TOTマシンに似合う! ゴッドブリンクの渾身作
ゴッドブリンクが販売するジーロットの製品群といえば、安全性はもちろんのこと、ヘルメットに求められる最新機能を投下し手の届きやすい価格でラインナップすることで、本誌でも何度となく紹介してきたヘルメット・ブランド。同社が’19年の東京モーターサイクルショーで試作品を発表、世界的なパンデミックに悪戦苦闘を繰り返し、今春遂に発売されたのが『ブレードランナー』なのだ。
ブレードランナーが目指したのは、同社・泉地代表が愛してやまない、'80年代名車に似合うデザインと最新機能の融合。そもそもは、テイスト・オブ・ツクバ(以下、TOT)を走る'80〜'90年代のバイクとライダーのヘルメットとの間に、アンバランスを感じたのが開発のきっかけという。詳しく聞こう。
「’90年代のTOT(当時はTOF=テイスト・オブ・フリーランス)と今とでは、どのクラスでもラップタイムや最高速は飛躍的に向上したのはご存じの通りです。それに対応するために皆、最新の高機能フルフェイスを被るわけですが、そもそもそうしたヘルメットはMotoGPマシンを筆頭とするようなスーパースポーツ向けのデザインが施されています。
もちろん、TOTだって本格的なレースフィールド。ライダーがそうしたヘルメットを被るのは当たり前のことですが、一方で僕には跨る車両とのミスマッチが気になってしょうがなかった。『’80〜’90年代車に似合うノスタルジックなシェルデザインに、最新ヘルメットの性能を織り込めないものか』。それがブレードランナー開発の発端でした」(泉地代表)
外観シルエットはそのままに、TOTマシン群のチューニングやカスタムが進化してきたように、ヘルメットも往時のデザインを大切にしつつ、機能は進化していい……。ブレードランナーはそんなコンセプトで練り込まれたものだ。
パッと見はオーセンティックなシェルデザインも、強度と安全性は最新水準、ライディングフォームをとった際の視界の確保、空力への配慮、全体軽量化や風切り音を低減、ベンチレーションや内装の最適化でライダーの疲労を最大限軽くする。しかもすべてをライダーが手に取りやすいプライスで……。ブレードランナーはそんな厳しい枷を自らに課し生みだされた同社渾身のヘルメットなのだ。
TOTライダーにだけ被らせるにはもったいない。ショップで手に取る機会があれば、その性能を自身で体感してほしい一品なのだ。
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最新フルフェイスに求められる機能は万全! カラーチョイスは愛車色と自身のセンスで
ブレードランナーのエアインレットは頭頂前側とアゴ部に、アウトレットは後頭部スポイラー上のほか、側面にも負圧式ベンチレーションダクトが設けられ、帽体内を適切換気。そのダクト上には目立たないように薄くリブが立てられて、側面剛性確保に寄与する。
帽体はFRP製、内装には肌触りが良く速乾性に優れたポリエチレン材を採用。顎底部の大型チンスポイラーは巻き込み風を塞ぎ整流に貢献しながら帽体内の静粛性も向上、ライダーの負担を軽減するものだ。
どんな車体色やライディングウェアにも合わせやすい、ソリッドカラーモデルは左からソリッドメタルブラック、ソリッドホワイト、ソリッドマットブラック、ソリッドシルバーの4色がラインナップされる。
スポーティなカラーバリエーションが揃えられ、個性も主張しやすいツートーンのグラフィックモデルは左からグラフィックユーロマットレッド、グラフィックユーロマットブルー、グラフィックユーロマットイエロー、グラフィックユーロマットグレーとこちらも4色で展開される。