ハンターカブのウィンカーが鳴るようにするぞ
今回はCT125・ハンターカブをカチカチウィンカーにしてみよう。
以前、ウィンカーブザーの音を比較するために材料集めたので、ぶっちゃけ我が家にウィンカーブザーが余ってるのよ。
なので、ハンターオーナーのSKT氏にご協力いただいて、ウィンカーブザーを取り付けさせてもらうよ。
せっかくパーツが余ってるので、ウィンカーリレー自体を交換する方法と、オーディブルパイロットを組み込む方法の2パターンやってみるよ。
スーパーカブ110とかはウィンカー出した時に音が出るんだけど、CT125だと音が出ないのよね。
カチカチ音が出るようにすることで、ウィンカーの消し忘れとかも減るはず。
こちらが取り付ける車両。CT125ハンターカブ。2021年式だったかな。なんかそのへん。
このCT125、色々とパーツがついてるけど、今回の作業でめっちゃ効果的だったのが、シュノーケル部分を交換するコンバージョンキット。
ウィンカーリレーを触る場合は、リアキャリアを外す必要があるけど、そのときにシュノーケル部分もさわらなくちゃいけないのよね。
でも、コンバージョンキットにしておけば、スーパーカブなんかと同じくらい気軽にリアキャリアを外すことができるよ。
あと、ウィンカーブザーに関わるポイントとして、OPMIDのポジションキットが装着されてた。
これがウィンカー配線に割り込んでるので、ノーマルとはコネクタの具合がちょっと変わってたりしてた。
作業に入る前に注意事項。
注意
取付方法については、自分なりに考えて装着していますが、より良い方法や、不適切な部分があるかもしれません。ご留意ください。
純正のハーネスを切断するなどのダメージを与えないよう作業をしていますが、想定しない不具合が出る可能性があります。作業については細心の注意を払ってください。
また改造になりますので、くれぐれも自己責任でお願いします。
また、今回装着を試したCT125には、OPMIDのポジションランプキットが装着されていました。そのため、ノーマルとは挙動が違う可能性があります。
ハンターカブに作動音付ウィンカーリレーを装着してみる
まずは一番手っ取り早いウィンカーリレーの交換でカチカチウィンカーを実現してみよう。
基本的には純正ウィンカーリレーと置き換えるだけ。簡単。
必要なもの
音の出るウィンカーリレーと接続ハーネス。
接続ハーネスを作るためには、平型端子と110型コネクタと電線が必要だよ。
平型端子
リレー側に装着するために必要。電工ペンチとか買うとセットで中に入ってたりする。
110型コネクタ
車体側に装着するために必要。
電線
いまいちこれの名称がよくわからない。ワイヤーなのかコードなのか。とりあえず電気が通る線だから電線としておこう。
工具類
工具については電工ペンチとハサミがあればなんとかなるよ。
ワイヤーストリッパーはなくても大丈夫だけど、あると断然楽。
楽だけど安物なせいか、皮を剝くついでに1-2本切れちゃってる気がする。
ウィンカーリレー接続ハーネスを作ろう
接続ハーネスを作るといっても、ダブルコードの左右に平型端子を付けて、反対側に110型コネクタのメスをつけるだけ。
注意点としては、110型コネクタに入れる端子の場所を間違えないように。
ただ、110型コネクタって、端子を入れた後もラジオペンチとかで再度抜くことができるので、割と何とでもなるよ。
参考までに自分が作ったのはこんな感じ。
さらに参考までに車体についてるオス側の配線色。向かって一番右が緑、真ん中がグレー、見えづらいけど一番左が黒。
灰色にウィンカーリレーの入力側、緑にウィンカーリレーの出力側が繋がるようにコネクタを組めば良いはず。
実際に装着してみる
ハンターカブのウィンカーリレーはここに入ってるらしい。タンク後方のカバーの中ね。リヤーセンターカバーだったかな。
カバーを外す前にリアキャリアを取ろう。
コンバージョンダクトがついてれば、サス共締めの17mmナットを緩めて、キャリア上方にある二面幅14mmのボルトを外すだけ。普通のカブと同じ感じで外せるよ。
キャリア上方のボルトはエクステンションがあった方が安心。
キャリアを外したら、あとはカバー部分。10mmソケットでカバー中央のボルトを外すよ。
横にあるプッシュピンを外したらOK。プッシュピンは3mmくらいの棒で押せば取れるけど、強く押しすぎないようにね。
そしたら、カバーの爪を折らないよう、丁寧に取り外そう。
純正のウィンカーリレーはこんな感じで埋まってる。
ミツバ製だった。
ゴムのカバーを外して、カプラの爪を押して取外し。
あんまり配線に余裕がないので、作業は無理せず丁寧にね。
リレーのコネクタ部分。形状は110型のメス。
