文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:平嶋夏海
KUSHITANI「テンダーグローブ K-5358」テスト&レポート
「優しい着け心地」に拘った逸品
ジャケットと同様、グローブも通気性の高いメッシュグローブ、保温性の高い中綿入りウインターグローブ、真冬以外に対応する3シーズングローブの3種類を揃えておきたい。
最も着用期間が長い3シーズングローブは種類が豊富なだけに、選択に悩みがちだが、基本的にプロテクション性能と着け心地/操作性はトレードオフの関係にある。価格も含めて優先順位を決めておくといい。
クシタニの『テンダーグローブ』は、商品名が示すように優しいフィット感に拘った同社の定番モデル。素材は手の甲側が撥水加工を施した牛革で、グリップを握る掌側はゴート(山羊)革。どちらも実にしなやかで、新品時から着け心地が良く、しばらく使って手に馴染むとグローブの存在を全く意識させないほど。
手の甲側にはポリエステルの裏地が貼られているから汗や雨で濡れたりしてもへばりつかず、指の屈伸を妨げないし着脱もスムース。グリップを握った際に最も力が掛かる親指から人差し指の内側には合成皮革のパッチを当てることで消耗を防ぎ、雨天時の滑りも防いでいる。
僕自身、このグローブを4年近く使い続けているが、グリップを握ることで掌側の革が消耗して徐々に薄くなり、最近破れが出てしまった。ということで、「街乗りでは着け心地が最優先」の僕は、同じグローブに買い換えることにしました。
テスター太田安治の欲張りリクエスト
素手感覚のグローブが好みという人には絶対にお勧め。僕が4年間使って唯一気になったのは、新しい状態だと黒の染料が色落ちしやすいこと。雨でびしょ濡れ→乾燥を2〜3回繰り返せば落ち着くのだが…。
文:太田安治/写真:赤松 孝、南 孝幸、森 浩輔/モデル:平嶋夏海