ディクソンが0.032秒差でポールポジション獲得!
予選Q1は直前のMoto3クラス時にスコールがあったため、ウェットコンディションに。日本人ライダーでは野左根航汰(Correos Prepago Yamaha VR46 Team)と羽田太河(Pertamina Mandalika SAG Team)が出走。小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)はQ2進出を決めている。
雨はなく、路面は乾いた箇所とウェットパッチが混在する難しいコンディション。そんな中、羽田は好タイムを記録し上位につける。
最終的にトップに立ったのはその状態の中での好タイムを出したのは、5周目に2分02秒614を出したゾンダ・ファン・デン・グールベルク(Fieten Olie Racing GP)。2番手はセルジオ・ガルシア(Pons Wegow Los40 )、3番手はバリー・バルタス(Fieten Olie Racing GP)、4番手はダリン・ビンダー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP )となり、以上4名がQ2進出を果たした。
好タイムを出し、Q2進出が見えていた羽田だったが、Q1を5位で終え、惜しくも敗退。野佐根はQ1を10位で終えている。
予選Q2ではウェットコンディションでの走行を経たライダーたちが上位につけるが、路面が乾き出すと状況が変化。ジェイク・ディクソン(Inde GASGAS Aspar Team)、ペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)といったQ2から出走するランキング上位勢がタイムを更新していく。
ディクソンとアコスタのポール争いはラストアタックで2分01秒924を出したディクソンに軍配が上がり、0.032秒差という僅差でのポールポジション獲得となった。2位はアコスタ。Q1から進出きてきたガルシアが3番グリッドを獲得している。
Q2から出走となった小椋は2分04秒751で15位と低迷。決勝は中団からのスタートとなった。
チャンピオンに向けて一直線!アコスタが独走優勝でインドGP制覇
茹だるような暑さの中、18周で争われた決勝レースは、いきなり多重クラッシュが発生する波乱のスタートとなった。
ソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)やセレスティーノ・ビエッティ(Fantic Racing)をはじめ、マルコス・ラミレス(OnlyFans American Racing)、ジェレミー・アルコバ(QJMOTOR Gresini Moto2)、そして羽田の5名がクラッシュを喫してしまう。
このクラッシュにより赤旗が掲示されレースは一時中断。このクラッシュの結果レッドフラッグが掲示され、レースは一時中断。レースは4周減算の12周で再開となった。
リスタート後も波乱は続く。アロン・カネット(Pons Wegow Los40)、サム・ロウズ(Elf Marc VDS Racing Team)がターン4で接触し転倒。その後、同じコーナーで小椋も転倒してしまった。小椋は再スタートを切りレースに復帰している。
クラッシュが多発する中、スタートを決めたアコスタが独走。ライバルのトニー・アルボリーノ(Elf Marc VDS Racing Team)が2位に上がり追いかけるもレースが進むにつれて両者のギャップは離れていった。
その後方では3位争いが熾烈に。3位走行中のガルシアにジョー・ロバーツ(Italtrans Racing Team)が接近。プレッシャーをかけ続けたロバーツは残り2周のターン8でガルシアをオーバーテイク。最終盤に3位に浮上した。
最終的に2位以下に3秒以上の差をつけたアコスタが独走優勝。チャンピオンシップでさらにポイント差をつけた。2位にアルボリーノ、3位争いはガルシアとの激闘を制したロバーツが3位表彰台を獲得している。
日本勢は野左根がラストラップの最終コーナーでまさかの転倒を喫し、再スタートを切った小椋は21位でフィニッシュしている。
次戦は日本人ライダーにとって勝手知ったるモビリティリゾートもてぎ。小椋は2022年の日本GPで優勝を果たし、サーキット全体が歓声に包まれた。今年も多くのファンが訪れる予定の日本GP、3名のライダーには今季最高の走りを期待したい。
レポート:河村大志