外した純正ウィンカーは、いざという時のために取っておいてね。
あとは社外ウィンカーリレーをつけるだけ。
事前に作っておいた「社外リレー側を平型端子、車体側を110型メスにした接続ハーネス」を取り付けるだけ。
実際に設置するとなるとこのあたりかな。スペース的に結構苦しい。もう少しウィンカーリレーが小さければ良いんだけど。
とりあえず動作確認してみた。
装着は簡単だけど、問題点がふたつほど。
まずはウィンカーリレーがでかくて収納が厳しそう。
もうひとつは、音の鳴る場所がタンクの後ろなのでカチカチ音が聞き取りづらいかも。
走行してると音が後ろにながれちゃうので、ライダーより前方にあった方が聞き取りやすい気がする。
そこで延長ハーネスを作って移設してみることに。そうすれば音が聞き取りやすくなるはず。
ウィンカーリレー移設は、延長ハーネスを作るだけ
移設といっても準備は簡単。さっき作った接続ハーネスの長いやつを作るだけ。
むしろめんどくさいのはここから。
左側のフレームカバーを外してその中にリレーを置きたいので、フレーム中央のカバーとエアクリーナーボックス周囲の外装をはずさなきゃならない。
爪があるのでくれぐれもご注意を。外装取外しについては、5mmの六角棒レンチ、プッシュピンを押すための3mmくらいの棒、10mmのソケットがあればほとんどいける。
最初にフレーム中央のカバーを外そう。
この爪は折れやすくて有名なので、細心の注意を。ポイントは最後に前方にずらす、だよ。
次は、エアクリーナーボックス周辺のカバー。
ここの爪もちょっと固い。
最後は左のフレームカバー。
下側にあるボルトもお忘れなく。
さらに、底部分に2か所のプッシュピンもあるよ。めっちゃ見づらくて作業が厳しい。
無事に外せた。
ウィンカーリレーを収納できるだけのスペースがあるか不安だったけど、割といけるね。
本当ならライダー側に音の出口を向けたかったけど、それはちょっと厳しかった。
カバーをつけたらこんな感じ。すっきり。
カバーの有無でどれくらい音量や音質が変わるのか、気になったので動画とっといた。
作業中にウィンカーが全くつかなくなったら、ヒューズが切れてるかも
ウィンカーリレーの接続ハーネスを作り間違えたりするとウィンカーが全く点かなくなったりするのよ。そういうときはヒューズ切れかも。
メインフレームカバー中央の蓋みたいなのを外したとこにヒューズがあるので、確認してみよう。
もし切れてたらミニヒューズの10Aに交換してね。自分は2回切った。
ハンターカブにオーディブルパイロットを装着してみる
お次は昔ながらのオーディブルパイロットを装着する方法。
さっきよりも色々と必要になるからコストもかかるけど、昔ながらのオーディブルパイロットにこだわりたい浪漫ある人には、ぜひ。
なるべく純正のハーネスを傷つけたくないので、純正適合のコネクタを駆使して割り込みハーネスを作るっていくよ。
必要なもの
ホンダ用コネクター
ウィンカーから分岐させるために必須。今どきはこんなものまで売ってるのね。便利便利。
ホンダ用ギボシ(CA/CB103タイプ)
ホームセンターとかに売ってるギボシだと、ホンダの純正ギボシに合わないのよね。オーディブルパイロットと接続するギボシはCA/CB103タイプじゃないと適切に装着できないので必須。
整流ダイオード
オーディブルパイロットは端子が2本なので、整流ダイオードも用意した。電気を一方向にのみ通すアイテム。
左右のプラス線をひとつにまとめるから、逆流しちゃうのよね。もっとも、最初は気づかなくてばっちり失敗したけど。
オーディブルパイロット装着の場合はリレー交換も必要
オーディブルパイロットだと消費電力が増えたせいかハイフラ化するので、リレー交換が必要。こちらも、それがわかったのは作業はじめてからでばっちり失敗した。
ちなみに電子ブザーの場合はいらないかも。わかんないけど。
オーディブルパイロット装着方法と準備
ハーネスのイメージはこんな感じ。
ヘッドライト内にある水色と橙色のウィンカーのコネクターに割り込むハーネスね。整流ダイオードは白から入ってグレーから出る一方通行なので、向きに注意。
というわけで作ってみた。ワイヤーストリッパーがあると楽だよ。
ホンダ純正色の線(0.75sq)を使ったけど、コネクタに対してちょっと太いみたいで、コネクタがギチギチになった。0.5sqとか0.25sqのが作業しやすいかも。
緑線にギボシが入ってるのは、作ってる途中でアースを取る場所を変更したせい。
不細工になってしまった。
コネクタには向きがあるので、プラス線とマイナス線を入れる場所を間違えないようにね。
ちなみに自分は間違えた。
参考までに純正コネクタの画像を載せておくよ。コネクタの形状と配線の色を確認してね。
