まとめ:斎藤ハルコ/写真:井上 演/ゲスト:橋爪ヨウコ
※この記事は月刊『オートバイ』2022年10月号に掲載したものを再編集しております。
※東金砂神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
今回のゲストはお笑い芸人の橋爪ヨウコさん
883愛が炸裂している女性芸人さんが登場、ハーレー乗り同士で意気投合!
僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした〝神社ソムリエ〟として、ゲストのお人柄や願いに合う神社へご案内するこの連載。今回のゲストは、お笑い芸人の橋爪(はしづめ)ヨウコさんをお迎えしました!
10代で芸人活動をスタートした橋爪さんは、もともとは地元の群馬で1位&MVP受賞経験を持つサッカー少女だったそう。また、20数年間地上波ドラマは全視聴するほどドラマ好きで、現在はWebの総合ニュースサイトでドラマに関するコラムを連載中です。ユニークなところでは、お母さんの影響で幼少時代からさだまさしさんの大ファンだったため、『50音何を言われてもさだまさしさんのミニエピソードが言えます』という芸をお持ちです。
そんな橋爪さんが、883を手に入れたのは約1年前のこと。現在の目標も、バイク関連のものでした。しかも「名刺配りツーリングをやっているので47都道府県をバイクで走りたい」、「バイクの駐車場代をYouTubeで賄えるくらい、チャンネル登録者数と再生回数を増やしたい」という、かなり具体的なもの。はたして目標にピッタリの神社は…茨城にありました!
橋爪ヨウコさんの願いは……
47都道府県をバイクで⾛りたい!
バイクYouTubeの登録者と再⽣回数を増やしたい!
ゲスト
橋爪ヨウコさん
芸人(太田プロ所属)。1985年生まれ。群馬県出身。16歳で上京、東京NSC8期生卒業。201
4年にドイツみちことコンビ『こじらせハスキー』を結成。サッカー歴27年。26年間地上波ドラマ全クール全チャンネル視聴中。好きなものはドラマとハロプロとバイクと、さだまさしさん。
橋爪さんの愛車 ハーレーダビッドソン XL883N
橋爪さんはもともとハーレーに憧れていたとか。タンクのシンプルなハーレーロゴがお気に入りで、いかつめのカスタムは前オーナーが施したものをほぼ受け継いでいるそうです。
神社ソムリエ
佐々木優太
参拝した神社は1万数千社、受けた御朱印は4000以上。ラジオパーソナリティーやテレビMCとして活躍し、神社にまつわる執筆や講演もしています。愛車はハーレーダビッドソン・XL1200NS。写真は橋爪さんのキュートなポーズに対抗した、自分なりのアイドル的ポーズ。
ツーリングの目的地は茨城県常陸太田市の東金砂神社
日本全国を回るバイク旅と動画収益アップにご利益アリ、歩きやすい靴必須!?
というわけで、僕が橋爪さんをご案内したのは茨城県常陸太田市の東金砂神社。平安時代に坂上田村麻呂が蝦夷征伐の際に多宝塔を建立、中世に源頼義・義家親子が奥州討伐の勝利を祈願してご宝刀を奉納したなど、いくつもの歴史的エピソードを持つ神社です。
ご案内の理由としてはまず、単純ですが社名に「金」の文字が入っていたこと。御祭神がペアで国造りをした神様な点も、お笑い芸人としてコンビで活動する橋爪さんに通じるものがあると感じました。さらに社紋が「扇に日の丸」なので、日の丸=日本で全国をバイクで旅することに通じ、余裕のある暮らしぶりを「左うちわ」と呼ぶことにちなみ、YouTubeの収益アップにもつながると考えたのです。
ちなみに東金砂神社は常磐道・那珂インターから約30kmの距離。県道36号からと県道33号から向かう2つのルートがありますが、神社周辺の山道はクルマがすれ違うのが難しいほど狭く、急カーブが続きます。バイク好きである宮司の滑川さんに聞くと、県道33号からの道は路面状況がより険しいそうで、バイクで向かうなら36号から向かうルートの方が安心とのことでした。
東金砂神社(ひがしかなさじんじゃ)
茨城県常陸太田市天下野町9740
創建は平安時代に遡り、御祭神はオオナムチノミコトとスクナヒコナノミコトの二柱。常陸国一帯を納めていた一族・佐竹氏の家紋「五本骨扇に日の丸」(正確には月の丸だそうです)を社紋にすることを許された神社です。
毎年2月11日に五穀豊穣と浜大漁を祈願した田楽舞が行われており、72年に1度という日本で最も長い間隔で行なわれる大祭礼でも知られています。次回の大祭礼開催はなんと2075年! 東金砂山の頂上に建つ社殿には、仁王門、田楽堂、鐘つき堂を経て辿り着きます。参道の階段は苔むした長い急坂なので、神社に上がる際は歩きやすい靴がオススメです。
ご利益の理由
橋爪ヨウコさんだから、おすすめの3つの理由
1.神社名に“金”の文字が入っている
→旅もYouTube活動も先立つ金運が必要!
2.御祭神の二柱がペアで日本を作った神様
→ペア=コンビでの芸人活動にもご利益が
3.神社でかなり珍しい「扇に日の丸」の社紋
→「日の丸=日本」で全国を走るにつながる
参拝ではココに注目!
神仏習合時代の名残を感じる境内
少々マニアックな視点になりますが、東金砂神社の境内には明治より前の、神社とお寺が習合していた時代の文化が残っています。たとえば参道の階段を上ると最初に見える仁王門は、通常、神社では見られないもの。
こちらの仁王門の迫力ある阿吽像はいわゆる「張りぼて」の脱活乾漆造りで、見た目より全然軽いそうです。また、鐘つき堂もお寺の文化の名残。宮司の滑川さんが「鐘は参拝時にどなたでも、どうぞ自由に鳴らしてください」と仰っていたので、さっそく橋爪さんが撞いて、荘厳な鐘の音を響かせてました(笑)。
東金砂神社の御刻印(ごこくいん)
東金砂神社は、各地の寺社仏閣をバイクで巡り、専用の御刻印を集める『疾風巡拝プロジェクト』の協力神社。裏面にご神体を入れるポケットがあるKADOYA製の革バンド『刻道守(こくどうまもり)』を頒布しており、社紋デザインのオリジナル御刻印を打つことができます。刻道守は大人気で品切れも多く、確実にお受けしたい時は参拝前に問い合わせを。