小椋の僚友チャントラがレコードブレイクでポールポジション獲得!
予選Q1には羽田太河(Pertamina Mandalika SAG Team)と野左根航汰(Correos Prepago Yamaha VR46 Team)が出走。小椋はQ2からの出走となった。
Q1はジェイク・ディクソン(Inde GASGAS Aspar Team)、ダリン・ビンダー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)、ゾンダ・ヴァン・デン・グールベルグ(Fieten Olie Racing GP)らによるタイム更新合戦となり、Q1からハイレベルな戦いとなる。
その中でも速さを見せたのはアロンソ・ロペス(Beta Tools SpeedUp)。1分50秒089を出しQ1トップ、文句なしのQ2進出を決めた。以下、ビンダー、ヴァン・デン・グールベルグ、ディクソンの3名もQ2への進出を果たしている。
走り慣れたサーキットでのアタックだけにQ2進出を決めたかった日本勢だが、野左根が8番手、羽田が10番手でQ1敗退。決勝は後方からの追い上げに期待される。
続けて行われた予選Q2は、フルー走行から好調のソムキャット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)がトップタイムをマーク。小椋も2番手につけるも、チャントラはさらにタイムを更新。1分49秒898をマークし、レコードを更新してみせた。
Q2後半では各ライダーがタイムを詰め、小椋は5番手まで後退。しかし小椋はセッション終了間際にベストタイムを更新し2番手を取り戻した。
結局、IDEMITSU Honda Team Asiaの牙城を崩すものは現れずチェッカーが出され、チャントラがポールポジションを獲得。小椋は2番手につけ、IDEMITSU Honda Team Asiaがワンツーで決勝レースを迎えることになった。
3番手にはQ1から上がってきたディクソンが入った。ポイントリーダーのペドロ・アコスタ(Red Bull KTM Ajo)は4番手につけている。
チャントラがポールトゥウィンで2勝目! 小椋も続きHonda Team Asiaがワンツーフィニッシュ
決勝日の上空は雲に覆われ、気温は25度、路面温度は33度のドライコンディションとなった。
19周の決勝レースはチャントラが好スタートを決めトップでターン1に侵入。3番グリッドスタートのディクソンが小椋を抜き2位に浮上、小椋は4位でオープニングラップを終える。
小椋は冷静にディクソン、ロペスを攻略し2位を取り戻すも、トップのチャントラとはすでに2秒もの差ができていた。今週末のチャントラは公式セッション全てでトップタイムを記録するほど絶好調。早くも2位の小椋との差を引き離していった。
レースは終盤に差し掛かるもHonda Team Asiaの2台はワンツー体制のままレースを引っ張っていく。最終盤には小椋がチャントラとの差を詰め、残り2周でその差が1.3秒差に。
しかしチャントラはマージンを保ったままファイナルラップへ。最終的に小椋との差を再び1.7秒にまで拡大し、昨年のインドネシアGP以来となる2勝目を挙げた。初日から最終日まで全てトップで終えたチャントラは週末を完全制圧する形となった。
2022年は13位からの優勝を果たした小椋だったが、今回は2位でフィニッシュ。体調がすぐれない中、見事な走りを見せた小椋は母国GPで連続表彰台獲得という結果を残してみせた。
3位はランキングトップのアコスタ。ランキング2番手のトニー・アルボリーノ(Marc VDS Racing)が11位でのフィニッシュであったため、両者の差は50ポイント差に拡大している。
野左根はレース中盤にターン10でスリップダウンし転倒、無念のノーポイント。羽田は入賞こそならなかったが、今季自己ベストとなる19位での完走を果たしている。
次戦は10月13日から15日にかけて行われる第15戦インドネシアGP。今回のHonda Team Asiaの躍進により、ランキング4位争いが混戦となっている。チャントラは10ポイント差のランキング6位、小椋はランキング10位ながら29ポイント差。来季に向けて一つでも順位を上げたいランキング争いはまだまだ見どころ十分だ。
2023 Moto2 第14戦 決勝結果
レポート:河村大志