ホンダのバイクの聖地、熊本製作所
1976年1月に操業を開始したホンダの熊本製作所。ここでは、50ccの原付スクーターから1800ccの大型モデルまでさまざまなバイクが生産されている。
またバイクだけでなくパワープロダクツ(マリン製品含む)も含めた、国内唯一の生産拠点であり、海外での生産を支援するグローバルマザー工場としての役割も有している。
操業当初は、アジアに向けた二輪コミューター輸出基地としての役割を担っていた。当時は生産台数の9割を完成車輸出が占めていたという。その後「需要のあるところで生産する」考え方のもと、コミューターモデルにおいては、海外へ生産移管が行なわれた。現在では、世界22カ国23生産拠点のサポートを務めている。
また大型モデルにおいては、2008年に国内二輪生産を当時の浜松製作所(現トランスミッション製造部 静岡県浜松市)から熊本に移管。さらに、北米・欧州からも大型モデル生産を熊本製作所に移管し、現在では世界唯一の大型モデルの生産拠点となった。ここから全世界57カ国へと輸出されている。
ときにはバイクユーザーへ向けたイベントも開催される。「ホンダモーターサイクルホームカミング」は、聖地である熊本製作所へ訪れることができる人気の催しだ。
本田技研工業株式会社 執行役常務 二輪・パワープロダクツ事業本部長 安部典明 氏のコメント
「熊本製作所 二輪車生産累計2000万台に際し、我々の活動を47年以上、共に支えて頂いた全ての方へ感謝申し上げます。Hondaにとって二輪は祖業であり、かつ現在も重要な基幹事業です。これまでHondaの中でいち早く世界の国々へ進出し、多くの人の生活の可能性を広げてきました。これからも熊本製作所には『原点と先進』の取り組みを通じて、世界のお客様の『喜び』につなげることへチャレンジし続けて欲しいと思います」
熊本製作所の変遷
・1975年 熊本製作所完成
・1976年 二輪車の完成車輸出基地として操業開始
・1991年 鈴鹿製作所よりスーパーカブの生産を移管完了
・2008年 大型二輪車の国内生産を浜松製作所より移管
・2022年 細江船外機工場が熊本製作所へ加わる
熊本製作所 二輪車生産累計2000万台の軌跡
・1976年 生産開始
・1980年 生産累計台数100万台達成
・1987年 生産累計台数500万台達成
・1994年 生産累計台数1000万台達成
・2000年 生産累計台数1500万台達成
【熊本製作所】
設立:1976年1月
所在地:熊本県菊池郡大津町
代表者:島添正規 所長
事業内容:二輪車・パワープロダクツの生産およびサービス
生産機種:二輪車(45機種)、パワープロダクツ(18機種)、船外機(23機種)
まとめ:西野鉄兵