文:黒田健一/写真:南 孝幸

ホンダ CBX750F
1984年式
一見するとキレイだが、実は傷だらけの外装類。
ガレージの隅でホコリをかぶっていた空冷ナナハン

ガレージ奥の片隅、俺の後ろに眠っているのがCBX750F。
俺のナナハンコレクションはCBX750Fから始まったのだ!

以前GPz750Fとの出会いを紹介したときにも記載したが、私は10代の青春時代を父親の仕事の関係でタイ・バンコクで過ごした。バンコクの生活にも慣れた頃、2歳年上のアフロヘアーの日本人に出会い、彼から色々な悪行を教わった。
そのひとつがパタヤビーチのレンタルバイクだった。彼からバイクの楽しさを教わり、暇を見つけてはパタヤビーチでバイクを乗り回していた。なかでも大のお気に入りだったのがCBX750F。正方形の2眼ヘッドライトに16インチのフロントホイールは400cc並に乗りやすかったのを覚えている。
それから約30年が経過した2017年、某オークションサイトでCBXを落札。遠目で見るとキレイだが、近くで見ると年相応。またエンジンが温まるまではキャブの調子がいまいちで、温まると絶好調という現象に悩まされる。それから旧車屋にキャブのオーバーホールを依頼したのだが、数カ月待ってもなんの音沙汰もなし。
シビレを切らして店に乗り込むと、メカニックが長期入院中で作業ができないとのこと。それ以来、キャブが外れた状態で5年が経過し、今に至る。
青春時代に出会った愛しのCBX750F
パタヤのバイクレンタル屋で初めてCBX750Fを借りたときに友人と撮った1枚。彼にバイクの乗り方を教えたのは私(左)だ!

その友人が借りたFZ400にまたがるオレ。軽くてパワーがあって本当に乗りやすかった。このFZ400もお気に入りだったので、その後何度もレンタルした。

2017年に納車されたばかりのCBX750Fでオートバイ編集部の関係者と一緒に福島ツーリングに行ったときの1枚。いきなりの長距離ツーリングだったけど、トラブルもなく絶好調だった。でも帰宅してからフロントフォークのクランプボルトが2本もなくなっているのを発見。恐ろし〜!
CBX750Fの現状レポート

メーターまわりもかなりキレイで色あせもない。シート下に貼られていたシールから推測すると、埼玉県のバイク屋で販売され、それから佐賀県に渡り、地元のクルマディーラーで整備されていたようだ。どちらのショップも今も存在している。

CBX750Fの欠点はシートロックのステーがリアカウルに接触して傷だらけになること。でも新品ステッカーを海外で調達済み。

ガソリンタンクの給油口まわりが変色している。注意書きステッカーはなんとか残したいけど再塗装する時には剥がさないとだめだろね。

純正のシート表皮は破れや欠けもなく、かなり良好な状態なので、このまま張り替えずに使用する。CBX750Fのロゴがいいね!
キャブレター&ニュートラルランプスイッチ

キャブレターを外した状態で5年が経過。エンジン内部がサビてるかも、怖くて覗けない。エンジンが冷えているときは3000rpm以上回らないが、温まるとレッドゾーンまでキレイに回る。キャブが原因だろう。


ニュートラルランプスイッチが不調で点灯しない。特殊形状なので代用品がない。5年前は海外サイトに約1万5000円で新品が売られていた。買っとけばよかったな〜。
左右のスイッチボックス類

左右のスイッチボックスは色あせもなく良好な状態。黄色いロゴなどもはっきりとしている。

マフラー

マフラーはモリワキフォーサイトが装着されていた。点サビを削ろうとしたらメッキまで落ちてサビが出てきたのでブラック塗装する予定。
インシュレーター&エアクリーナー

ゴム製のインシュレーター類は経年変化によってカチカチ状態。ダメもとでネット検索したら海外の旧車パーツ専門店で新品が売られているのを見つけて即ゲットした。これは貴重だよ! 純正パーツだからね!


エアクリーナーはそのショップのリプレイス品だったけど、ありがたいわ〜。
もちろん中古のサービスマニュアルも購入済み。これがあれば安心してバラせるけど、39年前の書物なので撮影中に表紙が破れた。
文:黒田健一/写真:南 孝幸