2023年2月10日、3日間で行われるMotoGPプレシーズンテストがマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで幕を開けた。各チーム精力的にテストを行い、無事にテスト初日を終えている。

ドゥカティ勢が好スタート!8台中7台がトップ10に

午前10時から19時まで行われたテスト初日は、一時雨が降る場面もあったが、基本はドライコンディションだった。この時期のタイムはあまり参考にならないが、ディフェンディングチャンピオンであるドゥカティ勢が昨年に引き続き速さをみせ、上位独占をしてみせた。

1番時計を刻んだのはマルコ・ベッツェッキ(Mooney VR46 Racing Team)。ドゥカティのサテライトチームである同チームは、22年型デスモセディチGP22で今シーズンを戦う予定だ。しかし、1年型落ちのマシンとはいえ、昨年のチャンピオンマシンであるデスモセディチGP22の戦闘力は高く、54ラップ目にこの日の最速タイムを記録した。

2007年以来となるドゥカティでのチャンピオン獲得を達成したフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)は、栄光のゼッケンナンバー1をつけた新型デスモセディチGP23でテストに参加。

画像: 2023年シーズンは幸先の良いスタートを切ったドゥカティとフランチェスコ・バニャイア。 www.motogp.com

2023年シーズンは幸先の良いスタートを切ったドゥカティとフランチェスコ・バニャイア。

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バニャイアは新しいエアロパーツを試しながら、最終的には5番手タイムを記録した。今年からファクトリーチームに昇格したエネア・バスティアニーニ(Ducati Lenovo Team)は22年型でテストを行い3番手タイムをマークしている。

実は昨年のセパンテストでドゥカティのファクトリーチームはタイムが上がらず、バニャイアは昨年のテスト初日では19位という結果だった。しかし、今年は2台ともに上位でセッションを終え、バニャイアは昨年のタイムより1秒以上速いタイムを更新している。昨年型を含め、今年もドゥカティの性能が高く、シーズン序盤から優勝争いに臨める位置にいるのではないだろうか。

上位独占のドゥカティ勢に割って入ったのが、一躍トップチームに躍り出たアプリリアだ。2022年シーズンでチャンピオン争いを繰り広げたアレイシ・エスパルガロ(Aprilia Racing)は6番手、そしてチームメイトのマーヴェリック・ヴィニャーレス(Aprilia Racing)は2番手につけた。

アプリリアのワークスチームは2台とも新しいエアロパーツをテストし、エキゾーストやスイングアームなど新しいものを試していたようだ。

打倒ドゥカティを目論むライバルたちも精力的にテストをこなす

今シーズンからワークスチームのみの参戦となったヤマハ勢はフランコ・モルビデリ(Monster Energy Yamaha MotoGP)が10番手、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP)が11位でセッションを終えた。

昨シーズンはヤマハワークスの2台にポテンシャルの差が目立っていたが、今回のテストでは2台揃ってタイムを出すことができている。さらに、課題とされていたトップスピードが改善されていることを確認することができた。

昨年のセパンテスト初日にクアルタラロが記録したトップスピードは332.2km/hだったが、今回のテストでは334.3km/hとトップスピードが向上している。

画像: 2年ぶり2回目のチャンピオンを狙うファビオ・クアルタラロ。 www.motogp.com

2年ぶり2回目のチャンピオンを狙うファビオ・クアルタラロ。

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セパンテストではワークスの2台に加え、テストライダーであるカル・クラッチローと中須賀克行も参加。初日は中須賀が担当し、クアルタラロとモルビデリとは異なるカウルのテストも行い、58ラップを消化している。

ドゥカティに比べポテンシャルが劣っていながらも、最後の最後までチャンピオン争いを繰り広げたヤマハとクアルタラロ。まだテスト初日だが、弱点を克服しつつあるヤマハ陣営がチャンピオン争いに加わることは間違いないだろう。

昨年の不調からの脱出を狙うホンダ陣営。度重なる手術を乗り越え、7度目のチャンピオン獲得を目指すマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が12番手タイムを記録し、これがホンダ勢トップのタイムとなった。

画像: 怪我からの完全復活を目指すマルク・マルケス。 www.motogp.com

怪我からの完全復活を目指すマルク・マルケス。

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マルケスには4台のマシンが用意され、比較検証が行われていたようだ。スズキから移籍したジョアン・ミル(Repsol Honda Team)は17番手、アレックス・リンス(LCR Honda Castrol)は18番手となっている。ホンダへのスイッチには、ある程度の時間がかかることが予想される。

しかし、スズキでともに戦った河内健テクニカルディレクターのホンダ移籍は、コミュニケーションも含め、ホンダのバイクに対する理解・適応の助けになるのではないだろうか。

GASGASを含めたKTM勢は後方に沈み、最上位はジャック・ミラー(Red Bull KTM Factory Racing)の16番手となっている。しかし、こちらも新パーツやシャシーのテストに集中しているため、今後のタイムの伸び代に注目だ。

MotoGPセパン公式テスト 初日結果

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レポート:河村大志

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