10000回転以上も回る125cc単気筒エンジンってどんなだ⁉︎
125ccクラスのバイクとしては、かなり走りを重視したDOHC4バルブの水冷単気筒エンジンを積んでいる『GSX-S125』。
ボア径よりもストローク量の方が極端に短い、62mm×41.2mmのショートストロークなレイアウトのエンジンは、明らかに「高回転域のスポーティさを楽しんで!」と言っているように思えます。
今回は、そんなGSX-S125のスポーツ走行が最も活かせるであろう山奥のワインディングで、コーナリング性能やスポーツ性能を検証してみたいと思います。
メイン電源を入れてセルボタンと押すとワンプッシュでエンジンが始動。
アイドリング時の回転数は1500〜1800回転くらいで一般的なバイクとさほど変わらない。
だけど、スロットルをちょっと回すだけで、あっという間に4000〜5000rpmくらいまで一気に到達します。
しかも、それがビッグリするくらいなめらかで、回転数の上昇が早いんです。
それでいて、エンジンのレスポンスが良すぎて、いわゆる“ドンつき”になるような過敏すぎるキャラクターではない乗りやすさも合わせ持っているところがスゴい。
もちろんGSX-S125は原付二種クラスなので高速道路は乗れません。
でも、法定速度60km/hの一般公道を余裕でリードできるくらいのパワーとスピード感があるから、下道ツーリングが抜群に楽しいんです。
幹線道路をスムーズに駆け抜けて、あっという間にお目当のワインディングロードに辿りつきました。
コーナー立ち上がりでアクセル全開!大排気量では難しい走りが誰にでもできる
今回走ったのは、郊外の山岳道路によくある、タイトなヘアピンコーナーが連続するシチュエーション。
アップダウンを繰り返しながらブラインドコーナーが続く峠道です。
まずは、上りカーブのコーナーリングで普通にブレーキング→旋回→立ち上がりのパワー特性を確かめてみます。
すると……あれ?
旋回時に回転数が4500rpmくらいまで落ちていて、ちょっとギクシャクしながらの立ち上がりになってしまった…。
バイクが「もっと回していいよ? 全然大丈夫だから!」と言っているかのように、まだまだエンジンに余裕があるんです。
あぁ、これは紛れもなく“スポーツバイク”だ……
最近の125ccモデルはパワー不足を感じさせないためか、低速トルク重視のモデルが多いので、低中速域を使ってのコーナリングに慣れてしまっていた自分に気がつきました。
次のコーナーは「もっと高回転を落とさずにコーナリングしてみよう!」と高揚感が高まります。
誰にでも“スポーツバイクの楽しさ”ってこういうことか!って分からせてくれる
「高回転をキープしながら走る」という、原点的なスポーツバイクの楽しさを思い出させてくれるかのように、GSX-S125のエンジンは高回転域で力強さがあります。
このエンジンが本領を発揮するのは6000rpmくらいからでした。
コーナー手前から減速つつも6000rpm以上の回転数をキープしながら旋回すれば、先ほどまでのコーナリングが嘘だったかのように気持ちよく立ち上がり加速が楽しめます。
コーナー立ち上がりからのフルスロットル!という、大排気量ではちょっと難しい走り方が、回転数さえ落とさなければ誰にでもできてしまうんです。
これは小排気量のスポーツバイクならではでしょう。
だから、エンジン回転数はギアチェンジやブリッピングを駆使しながら出来る限り6000rpm以上をキープ!
GSX-S125はこれでコーナリングの走りが変わります。
そうと分かれば、このバイクは楽しくてしょうがない!
兄弟モデル「GSX-R125」ほどのスポーティな前傾姿勢を強いられないアップライトなハンドルのライディングポジションは安定志向なハンドリングになっています。
6000回転からどこまで回るんだ⁉︎って感じで、スロットルをワイドオープンできる気持ちよさは格別。
GSX-S125は125ccの単気筒だけれど、水冷のDOHCエンジンは8000rpmを超えてもエンジンの頭打ち感が全然ありません。
ピークパワーは10500rpmで15馬力ですが、8000〜10000rpmくらいまで、もうひと伸びもふた伸びもしてくれるようなパワー感があるんです。
いや〜、これは参った!これはオモシロ過ぎ!!
正直、125ccモデルだと思って、ちょっとナメてました……。
「高回転を不安なく維持しながらワインディングをスポーティに走り抜ける」
(下に続きます)
『GSX-S125』はそんな本格的なスポーツランが誰にでも楽しめるようになっているんです。
次回はもっと距離を伸ばして、GSX-S125のツーリング性能を検証してみたいと思います!