レース1はリナルディとのバトルを制したラズガットリオグルが優勝
レース1はスタート時に運営側にトラブルが起こり、仕切り直しに。レースは1周減算され、20周で再スタートが切られた。
スタートではポールポジションを獲得したガレット・ガーロフ(BONOVO ACTION BMW)がホールショットを奪うと思われたが、イン側からバウティスタがトップに浮上。チームメイトのマイケル・リナルディ(ARUBA.IT RACING)も2位に上がり、早くもドゥカティワークスの1-2体制となる。
ドゥカティを逃したくないラズガットリオグルもガーロフを攻略し、リナルディに迫る。2周目にはラズガットリオグルが先頭に立つ一方、バウティスタがヘアピンの立ち上がりでスローダウン。バウティスタはすぐに再スタートを切り最後尾から巻き返しを図る。
バウティスタがトップ争いから離脱する中、ラズガットリオグルに襲いかかったのはリナルディ。リナルディは今シーズン限りでドゥカティワークスから離脱することが発表されており、来季に向けて成績を出さなければいけない状況。ワークスチームでのプレッシャーから解き放たれたかのようにリナルディがラズガットリオグルを抜きトップに浮上する。
リナルディはトップに立ってからもペースをあげていくが、ラズガットリオグルがピッタリとリナルディをマーク。激しいトップ争いが続いたが残り7周でラズガットリオグルがトップに浮上し2位との差を広げていく。
最終的にリナルディにマージンを築いたラズガットリオグルがトップチェッカーを受け今季5勝目。2位にはリナルディ、3位には来季ヤマハへの移籍を発表したジョナサン・レイ(KAWASAKI RACING TEAM WORLDSBK)が入っている。
レース序盤に失速してしまったバウティスタは最後尾から追い上げ、最終的に11位でフィニッシュ。しかし、チャンピオン争いを繰り広げているラズガットリオグルの接近を許してしまう結果となってしまった。
2023 スーパーバイク世界選手権 第9戦フランス レース1結果
スーパーポールレースではラズガットリオグルが連勝!レース2ではバウティスタが優勝
レース2の前に10周で行われたスーパーポールレースは、レース1と同様にバウティスタとリナルディがレースをリード。後方ではスコット・レディング(ROKIT BMW MOTORRAD WORLDSBK TEAM)とガーロフのBMW同士の接触があり、ガーロフがリタイア。レディングはコースに復帰するも接触の責任を問われ、ロングラップペナルティが科されている。
トップ争いは2周目のヘアピンでラズガットリオグルが鋭いブレーキングでドゥカティの2台をまとめてオーバーテイクしトップに浮上。バウティスタ、リナルディもトップを奪い返すべく応戦し、激しいバトルが展開される。
そして迎えた5周目。トップに立ったリナルディに対し、ヘアピンのブレーキングでラズガットリオグルがインを突きトップに浮上。その直後にいたバウティスタも続けてリナルディのインに飛び込むも、止まりきれずまさかの同士討ち。スリップが効いてる状態で止まりきれなかったバウティスタはチームメイトをリタイヤに追い込んでしまった。
このドゥカティ同士の接触により、トップのラズガットリオグルは2位以下に2秒のマージンを得ることとなった。2位のバウティスタはファステストラップを連発し追い上げるも、ラズガットリオグルが逃げ切り優勝。前日のレース1に続き連勝となった。2位にはバウティスタ、3位にはレイが入り表彰台を獲得。また、バウティスタに対してリナルディとの接触に関するペナルティは科されていない。
最終のレース2は気温34度、路面温度51度と厳しい環境下の中で行われた。ホールショットを奪ったのはまたしてもバウティスタ。2位にレイ、3位にラズガットリオグルとこれまでと違う並びでレースがスタートした。
上位3台は追い抜きの機会を伺いながら周回を重ねるも、3周目には4位以下との差を広げるハイペースでレースを進めていく。後方では4位ダニロ・ペトルッチ(Barni Spark Racing Team)とリナルディのバトルが行われていた。
そんな中、4周目のヘアピンでに5コーナーでレディングとドミニク・エガーター(GYTR GRT Yamaha WorldSBK Team)が転倒。ライダーとマシンがコース上に止まっていたため、赤旗が掲示された。
中断後、クイックリスタートとなったレースは残り17周で行われることに。2位のバウティスタは再スタート後、すぐにラズガットリオグルを攻略し得意の独走体制に持ち込んでいく。
2位争いはラズガットリオグルとレイの一騎打ちとなり、接近戦を演じていく。これにより有利な展開となったバウティスタはファステストラップを刻みながらトップをひた走る。
バウティスタを逃したくないラズガットリオグルだが、レイも引き下がらず2位争いが激化。なんとかレイとのバトルを制したラズガットリオグルだったが時すでに遅し。バウティスタが独走でトップチェッカーを受け今季19勝目を飾った。
第9戦終了時点でバウティスタが467ポイント、ラズガットリオグルが410ポイントで両者の差は僅かにつまりその差は57。今シーズンも残すは3戦となりバウティスタが有利な状況には変わりない。しかし、バウティスタが第7戦イモラのレース2で転倒リタイアとなって以降、着実にポイント差が縮まってきている。
バウティスタが流れを断ち切り一気にチャンピオンシップを制するのか、はたまたラズガットリオグルが最終戦まで抵抗できるのだろうか。次の第10戦アラゴンもラズガットリオグルにとって負けられない戦いが続く。
2023 スーパーバイク世界選手権 第9戦フランス スーパーポールレース結果
2023 スーパーバイク世界選手権 第9戦フランス レース2結果
レポート:河村大志