連勝記録のストップ、自身初の総合優勝……。各クラスで起きたトップ争いに目が離せない、2023 44キッズクロス第3戦をレポート
2023 44キッズクロス第3戦
日時:2023年3月12日(日)
会場:MXフィールドトヨタ(愛知県)
2シーズン目を迎えるはずが第1戦と第2戦ともに雨予報で延期と、天候に悩まされてきた44キッズクロス。満を持して開催された第3戦当日はようやく太陽が顔を出し、ベストコンディションの中でレースが行われました。クラスは、スーパーMOTO-E/ファースト50/スーパー50/リミテッド50/ファースト65/スーパー65/85・150の7クラスが開催。昨シーズン後半は、各クラストップに入るライダーが固定化されてきていましたが、今大会では新たな勝者が多く登場し、目が離せない展開となりました。
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連勝記録が途絶える、スーパーMOTO-Eクラス
MXフィールドトヨタは上り坂が多くあるコースのため、電動バイクで競うMOTO-Eクラスではマシンパワーを考慮し、スタート後の上り坂手前に1コーナーを設置。その他上り坂を何箇所かカットしたショートカットコースでレースが行われました。
ヒート1、ホールショットを決めたのは、2022年MOTO-Eクラスチャンピオンの丹羽群青選手(#99)。勢いよくコーナーに進入すると、リヤタイヤを滑らせながらコーナリングを決め、そのままスピードに乗って後方との差を広げていきます。その後も安定した走りでトップを守り切りゴール。2022年大会から13ヒート連続優勝を重ねる強さを見せました。
丹羽選手を追い抜くことができるライダーは現れるのか……期待が高まるヒート2。いつも通りホールショットを決めた丹羽選手でしたが、1周目を終えて戻ってくるとマシンのリヤタイヤがグラグラと不安定な様子。3周目にピットインをし、トップ争いから外れる形となりました。後でお話を聞いたところ、MOTO-Eクラスのサイドコンテンツ「スタンディングスティルコンテスト」に向けて空気圧を抜き、そのままの状態で走行したことでリムが外れてしまったとか。レースはあと2周というところでコースに復帰。結果は8位中7位ということで連勝記録が途絶えてしまいましたが、最後まで諦めずに追い上げを見せたその勢いは凄まじく、次戦に期待が高まります。
ヒート2で優勝を獲得したのは、1周目で2番手につけていた広野康輝選手(#122)。広野選手も丹羽選手と同様、2022年開幕戦から継続して参加しているライダーの1人。着実に実力を高めており、最近ではトップ3の常連になっています。トップに立つと、安定した走りで見事初優勝を獲得。丹羽選手を揺るがす存在感を示しました。次戦は、2年連続シリーズチャンピオンを狙う丹羽選手が巻き返しを図るか、広野選手が勢いを増してくるか、まだまだ目が離せません!
なお、今大会からスペインのバイクメーカーTRROTのキッズ用電動バイク「MOTOCROSS TWO」の貸出サービスがスタート。限定1台のみのレンタルで、電動バイクを持っていないライダーでもスーパーMOTO-Eクラスに参戦することができます。今回は森陽平選手(#9)がサービスを利用し、スーパー50とのダブルエントリーで参戦。ヒート1ではスタート後に転倒し追い上げの展開で7位、ヒート2では序盤から3番手につけ2位入賞と、電動バイクを乗りこなし、総合順位は堂々の2位を飾りました。
今大会ではお昼休みに「スタンディングスティルコンテスト」を開催。スタンディングスティルとは、止まったマシンの上で立つことで、バランス力が重要なトライアルのトレーニングとしても行われます。同コンテストでは親がマシンを支えている状態でマシンに跨り、手を離したところから地面に足が着くまでのタイムを競います。各ライダー3回のチャレンジが認められましたが、3秒以上キープするのがなかなか難しい様子。そんな中、圧倒的な安定感で優勝したのが伊藤聡馬選手(#66)です。支えもなく1人でマシンの上に立つと、そこから15秒16を記録。あまりの安定感に観客をどよめかせました。
優勝した広野選手はこれまで転倒が多かったのですが、今回は安定した走りを見せてくれましたね。レースを通してスピードも上がってきていて、エンジンバイクにも負けない迫力を感じました。1コーナーでのヘアピンコーナーはバトルも多く見られた場所でした。みんな勢いよく突っ込んで曲がっていて、コーナリングのテクニックも見られました。