文・写真:西野鉄兵
マットモーターサイクルズとは?
どのモデルもフルカスタム車のような、こだわりのパッケージで販売
125ccと250ccの空冷単気筒エンジンを搭載したモデルをさまざま展開するマットモーターサイクルズ。イギリス・バーミンガムで2016年に誕生し、日本では2019年に販売を開始。ピーシーアイ株式会社が正規輸入総代理店を担っています。
全車を通じた特徴は、ビンテージバイクのカスタムモデルかと思うようなデザインと、職人魂を感じさせる細部へのこだわり。もともとカスタムビルダーだった方たちが「もっと身近に感じられるバイクを造りたい」という想いで、立ち上げた新興バイクメーカーです。
2019年に日本に上陸した際、大きな話題となりました。それから4年経ったいまでは、決してマニア向けではなく、一般的なバイクファンにも浸透してきた印象です。際立つシンプルなかっこよさから、はじめて購入したバイクがマットモーターサイクルズだというオーナーさんも多いみたい!
マットモーターサイクルズ「マッシュマン」の特徴
エンジンガードやタンクラックも装備! アドベンチャー要素の高いスクランブラー
さて、名古屋モーターサイクルショー2023でサプライズ公開された新型「マッシュマン(250)」を見ていきましょう。
エンジンは同社のほかの250ccモデルと同様の空冷単気筒、5速ミッション。ワイドハンドル、アップフェンダーを採用。燃料タンク容量は14L。ホイール径は前後18インチ、ブロックパターンのキャラメルタイヤを履いたスクランブラーです。
エンジンガードやタンクラックはオプションパーツなのかと思いきや、撮影車両はノーマル状態だそう。こういったパーツ類もおしゃれにまとめてしまうのは、マットモーターサイクルズならではですね。
灯火類はマットモーターサイクルズでは初のフルLED。ビンテージテイストと現代の装備を上手く融合しています。新型マッシュマンは、利便性や現代の常識も組み込んだ、同社の新たな考え方を示した一台ともいえそうです。
イギリス本国で2023年3月初旬に発売されたばかりで、価格は4600ポンド(約75万5000円)。ボディカラーは撮影車両のチタングレーのほか、現地ではマットグリーンも展開されています。
日本での販売価格・発売時期・カラー展開などの詳細は、近いうちに正式発表される模様。じきに日本版の公式サイトにも掲載されることでしょう。
ちなみに私は最初、既存のモデルをカスタムしたデモ車両かと思い、見過ごしてしまいました。「MUSHMAN」という見覚えのない名称を確認したのは、名古屋MCS 3日目の閉会間近のこと。いやはやモーターサイクルショーは一日では見切れないものだと、あらためて痛感しました。
マットモーターサイクルズならではのビンテージスタイルに、ロングツーリングもそのまま安心して楽しめる実用的な装備を配した新型マッシュマン、個人的にも非常に楽しみです。このバイクでキャンプツーリングをしたら、めちゃくちゃかっこいいでしょうね!
そしてイギリスでは125cc版もラインナップ。このパッケージの原付二種がもし発売されたら、熱すぎます。導入に期待したい!
マットモーターサイクルズ「マッシュマン」の主なスペック
※この諸元は英国仕様車「MUSHMAN 250」のものです。
全長×全幅×全高 | 2060×810×1150mm |
シート高 | 810mm |
車両重量 | 140kg |
エンジン形式 | 空冷4スト単気筒 |
総排気量 | 250cc |
最高出力 | 13kW(17HP) |
最大トルク | 18N・m |
燃料タンク容量 | 14L |
変速機形式 | 5速リターン |
タイヤサイズ(前・後) | 4.10x18・4.10x18 |
ブレーキ形式(前・後) | シングルディスク・シングルディスク |
文・写真:西野鉄兵