オートバイの駆動系を支える重要な部品のひとつが「スプロケット」。純正スプロケットとは異なる華やかなカラーリングが受けて、今では人気のカスタムパーツとして認知されている。そこで今回はスプロケットの重要性について掘り下げてみた。
文:オートバイ編集部/写真:関野 温

Q.14 スプロケットの丁数を前後偶数や奇数で組み合わせてもいいの?

A.偶数・奇数の組み合わせで問題が発生することはない

「スプロケットの丁数を前後偶数にしたり、前後奇数にしたりするとチェーンによくない」という都市伝説的な話もあるが、これはまったく根拠のない話なので問題ない。

サンスターもそのような話があることは知っているそうだが、このような組み合わせがバイクにどのような影響を及ぼすか、という試験をしたことがないそうだ。なぜならバイクメーカーからそのような試験の要求がないから。つまり問題ないということ。実際、純正指定のセッティング値で前後偶数や前後奇数の車両も数多く存在する。

画像: 前後スプロケットの丁数の組み合わせは、偶数・奇数に関係なく自由に組み合わせることができる。

前後スプロケットの丁数の組み合わせは、偶数・奇数に関係なく自由に組み合わせることができる。


Q.15 アルマイト加工にはどんな種類があるの?

A.「アルマイト」と「ハードアルマイト」、加工はまったくの別物

アルマイト加工とは、アルミに施す表面処理のこと。アルミは素地のままにしておくと腐食が発生するので、これを防ぐためにアルマイト加工を施す。この他に「ハードアルマイト」と言う加工もある。これの特徴はアルミの表面に着色を施すことで腐食を防ぐだけでなく、表面を固く保持する効果がある。

つまりスプロケットはチェーンのローラーと常に接触することで摩耗が促進するので、これを抑制するためにサンスターのアルミ製スプロケットには、すべてハードアルマイト加工が施されている。

画像: サンスターのアルミ製スプロケットは、ハードアルマイト加工によって自然発色するシャンパンゴールドが採用されている。

サンスターのアルミ製スプロケットは、ハードアルマイト加工によって自然発色するシャンパンゴールドが採用されている。


Q.16 スプロケットは自由にデザインできるの?

A.小排気量のスプロケットの方がデザインの自由度は高い

純正スプロケットのシンプルなデザインよりも、見た目の華やかさを追求したアフターパーツのスプロケットは魅力的だ。もちろん見た目だけでなく、機能的な向上も考慮されたデザインになっている。

ただし、デザインの自由度に関しては、リッタークラス用のスプロケットよりも、高い強度を必要としない小排気量クラスの方が、肉抜きなどが大胆にできるので斬新なものが多い。ZX-25R専用スプロケットは、その代表的な例だ。

画像: ZX-25RはZX-14Rと同じ丁数だが、強度の問題でサンスターのZX-25R専用品はZX-14Rには装着できない。

ZX-25RはZX-14Rと同じ丁数だが、強度の問題でサンスターのZX-25R専用品はZX-14Rには装着できない。

文:オートバイ編集部/写真:関野 温

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