カワサキが国内で販売を開始するオフロード4輪車の中で、最もホットなモデルがテリックスKRX1000。ハイパワーのパラレルツインエンジンがエキサイティングな走行性能を生むトレイルモデルだ。
文:市本行平(Webike Plus編集部)、オートバイ編集部/写真:木村圭吾、カワサキモータースジャパン
※この記事は月刊『オートバイ』2023年2月号の記事を一部編集し転載したものです。

カワサキ「テリックス KRX 1000」インプレ(市本行平)

画像: Kawasaki TERYX KRX 1000 総排気量:999cc エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒 車両重量:860kg 発売日:2022年12月1日 税込価格:363万円

Kawasaki TERYX KRX 1000

総排気量:999cc
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
車両重量:860kg
発売日:2022年12月1日
税込価格:363万円

こいつこそニンジャ!? 4輪の運動性能は圧巻

テリックスKRX1000は、アメリカで生産されているカワサキのオフロード4輪車で、現地ではサイド・バイ・サイドと呼ばれている。跨って乗る4輪ATVの発展型で車室や窓がなく、バイクの感覚に近い4輪車と言える。

カワサキのオフロード4輪車の歴史は、1980年代に農場などで使われる実用本位のミュールからスタートしているが、今回はスポーツ走行のために開発されたテリックスをメインに紹介したい。

まず、試乗した結論から言ってしまうと「楽しさはバイク並み。それでいて気軽で簡単な乗り物」。バイクではとてもクリアできそうもないガレ場をスイスイとクリアしてくれるし、急坂もラクラクと登ってくれる。もちろん激下りも余裕だ。といってもテクニックは不要で、4輪の免許があれば難しくはないだろう。

今回試乗したコースは、愛知県豊田市にある「さなげアドベンチャーフィールド」というクローズドコース。目の前にこんな道が現れたら間違いなく引き返すようなレベルの急勾配や急カーブがあり、そこを進むように指示されるわけだが、オフロード4輪は何事もなくクリアしてくれるのだ。

試乗した中でも凄かったのは、やはりテリックス。限られたフラットスペースでフル加速すると弾けるように加速していく。4輪としては超軽量な860kgの車体は普段乗る乗用車とは全く違った感覚で、コーナーでは簡単にドリフトしてくれるのが楽しい。

さらに、カワサキのテストライダー(ドライバーとは言わない)のデモ&同乗体験では、ヘルメット大以上の岩がゴロゴロしている急坂を4つのタイヤを目いっぱい動かしながらトラクションさせてヒタヒタと登っていく様が圧巻だった。こいつこそニンジャ!? といえる運動性能の高さを見せつけてくれたのだ。こんなに楽しい乗り物を日本人にも楽しませてくれるカワサキの心意気に感謝したい。

画像: カワサキのオフロード4輪は2022年度は8店舗ある取り扱い店で販売されている。大型特殊自動車としてナンバー登録される例もあるが、一般用途向けには原則書類は発行しない方針なので、公道走行は不可となる。

カワサキのオフロード4輪は2022年度は8店舗ある取り扱い店で販売されている。大型特殊自動車としてナンバー登録される例もあるが、一般用途向けには原則書類は発行しない方針なので、公道走行は不可となる。

桐野英子 氏 
株式会社カワサキモータースジャパン代表取締役社長

4輪を販売する理由は、この素晴らしい乗り物を日本の方にも楽しんでいただきたいからです。販社として需要を創出していきます。4輪でも「Let the good times roll.(楽しんじゃえ!)」というカワサキの世界観は変わりません。多くの人に触れてもらいたいですね。

カワサキ「テリックス KRX 1000」各部装備・ディテール解説

画像: こちらが2023年モデルのカラーリングで走行写真のモデルは従来カラーとなる。カワサキの4WDモデルはアメリカで生産されたものが輸入される。

こちらが2023年モデルのカラーリングで走行写真のモデルは従来カラーとなる。カワサキの4WDモデルはアメリカで生産されたものが輸入される。

画像: エンジンは並列2気筒DOHC4バルブ999ccを搭載。最高出力は114PSで最高速度は102km/h。バイクほどではないが体感上の迫力は凄い。

エンジンは並列2気筒DOHC4バルブ999ccを搭載。最高出力は114PSで最高速度は102km/h。バイクほどではないが体感上の迫力は凄い。

画像: アメリカから輸入されているので左ハンドル仕様となる。変速機構は低速/高速のCVTオートマチックを採用している。

アメリカから輸入されているので左ハンドル仕様となる。変速機構は低速/高速のCVTオートマチックを採用している。

画像: ハンドルにはチルト機構があり、好みの高さに調整できる。バケット式シートは調整が可能で6点式シートベルトを採用する。

ハンドルにはチルト機構があり、好みの高さに調整できる。バケット式シートは調整が可能で6点式シートベルトを採用する。

画像: FOX製のアブソーバーはボディと同色のグリーンのスプリング。リアサスは4リンク・トレーリングアーム式で531mmの可動域となる。

FOX製のアブソーバーはボディと同色のグリーンのスプリング。リアサスは4リンク・トレーリングアーム式で531mmの可動域となる。

画像: タイヤは前後とも15インチでマキシス製のラジアルタイヤ「カーニバル」を装着。全地形型のトレッドパターンを採用している。

タイヤは前後とも15インチでマキシス製のラジアルタイヤ「カーニバル」を装着。全地形型のトレッドパターンを採用している。

カワサキ「テリックス KRX 1000」主なスペック・価格

全長×全幅×全高3305×1730×1900mm
ホイールベース2510mm
トレッド前・後1505mm・1510mm
最低地上高365mm(プリロード最大設定時:375mm)
最小回転半径6.2m
シート高800mm
車両重量860kg
エンジン形式水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量999cc
ボア×ストローク92.0×75.1mm
圧縮比11.5
最高出力84kW(114PS)/8500rpm
最大トルク104N・m(10.6kgf・m)/7000rpm
燃料タンク容量40L
変速機形式CVT/無段変速
駆動方式ドライブシャフト式2WD/4WD
フレーム形式ラダーフレーム
ステアリングラック&ピニオン(パワーステアリング)
タイヤサイズ(前・後)31×10.00R15 8PR・31×10.00R15 8PR
ブレーキ形式(前・後)Φ258mmディスク・Φ258mmディスク
乗車定員2名
メーカー希望小売価格363万円(消費税10%込)

カワサキ4輪・国内販売車両は2シリーズ4モデル

画像: TERYX4 S LE テリックスは4人乗りもラインナップ。4座が独立しておりスポーツ走行にも対応するが、783ccでパワーは抑えめだ。 税込価格:321万2000円

TERYX4 S LE

テリックスは4人乗りもラインナップ。4座が独立しておりスポーツ走行にも対応するが、783ccでパワーは抑えめだ。

税込価格:321万2000円

画像: MULE PRO-FXT EPS ミュールはウマ属のラバのことで基本的に運搬を目的とした仕様となる。ベンチシートで最大6名乗車が可能だ。 税込価格:278万3000円

MULE PRO-FXT EPS

ミュールはウマ属のラバのことで基本的に運搬を目的とした仕様となる。ベンチシートで最大6名乗車が可能だ。

税込価格:278万3000円

文:市本行平(Webike Plus編集部)、オートバイ編集部/写真:木村圭吾、カワサキモータースジャパン

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