まとめ:齋藤ハルコ/写真:森 浩輔
※この記事は月刊『オートバイ』2023年7月号に掲載したものを再編集しております。
※海南神社での撮影は、特別な許可を得ています。
今回のゲストはユニコーンのEBIさん
10代から聴き続けてきた憧れのアーティストが登場!
僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした〝神社ソムリエ〟として、ゲストのお人柄や願いに合った神社へご案内しているこの連載。今回は、ミュージシャンのEBIさんをお迎えしました!
EBIさんは30代からバイクに乗り始めたそうで、その後、一時期離れたものの2022年末に大型二輪免許を取得。愛車のボンネビルT120は、クロームメッキとメリデンブルーで縁取られたタンクが美しい限定モデルです。「色も形も全部が好きですね」と語るほどお気に入りとのことで、ご自身のSNSにも頻繁にT120が登場しています。
もともとシンガーソングライターを志して上京した僕は、9歳年上の姉の影響で、10代の頃からずっとユニコーンの音楽を聞いていました。なので今回、EBIさんが開運ツーリングにご出演くださると決まった時は本当に嬉しくて! 当日は朝からソワソワして、なんとかファンモードを抑えようと必死でしたが、僕以上にソワソワしていたのが、生粋のユニコーンファンである僕のマネージャーさんと、同行していたオートバイ誌・松下編集長だったことを、余談ながらご報告しておきます(笑)。
ゲスト
EBI(エビ)さん
1965年広島県生まれ。1987年ユニコーンのベーシストとしてメジャーデビュー。1993年の解散後はソロ活動と並行してARB、KASINなどのメンバーとしても活躍。2009年にユニコーン再始動。2012年にユニコーンのメンバー、手島いさむ(G)、川西幸一(Dr)と「電大」を結成。直近のライブ予定は、2023年8月27日の手島いさむ誕生日&還暦を祝した広島スペシャル3daysで、8月26日に電大の「ありがとう還暦前夜祭!」をLive space Reedにて開催。8月27日、28日にユニコーンによる手島いさむ還暦祭「ちょうはつすることてしがごとし」を上野学園ホールで開催予定。
神社ソムリエ
佐々木優太
参拝した神社は1万数千社、受けた御朱印は4000以上。ラジオパーソナリティーやテレビMCとして活躍し、神社にまつわる執筆や講演もしています。愛車はハーレーダビッドソン・XL1200NS。写真はEBIさんの名前の由来が海老ではない、と存じ上げつつも、あえて!の海老ポーズ。
ツーリングの目的地は神奈川県三浦市の海南神社
EBIさんの願い
バイクでキャンプに行ってみたい!
連載ゲスト史上、もっともシンプルな願いに合う神社は…
EBIさんの願いは「バイクでキャンプに行ってみたい!」というシンプルなもの。ですが、そんな願いをもとに、EBIさんにピッタリの神社を見つけ出すのが神社ソムリエです!
海南神社をセレクトした理由は、まず、古くから船乗りに信仰された神社であること。昔は海路が最先端の交通手段だったため、交通の神様と言えるからです。そして料理の神様をお祀りしていることが、キャンプの楽しみであるアウトドア料理の満足度にも結びつく。さらに御祭神の一柱の弁財天は音楽の神様で、ベーシストのEBIさんにご利益が期待できます。バイクと関わり深い〝馬〟を祀る境内社、さらに来年の干支〝龍〟を祀る境内社で、辰年の2024年に向けたさらなる運気上昇にあやかれる! とも考えました。
ちなみに海南神社の宮司・米田さんは学生時代にカバーバンドを組むほどのユニコーンファン。さらに参道にある『食堂トエム』のオーナー夫妻もユニコーンファンで、EBIさんの来訪に大喜びだったのですが、当のEBIさんは「ユニコーンファンて多いんですね…」と、まるで他人事のように微笑んでいたのが面白かったです(笑)。
ご利益の理由
EBIさんだから、おすすめの3つの理由
1.船乗りが信仰する神様は現代の交通の神様
→バイクで行くキャンプ旅を導いてくれる
2.御祭神の一柱が音楽・楽器の神様の弁財天
→琵琶を持つ姿が有名でベーシストと通じる
3.境内の龍神社と龍神様の姿に見える御神木
→来年の辰年に向かって運気がさらに上昇!
海南神社(かいなんじんじゃ)
神奈川県三浦市三崎4-12-11
三崎港のすぐ近くに建つ三浦半島の総鎮守。主祭神の藤原資盈(ふじわらすけみつ)は、平安時代に皇位継承争いに巻き込まれて流罪とされ、暴風雨に流されてこの地に辿り着いたとされます。その後、土地の長となって房総の海賊を平定、漁業を盛んにしたことから、船乗りの護り神として信仰を集めるようになりました。また、日本で唯一の料理の神様・磐鹿六雁命(イワカムツカリノミコト)をお祀りしていることでも有名。源頼朝にゆかりの深い神社としても知られています。
鎌倉時代から江戸時代にかけて建てられた海南神社の本殿、幣殿および拝殿は、県の重用文化財に指定されています。宮司の米田さんがご案内くださり、拝殿と幣殿に参拝に上らせていただきました。拝殿の天井には安政4年の社殿修復を記念して寄贈されたとされる、絵師・浅井応翠(あさいおうすい)の手による彩色画が描かれています。
参拝ではココに注目!
気になるマグロの理由は境内社!
海南神社にはちょっと目を引くマグロのオブジェが奉納されています。というのも、神社のある三浦三崎はマグロの水揚げで全国的知名度を誇る漁港の町。境内社の相州海南高倍神社には料理の神様がお祀りされていることもあり、毎年4月末に催される『食の神フェスティバル』では、いっさい手を触れずにマグロをさばく「庖丁式」が行われます。
"馬"にまつわる境内社
木造の神馬が祀られた「神馬社(しんめしゃ)」は、脚気や足の病気治癒にご利益があるとされます。バイクは"鉄馬"とも呼ばれますし、乗り続けるには足の健康も不可欠ですので、バイク乗りの皆様はぜひ神馬社にもご参拝を。
龍神様に見える御神木も!
境内の「龍神社」では、社に架かるように伸びた御神木に注目を。伸びた枝の形が"龍の顔"のように見えるのですが、もともとあった御神木が成長するにつれて龍神社めがけて伸びていき、徐々に龍の顔のようになったのだとか。
海南神社の御朱印&御守
海南神社では境内社も含めた複数の御朱印を頒布しています。我々が参拝に上がったのは、人気の地域散策企画「開運半島詣り」の開催期間だったため、EBIさんは龍神とマグロをあしらった色あざやかな特別御朱印、開運守をお受けしていました。