文・写真:西野鉄兵
ロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」の特徴・跨ってみて感じたこと
ロイヤルエンフィールド渾身の新型車、長旅が絶対楽しい一台
2022年11月のEICMA(ミラノショー)で世界初公開されたロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」。その後2023年1月には日本での発売が決定、そして3月の東京モーターサイクルショーで日本初公開されました。
私がじっくりと見られたのは4月8日、名古屋モーターサイクルショー2023の2日目のことでした。まだ発売日や価格がまだ決まっていない希少な一台ながら、跨り可能な状態で展示されていましたよ。
第一印象は、とにかく美しい! 海外の写真で見ていたイメージよりも、実車は高級感があり輝いて見えました。
排気量は648cc、空冷SOHC4バルブ並列2気筒エンジンを搭載しています。270度クランクを採用したこの2気筒エンジンは、既存のコンチネンタルGT650・INT650に使用されているものと同じ。ただ吸気系のレイアウト変更などは図られています。
フレームは新設計されたスチール製のもの。エンジンを抱え込むのではなく吊り下げるような設計で、見た目的にもエンジン周りがすっきり。
跨ってみると、身長175cm・体重75kg・脚短め太めの私だと、ぎりぎり両足かかとが届かない、くらい。強引にかかとを接地させようと思えば、靴底だけ触れるくらい、ともいえます。
シート高は740mm。サイドカバーが張り出している分、脚を広げて下ろさないといけませんでした。ただ、つま先は両足ともしっかり体重を載せられたので安心。
シートの座面は広く、クッション性もいい感じ。クルーザーモデルならではのフォワードコントロールが採用されています。展示車両は通常のシフトペダルが備わっていましたが、実際に販売されるモデルはシーソー式が搭載されるそう。ハンドル幅は広めで、「優雅に長旅を楽しんでください」とでも言うかのような、鷹揚なライディングポジションになります。
ロイヤルエンフィールドとしては初となる、ショーワ製の倒立フォーク「SFF-BP」を採用。ヘッドライトとテールランプはLEDで、これも同社初。燃料タンクに備わる立派なエンブレムは新規に作られたもの。ハンドルレバーは微調整ができます。
解説員の方に話を聞けば聞くほど、ロイヤルエンフィールドがいかにこの新型クルーザーの開発に熱意を注いできたか分かりました。タイヤもインドのタイヤメーカー・シアットと新規で共同開発した専用のものなんですって。
さらにロイヤルエンフィールド独自のナビゲーションガジェット「トリッパー」を標準装備。「メテオ350」や「ヒマラヤ」には一時装着されていたのですが、半導体不足の影響で、2022年7月から非装着車が標準仕様となっていました。
半導体不足はまだ全面的に解消したわけではないそうですが、旗艦モデルの一台となる「スーパーメテオ650」には装着されます!
ロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」の発売時期
日本での発売時期は2023年6月以降、とだけ発表されています。価格は未定。欧州では、日本円で100万円程度で販売されているそうです。
さらに今回展示されたスタンダードモデルとともに、大型スクリーンとダブルシートが備わった「スーパーメテオ650ツアラー」も発売予定。カラーバリエーションもたくさん用意されるようですよ。
ロイヤルエンフィールド「スーパーメテオ650」の主なスペック・製造国
全長×全幅×全高 | 2260×890×1155mm |
シート高 | 740mm |
車両重量 | 241kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC4バルブ並列2気筒 |
総排気量 | 648cc |
最高出力 | 34.6kW(47PS)/7250rpm |
最大トルク | 52.3N・m/5650rpm |
燃料タンク容量 | 15.7L |
変速機形式 | 6速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-19 57H・150/80 B16 71H |
ブレーキ形式(前・後) | Φ320mmシングルディスク・Φ300mmシングルディスク |
製造国 | インド |
文・写真:西野鉄兵