートバイ』2023年2月号の記事を一部編集し転載したものです。
カワサキ「テリックス KRX 1000」インプレ(市本行平)
こいつこそニンジャ!? 4輪の運動性能は圧巻
テリックスKRX1000は、アメリカで生産されているカワサキのオフロード4輪車で、現地ではサイド・バイ・サイドと呼ばれている。跨って乗る4輪ATVの発展型で車室や窓がなく、バイクの感覚に近い4輪車と言える。
カワサキのオフロード4輪車の歴史は、1980年代に農場などで使われる実用本位のミュールからスタートしているが、今回はスポーツ走行のために開発されたテリックスをメインに紹介したい。
まず、試乗した結論から言ってしまうと「楽しさはバイク並み。それでいて気軽で簡単な乗り物」。バイクではとてもクリアできそうもないガレ場をスイスイとクリアしてくれるし、急坂もラクラクと登ってくれる。もちろん激下りも余裕だ。といってもテクニックは不要で、4輪の免許があれば難しくはないだろう。
今回試乗したコースは、愛知県豊田市にある「さなげアドベンチャーフィールド」というクローズドコース。目の前にこんな道が現れたら間違いなく引き返すようなレベルの急勾配や急カーブがあり、そこを進むように指示されるわけだが、オフロード4輪は何事もなくクリアしてくれるのだ。
試乗した中でも凄かったのは、やはりテリックス。限られたフラットスペースでフル加速すると弾けるように加速していく。4輪としては超軽量な860kgの車体は普段乗る乗用車とは全く違った感覚で、コーナーでは簡単にドリフトしてくれるのが楽しい。
さらに、カワサキのテストライダー(ドライバーとは言わない)のデモ&同乗体験では、ヘルメット大以上の岩がゴロゴロしている急坂を4つのタイヤを目いっぱい動かしながらトラクションさせてヒタヒタと登っていく様が圧巻だった。こいつこそニンジャ!? といえる運動性能の高さを見せつけてくれたのだ。こんなに楽しい乗り物を日本人にも楽しませてくれるカワサキの心意気に感謝したい。
カワサキ「テリックス KRX 1000」各部装備・ディテール解説
カワサキ「テリックス KRX 1000」主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 3305×1730×1900mm |
ホイールベース | 2510mm |
トレッド前・後 | 1505mm・1510mm |
最低地上高 | 365mm(プリロード最大設定時:375mm) |
最小回転半径 | 6.2m |
シート高 | 800mm |
車両重量 | 860kg |
エンジン形式 | 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 999cc |
ボア×ストローク | 92.0×75.1mm |
圧縮比 | 11.5 |
最高出力 | 84kW(114PS)/8500rpm |
最大トルク | 104N・m(10.6kgf・m)/7000rpm |
燃料タンク容量 | 40L |
変速機形式 | CVT/無段変速 |
駆動方式 | ドライブシャフト式2WD/4WD |
フレーム形式 | ラダーフレーム |
ステアリング | ラック&ピニオン(パワーステアリング) |
タイヤサイズ(前・後) | 31×10.00R15 8PR・31×10.00R15 8PR |
ブレーキ形式(前・後) | Φ258mmディスク・Φ258mmディスク |
乗車定員 | 2名 |
メーカー希望小売価格 | 363万円(消費税10%込) |
カワサキ4輪・国内販売車両は2シリーズ4モデル
文:市本行平(Webike Plus編集部)、オートバイ編集部/写真:木村圭吾、カワサキモータースジャパン