アルデゲルがポールポジション獲得!ロペスも3位でボスコスクロが2台揃ってフロントロー
曇り空の中始まった予選Q1。今大会、日本勢は苦戦を強いられており、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)、野左根航汰(Correos Prepago Yamaha VR46 Team)、羽田太河(Pertamina Mandalika SAG Team)と全員が初日から振るわず低迷。結果予選はQ1からの出走となった。
Q1はフィリップ・サラック(QJMOTOR Gresini Moto2)が序盤からトップに立ちセッションをリード。セッションが折り返しを迎えると早くもピットに戻りヘルメットを脱いで待機。そんな中、各車アタックを行うも、タイムアップできたライダーは現れず、サラックのトップ通過が決まった。2番手にはセレスティーノ・ビエッティ(カレックス)、3番手にバリー・バルタス(カレックス)、そして4番手のゾンタ・ファン・デン・グールベルク(カレックス)までがQ2進出を果たしている。
初日に続き日本勢は苦戦。3名とも大きくタイムを更新することは叶わず、小椋が6番手、野左根が11番手、羽田が12番手でQ1敗退。Q2進出はならなかった。
ポールポジションがきまる予選Q2では、まずランキング首位のアコスタがトップタイムをマークする。
セッション折り返し時には好調のジョー・ロバーツ(Italtrans Racing Team)が1分32秒584のトップタイムを更新。しかし、ロバーツの直後を走っていたアルデゲルが1分31秒888をマークし、唯一の31秒台に突入。初日を制しているアルデゲルは予選に入っても速さを維持していた。
各車アルデゲルのタイムを上回ることができずセッション終了。アルデゲルのポールポジションが決定した。2番手にアロン・カネット(Pons Wegow Los40)、3番手にはアロンソ・ロペス(Beta Tools SpeedUp)が入り、ボスコスクロ勢が2台揃ってフロントローを獲得してみせた。アコスタは最終的に5番手まで後退、決勝はセカンドローからのスタートとなった。
アルボリーノが第5戦以来の優勝!大荒れのレースは10周目で終了
直前に行われたMoto3クラスの決勝レースは、雨と強風により荒れたレースとなった。Moto2クラスの決勝開始時は雨が弱まるも、強風が吹きつける難しいコンディションに。
波乱はレース前から起こる。サイティングラップ中にランキングトップのアコスタが転倒するというアクシデントが発生。アコスタはこの転倒により、決勝レースは最後尾からスタートすることになった。
23周の決勝レースは2番グリッドスタートのカネットがホールショットを奪うも、ターン3でアルデゲルがトップを奪い返す。そして迎えたターン4でアクシデント発生。カネットとアルデゲルのバトルをよそにトップに浮上したロペスだったが、ターン4の出口でハイサイドを喫し転倒。この混乱を上手く抜けたガルシアがトップに浮上した。
2位にはこちらもポジションを上げてきたランキング2位のトニー・アルボリーノ(Elf Marc VDS Racing Team)。アルボリーノがハイペースでトップに迫る中、4周目の8コーナーでトップのガルシアと、3番手のサラックが単独で転倒。さらに同じ周のターン10ではサム・ロウズ(Elf Marc VDS Racing Team)、5周目のターン3ではジェイク・ディクソン(Inde GASGAS Aspar Team)と転倒者が続出する事態となった。
トップにたったアルボリーノはハイペースで独走体制に持ち込み、2位のアルデゲルに15秒差という大差をつけてトップを快走する。
アルボリーノに先行を許した2位のアルデゲルにカネットが急接近。9周目にカネットがアルデゲルをオーバーテイクし2位に浮上する。後方では最後尾からスタートしたアコスタが9番手にまでポジションを大幅に上げていた。
そんな中、レースは10周目に赤旗が掲示され一時中断。この時点で周回数が3分の2以上の距離を消化していなかったためリスタートされることが予想されたが、コンディションの回復が見込めないと運営が判断し、レース終了が宣告された。
アルボリーノは第5戦フランスGP以来の優勝、2位カネット、3位アルデゲルとなった。当初予定されていたn周回数の半分以上を消化していないため、入賞圏内でレースを終えたライダーには獲得予定のポイントの半分が与えられている。
2023 Moto2 第16戦 決勝結果
レポート:河村大志