モレイラがポールポジション獲得 ランキング2位の佐々木は11番手にとどまる
土曜日に行われた予選ではタイトル争いを繰り広げている佐々木がダイレクトでQ2進出。山中琉聖(Gaviota GASGAS Aspar Team)、鳥羽海渡(SIC58 Squadra Corse)、古里太陽(Honda Team Asia)の3名が予選Q1から出走する。
また、鈴木竜生は今大会からLeopard Racingのシートを喪失。鈴木の後任にはエイドリアン・フェルナンデス(Leopard Racing)が起用されている。
予選Q1では古里が好調。セッション前半は2番手、ラストアタックではトップタイムをマークしQ2進出を決めた。山中はQ2進出圏内の3番手つけていたが、最終的には5番手に終わり、Q1敗退。鳥羽も8番手と振るわなかった。
ポールポジションが決まる予選Q2では、セッション前半からモレイラがリード。佐々木はセッション前半に6番手につけるも、後半には古里を含めたライバル勢はタイムを更新し7番手となる。
ラストアタックではモレイラのタイムを上回るライダーが現れずセッション終了。モレイラが自身2度目のポールポジション獲得となった。2番手はランキングトップのジャウマ・マシア(Leopard Racing)、3番手にはルーキーながら今季3勝を挙げているダビデ・アロンソ(Gaviota GASGAS Aspar Team)が入った。
古里は一時4番手タイムを更新するも最終的には6番手。自己ベストグリッド獲得となった。佐々木はタイムを伸ばせず11番手。ライバルのマシアがフロントローを獲得しているだけに、決勝での追い上げが必須となった。
モレイラがポールトゥウィンでMoto3クラス初優勝!佐々木は18位で痛恨のノーポイント
20周で行われる決勝レース直前のサイティングラップで佐々木が転倒するアクシデントが発生。無事にグリッドに辿り着き修復が行われたが不安の残る状況でレースを迎えることになってしまった。
レース序盤はダニエル・オルガド(Red Bull KTM Tech3)が7番グリッドから一気にトップに躍り出てレースをリード。佐々木のチームメイトであるコリン・ベイアー(Liqui Moly Husqvarna Intact GP)やモレイラ、マシア(Leopard Racing)が続く。
一方、佐々木はスタートで大きく出遅れ最後尾近くまで後退してしまう。
オルガドはベイヤーとトップを入れ替えながらもレースをリード。しかし抜け出すことはできず優勝争いは7台以上の集団となり激しいバトルが展開されていく。
そんな中、13周目にモレイラがトップに浮上。翌周にはオルガドがトップを取り戻すも、ショートカットによるオーバーテイクであったためロングラップペナルティが科されることになった。
残り5周でオルガドはペナルティを消化し、10番手まで後退。しかし、この日のオルガドのペースはよく、トップ集団がバトルを行いながら周回を重ねていたため最終盤には優勝争いに加わってきたのだ。
ラストラップはモレイラ、ダビデ・ムニョス(BOE Motorsports)、オルガドの順で突入。最後までわからないバトルが展開されたが、モレイラがトップを守りきりフィニッシュ。自身初のMoto3クラス優勝となった。
ブラジル人ライダーにとって不毛の地だった小排気量クラス。Moto3で初めてのブラジル人ウィナーとなったモレイラは歴史になを刻むことになった。
2位はアロンソ、3位はムニョスが入り、いつも以上に若い面々が表彰台に上がった。
マシアは終盤優勝争いから脱落し6位でフィニッシュ。佐々木は18位でノーポイント、オルガドは 速さがありながらも再度ショートカットのペナルティを受けたことにより14位となった。
この結果、マシアが209点でランキング2位の佐々木に対しポイント差を16に拡げる形となった。また、193点の佐々木に対し、オルガドが192点と1点差にまで詰めている。
インドネシアで2位に入ったアロンソも180点にまで伸ばしランキング4位。勢いを考えるとまだまだチャンピオンは射程距離ないと言えるだろう。
その他日本人ライダーは、古里が自己ベストとなる7位でフィニッシュ。鳥羽が12位、山中が15位とこちらもポイントを獲得している。
2023 Moto3 第15戦 決勝結果
レポート:河村大志