I.オルトラが母国で初のポールポジションを獲得
土曜日の予選では、直前に行なわれたMotoGPクラスのセッションで小雨が降っていた。しかしMoto3クラスの予選Q1時には天気が保たれ、ドライコンディションの中での予選となった。
予選Q1から山中琉聖(Gaviota GASGAS Aspar Team)と古里太陽(Honda Team Asia)が出走。山中は一時、Q2進出圏内に入るものの、ライバル勢のアタックにより後退。ラストアタックでタイムを更新するも8番手止まりでQ1敗退となった。
一方、古里はラストアタックで自己ベストを大きく更新。Q1を3番手で終え、Q2進出を決めた。
予選Q2ではランキング上位勢が好タイムを記録。セッション前半はジャウマ・マシア(Leopard Racing)がトップタイム、佐々木歩夢(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)も3番手につける。
ポールポジションが決まるセッション後半で速さを見せたのはイヴァン・オルトラ(Angeluss MTA Team)。オルトラが1分48秒205を更新するライダーは現れず、初ポールポジション獲得となった。
2番手はデニス・オンジュ(Red Bull KTM Ajo)、3番手にはジョエル・ケルソ(CFMOTO Racing PruestelGP)が続いた。日本勢の最上位は鈴木竜生(Leopard Racing)の6番手、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)は9番手、佐々木は得意の予選で振るわず13番手、古里14番手で予選を終えている。
D.アロンソが大混戦を制し今季2勝目!佐々木は苦しみながらも6位でチェッカー
決勝レースは上空に雲がかかっていたものの、気温25度、路面温度26度のドライコンディションの中、全18周で行われた。
スタートでは2番グリッドスタートのオンジュがホールショットを奪う。スタート直後は各車接触もなくクリーンなスタートとなった。
スタートでトップに立ったオンジュだが、後続を話すことができず、マシアやアロンソとトップを入れ替えながら周回を重ねていく。先頭集団は10台以上のマシンによって形成され、縦長に連なった状況となった。
トップ集団のペースが上がらない中、11番グリッドからのスタートとなったチャンピオンシップリーダーのダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech3)も集団に追いつき優勝を狙う。10台以上で常に順位の入れ替えが行われ、トップ集団から抜け出すライダーが現れず、大集団のままレースは終盤戦に入る。
オルガドがトップ、アロンソ、マシアという並びでファイナルラップに突入。トップに立っていたオルガドだったが、ラストラップに単独で転倒。代わってトップにたったダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)とマシア、アロンソの3台が並んで最終コーナーに突入。イン側からマシアとムニョスをかわしたアロンソがトップに立ち、トップチェッカー。イギリスでの初優勝に続き、今季2勝目を挙げた。
2位はマシア、3位には最終コーナーでムニョスと接触したオンジュが入った。しかし、最終コーナーでムニョスを弾き出し転倒させてしまったため、オンジュにはレース終了後にロングラップペナルティに相当する6秒のタイム加算ペナルティが科された。
この結果、4位でフィニッシュしたホセ・アントニオ・ルエダ(Red Bull KTM Ajo)が繰り上がりで3位獲得。オンジュはペナルティにより3位から12位に降格となった。
今週末、ペース不足に悩んでいた佐々木だったが、粘りの走りで4位を獲得。オルガドの転倒ノーポイントにより、チャンピオンシップで両者の差は13点差に縮まった。鳥羽は7位、鈴木が8位、山中が9位、古里が14位と、日本人ライダー全員がポイントを獲得している。
2023 Moto3 第11戦 決勝結果
レポート:河村大志