コネクターのストッパーピンを手前にして、左が緑、右が水色(橙色)ね。
コネクタに入れた端子をやり直す時は、端子抜きがあると便利。というか、無いとかなり厳しい。
取り出した線を一本にまとめるためのハーネスも作るよ。画像右側のメス端子は、オーディブルパイロットに接続するのでホンダ用ギボシでないといけない。
最後に整流ダイオードの両端をギボシ化。
組み合わせたらこんな感じ。ただ。この時点では整流ダイオードを付けてなかった。
正解は、こう。
これで準備は万全。自分は、全く万全じゃない状態で作業始めたんだけどね。
ハンターカブへのオーディブルパイロット取り付け工程
ここからは実際の取付だけど、実際に自分が作業した工程なので、失敗しまくり。失敗したり対策したりもそのまま追ってるけど、万が一参考になれば幸い。
というわけで作業開始。
ウィンカーブザーを取り付けるため、ヘッドライトを取り外すよ。
ヘッドライト左右にあるプラスネジ2本を外すだけ。
プラスネジを外せば、ヘッドライト部分をがぽっと取ることができる。
ヘッドライトのハーネスを抜いたら、ヘッドライトそのものは、傷つかない場所に置いておこう。
この水色と橙色のコネクタがウィンカー配線。
ここに割り込ませるよ。コネクタの片側が白なのは、おそらくOPMIDの割り込みコネクタ。よくわからないので気にしない。
コネクタを外して、取り出しハーネスを装着。
繋いだらちゃんと動作するかをテスト。取り回しとかは、後回しにしてまずは動作確認。
うーん、ハイフラ。
ハイフラすぎて動画では高速点滅を追いきれてないレベル。
純正ウィンカーリレーのままだと無理なのかも。
どうにもうまくいかなかったのでこの日は断念。色々と相談したりした結果、やっぱりウィンカーリレー臭いので、デイトナのウィンカーリレーを入手してリベンジした。
ウィンカーリレーの位置とかは上の方でやってるので参考にしてね。
キャリア外して、タンク後方のカバー外して交換するだけ。
キタコのウィンカーリレーの時は接続ハーネスを作ったけど、これは110型ハーネスが付属してるので、なんも用意する必要なし。そのまま付くし、問題なく動作する。
さて、これであらためてテスト。
うむ、点滅は良い感じ。でもハザードになった。
これじゃあどっちに曲がりたいのかわかんないよ。
正直、左右のウィンカー線を繋げてるからこうなる気はしてたのよね。LEDウィンカー取付の時も、こんな話あったし。
理屈としては、右のウィンカー出した時に、電気がオーディブルパイロットに行くついでに左ウィンカー側にもいっちゃうのね。
電球だったらさほど問題ないんだけど、LEDウィンカーだと、そのわずかな電気でも発光しちゃうのよ。
これを解決するのが整流ダイオード。電気の流れを白からグレーへの一方通行にしてくれる。つまり反対側のウィンカーに電気が行けないようにできるのよ。
というわけで整流ダイオードを割り込ませよう。これね。
テストしてみたら今度こそバッチリ。光り具合はまた最後に。
さて、動作はうまくいったので、あとは車体にうまく収納するだけ。
ヘッドライトからフレームカバーの間で配線が見えちゃうので、チューブとテープでまとめておくよ。目立たなくなるし、もしかしたら少しは防水効果もあるかもだし。
まとめたハーネスをヘッドライトの配線取り出し口から侵入させるよ。
そしたらウィンカー取り出しハーネスに接続しよう。
オーディブルパイロット本体は、上記のウィンカーリレーと同様にフレームカバーに隠すことするよ。
フレームカバーをはずすための工程は上でやったリレー移設と同じね。
作動音付ウィンカーリレーよりちっこいので、ライダー側を向くようにしてタイラップでなんとなく固定できた。
外装戻せばほら、全然わからない。
さて、完成した様子なんだけど、その前に注意点。
OPMIDのポジションキットが付いてて、下記のような動作が設定されてるのよ。
OPMIDポジションランプキットの動作設定
・ウィンカーを出していないときは、左右のフロントウィンカーが点灯。
・ウィンカーを出した時、フロント側は出した方向のウィンカーが点滅し、反対方向は点灯のまま。
・ウィンカーをキャンセルすると、フロントウィンカーの点滅側は、少し間をおいてじわっと点灯。
・リア側は、通常通りの挙動。基本は消灯。ウィンカーを出した時に指示側が点滅。
ポジションランプキットの動作を阻害せずに、ちゃんとウィンカーが点滅して、音も出れば成功。
うん、成功と言って良いんじゃないかな。
ポジションランプキットの動作はそのままに、ちゃんとカチカチ鳴ってるし、ハザードにもなってないし、ハイフラにもなってない。
これにて完成───。
まとめ
カチカチ音のするウィンカーは最高ね。
レポート:若林浩志