文・写真:西野鉄兵
「ブリクストン」とは?
瞬く間に成長した新興ブランド、ブリクストン
オーストリアに本拠地を置くKSRグループのブランドである「ブリクストン」。ただそのブランド名は、イギリス・ロンドン南部の地区名を由来にしている、というからちょっとややこしい(汗)。イギリスのストリートカルチャーを意識した、おしゃれなスタイリングが魅力のひとつといえるでしょう。
2018年のEICMA(ミラノショー)でデビューした新興ブランドですが、現在のエンジンラインナップは空冷125㏄シングル、水冷125㏄シングル、空冷250㏄シングル、水冷500㏄ツイン、水冷1200㏄ツインと計5種類もそろえており、多様なモデルが展開されています。
瞬く間に成長を遂げ、日本にも2023年上陸。すでに導入モデルの発売は開始され、現在はデリバリー待ちの状況のようです。モータリスト・ブースで注文状況について話を伺ったところ、続々と問い合わせが来ている中、排気量の大小で偏りはないとのこと。原付二種から大型モデルまで「これだ!」と思った人に選ばれるのでしょうね。
名古屋モーターサイクルショー2023では、「クロムウェル250」と「クロスファイア500」が展示されていました。
ブリクストン「クロムウェル250」をチェック
空冷単気筒エンジンを搭載した、軽量ボディの250ccモデル
カスタムバイクのように見えたため確認したところ、撮影車両は完全なノーマル仕様とのことでした。トラディショナルともトラッカーともスクランブラーとも言い切れないこのスタイリングは、カテゴライズが難しい……。公式サイトでは、モダンクラシック・ストリートモデルとも書かれていました。
エンジンは空冷SOHC単気筒。国内の4メーカーが正規販売する250ccクラスの空冷モデルは、いまやカワサキのKLX230SMくらい。車体のデザインにマッチしたオーソドックスな空冷単気筒は美しく見えます。
全体的に細身ですが、ハンドルはワイド。ホイール径は前18インチ・後17インチ。シート高は790mm。身長175cm・体重75kg脚短め太めの私が跨ると、両足だとかかとが少し届かないくらいでした。車重は145kgと軽量なため、跨ったままでも前進・後退は楽にできそうです。
ライディングモードなど電子制御システムなどは備わっていませんが、前後ディスクブレーキでABSはもちろん搭載。ハンドルにはUSB電源が標準で備え付けられています。
街中を軽快に走るのは楽しいでしょうし、映えますよね。私がさらに思ったのは、ツーリングもけっこうしやすそうだな、ということ。
燃料タンク容量は11.5Lと充分な容量。ライディングポジションはアップライトで、ハンドル幅もあるため、フラットダートたとえばキャンプ場のテントサイトまでの砂利道などは平気で走れそうです。
しかも荷物が積みやすそう! ダブルシートは長さが充分、グラブレールも備わっているため、バイク用シートバッグはもちろん、ストレッチコードなども使いやすいはず。帆布のダッフルバッグをロックストラップでくくったら、いい感じな旅バイクになりそうだな、なんて思いました。
クロムウェル・シリーズにはこの250のほか、原付二種の「クロムウェル125」と、水冷2気筒の1222ccエンジンを搭載した「クロムウェル1200」も日本に導入されています。
ブリクストン「クロムウェル250」の主なスペック・価格
全長×全幅×全高 | 2020×850×1105mm |
シート高 | 790mm |
車両重量 | 145kg |
エンジン形式 | 空冷4ストSOHC単気筒 |
総排気量 | 249cc |
最高出力 | 12.6kW/7500rpm |
最大トルク | 16.5Nm/6500rpm |
燃料タンク容量 | 11.5L |
変速機形式 | 5速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 100/90-18・120/80-17 |
ブレーキ形式(前・後) | Φ276mmシングルディスク・Φ220mmシングルディスク |
カラーバリエーション | デザートゴールド/クロックワークオレンジ、チタンブラック/スターリンググレー |
メーカー希望小売価格 | 70万4000円(消費税10%込) |