雨スタートで決勝はドライというコンディションで
サテ本誌が勝手にイチオシしているJP250クラスです。JPはこの菅生大会が2戦目、開幕戦もてぎ大会<www.autoby.jp/_ct/17618559>は、SDG Nプランレーシングの千田俊輝が2番手以下を大きく引き離して優勝。22年インターチャンピオンの中村龍之介、ナショナルチャンピオンの山根昇馬が世界の舞台へ飛び出したことで、戦力一新、そこで千田が圧倒的速さを見せての開幕戦Vでしたね。
菅生大会といえば、昨年のこの大会でスポット参戦した横江竜司(TEAM TEC2&モトテックR4&YSS)が地元の利、力の差を見せつけて優勝したレース。横江は06年GP250&15年ST600チャンピオン、今年45歳のベテランで、同時にこれは22年から参加OKとなったYZF-R3のデビューウィンでもありました。
金曜に行なわれた事前走行では、1回目が雨で数台しか走らず、2回目には横江がトップタイムで千田が2番手、3番手には荻原羚大(ベスラレーシングTEC2&YSS)が入り、3回目の走行でも横江がトップ、2番手に荻原、3番手にbLU cLU YZF-R3カップの選考ライダーである久川鉄平が入りました。
土曜午前の予選もウェットコンディション。ここでも横江が速さを見せてポールポジションを獲得、千田が2番手、3番手にはKTM RC390でスポット参戦している小室 旭(SUNNYモトKTM JP250)が入りました。千田はまだ19歳だけど、雨となるとやはりベテランが速い! 4番手の中沢寿寛(i-FACTORY&Mガレージ)をはさんで久川が5番手に、荻原が6番手に入りました。
決勝レースは土曜午後、この頃になると雨も上がって路面もドライでのレース。ホールショットはやはり横江が奪い、千田、久川、小室、荻原、中沢が続くスタート。オープニングラップのうちに千田がトップに浮上し、横江、久川、荻原、小室が続き、中沢がやや遅れ、これもbLU cLU YZF-R3カップの選考ライダーである高橋匠が6番手に浮上。この6人が7番手以下を徐々に引き離してトップグループを形成します。
この6台も、前4台、後2台に分かれ始め、千田-横江-荻原-久川と、高橋-小室というフォーメーション。3周目には荻原が前に出てトップに浮上。千田、久川が続き、開幕戦や去年の菅生大会のように、千田や横江が逃げるレースとはなりません。このあたりで高橋は前の4台に食らいつき、小室がやや遅れてトップグループから脱落。その周のうちに、今度は横江がトップ、千田、荻原、久川、高橋のトップグループとなります。
次に前に出たのは千田。荻原、久川、横江、高橋の順で、ころころとオーダーが変わる展開。いいですね、ひとり独走じゃない混戦は、CBR一強から、R3やRC390出場をOKしたレギュレーションがいい方向に向かってるってことですよね。
このトップグループから、千田と横江が抜け出しかける局面もあったんですが、すぐに荻原、高橋、久川も離れない。シケインからの登り、ホームストレートから1~2コーナーにかけては千田、横江、荻原が速く、コース中盤からシケインにかけて高橋と久川が追いつく展開。この後、なんどもトップの顔ぶれを入れ替えながら、周回が進んでいきつつ、千田-横江-荻原の表彰台争いと、少し遅れて高橋-久川の2ブロックに分かれていきます。
その後方では、6番手争いが野村唯人(SHINライディングサービス)と田中啓介(bLU cLU GBSレーシング)の2台、その後方で飯高新悟(キジマKISSレーシング)、小室、中沢といったあたりがトップ10に入ってきます。
12周のレースを終えて、荻原が3台のトップ争いを制して総合優勝、荻原は国内ライセンスライダーの中学3年生です! 桶川スポーツランドをホームとするライダーで、今年のIDEMITSUアジアタレントカップのレギュラーにも選出されています。
2位に千田、3位に横江が入り、高橋、久川、野村の順。JPはご存知の通り、国内ライセンスと国際ライセンスの個別表彰ですから、国際ライセンスが千田-横江-田中、国内ライセンスが荻原、高橋、久川の順で表彰台に登壇しました。
21年の篠崎佐助、22年の中村のように、突出したライダーがいない23年のJP250ですが、2戦を終わって国際ライダーでは千田が、国内ライダーでは荻原、野村、高橋、久川といったメンバーがトップを争いそうな展開になってきましたね。
次戦は6月18日の筑波大会。この一戦はJ-GP3とJP250だけが開催され、「マイスター250/600」クラスや「OVER60キッズ」が1day制で行なわれます。この日にJP3もJPも2レース制にしちゃえばいいのにな。
写真/小縣清志 中村浩史 文責/中村浩史