二輪車初のストロングハイブリッド!
2022年の鈴鹿8耐でプロトタイプがデモランを行い、市販化も間近と言われてきたカワサキのハイブリッドスポーツがついに市販されることになりました。その名も「Ninja7 Hybrid」。ハイブリッド車にはモーターをあくまでエンジンの動力補助として使用し、モーターのみでEVとしての走行はできない「マイルドハイブリッド」と、モーターのみでEVとしての走行もできる「ストロングハイブリッド」の2タイプがありますが、こちらは二輪車初のストロングハイブリッドです。
スタイリングはニンジャシリーズらしいもの。顔つきも最新のZX-6Rを思わせる、いわゆる「ファミリーフェイス」ですが、車格に対してスイングアームがやや長く、全体的にちょっと大柄な雰囲気です。外寸に関する詳細な情報は未発表なのですが、車名に「7」とあるように、車格的には700cc近辺のミドルクラスに近い物だと思われます。
ヘッドライトはZX-6Rでも採用されている新デザインのLED。スリムな車体の割に、ちょっとアッパーカウルの張り出しが大きめに感じますが、ライダーが乗車するあたりはしっかり絞り込まれており、足つきも良さそうです。
エンジンは451ccパラツイン、eブースト使用で強烈な加速も!
搭載されるエンジンは451ccのパラレルツイン。これはおそらく海外仕様のエリミネーターのエンジンがベースになっていると思われます。これに最大で9kWを発揮するモーターを組み合わせています。走行モードはいわゆるフルパワーの「パワーハイブリッド」、エンジン出力をマイルドにして燃費を稼ぐ「エコハイブリッド」、それにEVモードが用意されているほか、瞬発力が求められる際に使用する「eブースト」ボタンも備えています。
エンジン単体のパワーは59.1PSですが、eブーストも使用すれば、69.5PSと、10PSちょっとのパワーアップが可能。しかも、強烈な加速を生むモーターの効果で、瞬発力は1000ccのビッグバイクに迫るものだとか! どんなパワーフィールなのか気になりますね!
これを搭載する車体はトレリスフレーム。フレームレイアウトも独特で、エンジンを懸架する部分と、シートレール前端部分が入念に補強されています。ちなみに、そのシートレール前端部分にある大きな箱はバッテリーで、ハイブリッドシステム用として48Vのものが搭載されています。
多彩な表示のディスプレイ、駐車時に便利な「ウォークモード」も
メーターはニンジャシリーズですでにおなじみのTFTカラー液晶。走行モードに応じた多彩な表示も特徴で、こちらはフルパワー+モーターの「スポーツハイブリッド」モードのもの。ドラマチックに盛り上がるパワー感を表現したようなバーグラフが印象的です。
この緑のスイッチがeブーストスイッチ。高速道路での合流など、加速が求められるシーンや、元気よく走りたい時などに使うと便利そうです。
そしてこちらが「エコハイブリッド」モード。機能的に、シンプルにまとめたモードです。ギアポジション表示の横にある「AT」表示に注目! そう、このニンジャ7ハイブリッドにはスイッチで変速ができる「ATモード」も用意されているようです。
で、このスイッチボックス下の茶色のスイッチに注目。これはシフトダウンスイッチ。上の方には「AT/MT」の切り替えスイッチも見えますね。プロトタイプからATモードを可能にする電動ギアチェンジシステムを搭載していましたが、市販版にも採用されたわけですね。ちなみに、このほかにも、停止時に自動的にギアを1速にする自動発進位置ファインダー(ALPF)も採用しています。
そしてこちらはバッテリーとモーターのみで走るEVモード。駐輪場などでの出し入れに便利な、極低速で前進・後退が可能な「ウォークモード」も用意されています。
欧州では2024年1月発売! 国内仕様の登場にも期待
先進技術を満載して、ライバルの一歩先を行くニンジャ7ハイブリッドですが、カワサキの発表によれば、2024年1月には欧州での販売がスタートする予定だそう。10月25日開幕の「ジャパンモビリティショー2023」での展示も予定されているので、実車を拝むチャンスもありそうだ。
ちなみに、ジャパンモビリティショーに展示…ということで、国内導入の可能性も濃厚。さらなる続報は、11月1日発売の月刊『オートバイ』12月号をチェックしてみてください!