雨の予選はP.アコスタが制しポールポジション獲得
予選Q1は天候が曇りで路面はウェットというコンディションの中で行われた。チャンピオン争いを繰り広げているアルボリーノはQ1から出走。セッション中に点灯を喫してしまうも、ピットに戻りマシンチェンジ。その後トップタイムを記録しQ2進出を決めた。
2位にはバリー・バルタス（Fieten Olie Racing GP）、3位にゾンタ・ファン・デン・グールベルク（Fieten Olie Racing GP）、4位にダリン・ビンダー（Liqui Moly Husqvarna Intact GP）が入り、Q2進出を決めている。羽田大河（Pertamina Mandalika SAG Team）はQ1で8位、野左根航汰（Correos Prepago Yamaha VR46 Team）は13位と、ともにQ2進出とはならなかった。
予選Q2は路面が少しずつ乾いていき、各車タイムを更新していく。そんな中、母国凱旋のジェイク・ディクソン（GASGAS Aspar Team）が最終コーナーで転倒。決勝は後方からの追い上げを余儀なくされる。
ポールポジションはアコスタが獲得。2位にアルデゲル、3位にファン・デン・グールベルクが入り、自身初のフロントロー獲得となった。Q2から出走した小椋藍（IDEMITSU Honda Team Asia）は16位で予選を終えている。
F.アルデゲルが見事な走りでMoto2クラス初優勝！
17周で行なわれた決勝レースは、2番グリッドスタートのアルデゲルとチームメイトのアロンソ・ロペスのトップ争いに。
スタート直後の3コーナーでデニス・フォッジア（Italtrans Racing Team）、ボルハ・ゴメス（Fantic Racing）、羽田、ロリー・スキナー(American Racing) の4台による多重クラッシュが発生。さらに18コーナーでディクソンも転倒と荒れたスタートとなる。
ペースの良いカネットが先頭に立ち、2位のロペスに対して差をつけていく。カネットを逃したくないアコスタはロペスをオーバーテイクし2位に浮上。
アコスタに抜かれたロペスは8周目の15コーナーで転倒、一方、チームメイトのアルデゲルがアコスタを16コーナーでオーバーテイク。し2位に浮上する。
2位に上がったアルデゲルはファステストラップを連発しカネットに接近。そこにアコスタも続き三つ巴の戦いとなった優勝争い。アルデゲルは残り8周のストウコーナーでカネットを捕らえトップに浮上。
トップに立ったアルデゲルはペースを緩めずファステストラップを更新し激走をみせ、初優勝に向けて攻めの走りを披露。
ギャップを守り切ったアルデゲルが自身初優勝を達成、Moto2クラスで初の表彰台が初優勝というメモリアルな1戦となった。またも優勝に届かなかったカネットが2位、アコスタは3位に入り、アルボリーノを抜いてランキングトップに浮上している。
日本人ライダーは小椋がポジションを8つ上げて8位でフィニッシュ、Moto2クラスで今季初のレースとなった野左根は22位、羽田はオープニングラップの転倒に巻き込まれリタイアとなっている。
次戦は8月18日から20日にオーストリアのレッドブルリンクで第10戦オーストリアGPが行われる。ついにランキング首位に浮上したアコスタは、ポイントリーダーとしてレッドブルのお膝元であるオーストリアGPに凱旋。
一方、ランキング2位に下がってしまったアルボリーノだが、苦しみながらも着実にポイントを重ねている。オーストリアGPの舞台であるレッドブルリンクは高低差があり、アクセル全開率の高いサーキット。ミスが出やすく、1周をまとめることさえ難しいサーキットであるため、チャレンジングでありながら堅実さが求められる。
アコスタはランキング首位に立ったとはいえ、アルボリーノとの差はわずか2。ポイントさが広くのか、はたまた再逆転があるのか、今年のMoto2クラスのチャンピオン争いも見逃せない展開が続きそうだ。
2023 Moto2 第9戦 決勝結果
レポート：河村大志
