レポート:河野正士
CAKEはゴールドウインとのタッグで国内~アジア市場に参入
新しいビジネスモデルの構築を目指す
創業者であり現CEOのステファン・イッターボーンの記者発表や個別インタビューでCAKEの現状と未来の姿を見聞きし、そのCAKEと日本国内における独占的パートナー契約を締結し、自身の事業形態を変えてまで、電動バイクの国内販売に打って出たゴールドウインのビジネスプランを聞くと、興奮を禁じ得なかった。
欧州では内燃機エンジン (ICE)搭載の新車販売ができなくなるばかりか、都市部ではICE車両の乗り入れが禁止となり、各事業者はその対策を打ち出さない限り事業が継続できなくなるという、その期限が迫っている。
それに対してCAKEは、欧州でD2C販売モデルを確立し、今後は販売拠点を増やしていく予定で、そのビジネスモデルを北米にも広げている。そして日本のゴールドウインのように、パートナー企業と連携してアジア市場も積極的に取り行く。もちろん各国政府や各自治体、それに多種多様な事業者と連携しながらB2Bのビジネスモデルも確立し、ICEからEVへの移行という、善悪や好き嫌いとは別の次元で進むインフラの移行も、彼らのビジネスを後押ししている。
もちろん日本も、程度の差はあれ、同じタスクを抱えている。そこにCAKEとゴールドウインという、二輪車メーカーとは違うところからやって来たタレントたちによって新たな事業がスタートするのだ。何かが起こらないはずはない。そう感じたのだった。
現在CAKEでは競技用車両から子供用車両、さらには発表されたばかりの電動アシスト自転車まで25機種をラインアップしている。その中から国内にはまず、原付免許から自動二輪免許で乗れる車両まで10機種を導入予定。
CAKEのラインアップを一部紹介
Kalk&(カルクアンド)
CAKEを代表するKalkシリーズ。オフロードバイクとMTBをミックスしたスタイリングが特徴で、搭載する装備によってパフォーマンスが異なる。この「Kalk&」はオーリンズ製サスペンションを搭載。バイクともMTBとも違うライディングポジション。
Ösa+(オッサ プラス)
レジャーからビジネスユースまで、幅広いシーンでの活用を想定した「Ösa」。フレームを利用しボックスやラックなどを装着できる、高い機能拡張性も特徴のひとつだ。
Makka range(マッカ レンジ)
原付免許で乗ることができる「Makka」。リアにホイール・イン・モーターを搭載。最高速は25km/hとなっている。日本でのB2Bではこの「Makka」が中心になるだろう。
Go(ゴー)
キッズ用の電動バイクもラインアップ。「Go」は完全電動のモトクロッサー。最高速度は40km/hで車両重量は32kg。航続時間は1時間ほど。税込価格は72万6000円。
国内での販売目標は3年間で5000台
日本での車両購入申込はWEBのみ。車両販売やサービスの窓口となるパートナーとして、国内外ブランドの二輪四輪ディーラーを展開する「レピオグループ」が加わった。
納車は、そのサービスセンターでの受け渡しを基本としながら、有償で個別配送も予定。修理などサービスを受ける場合は、サービスセンターに車両を持ち込むか、有償で車両引上を依頼する。
現在欧州ではB2Bの比率が高く、もちろん日本でも販売台数の約半分をB2Bで販売するビジネスプランを構築中。国立公園やレジャー施設での移動手段やアクテビティとしての使用も、そのプランに組み込まれている。
レポート:河野正士