USB接続の巻き付け式グリップヒーターは利便性最強
グリップヒーターの進化が凄いのよ。グリップ一体型なんて、注意して見ないとヒーター付きってわからないくらいコンパクトになってる。
で、巻き付けタイプも進化してて、USBで電源供給出来るのよ。自分も使ってるけど、まじで便利。
USBなのであったかさはやや控えめ。ただ、カブ系の場合はハンドルカバー併用しやすいし、高速道路を走るわけでもないから個人的にはこれで十分なのよね。2台持ちでも付け替え簡単だし。
さらに配線しなくて良いし、寒いときだけ付ければ良いっていう気軽さが最高なのよ。
ちなみにEASY2とあるように、従来品とはちょっと違う。具体的には、アメリカンに似合いそうなつるっとした表皮だったのが、シボ付きになってる。見た目的にはこっちのが車種を選ばずに似合いそうだし、グリップもよさそう。
デイトナホットグリップ巻きタイプEASY2 USBの消費電力は11W(ワット)。なので、USB電源に11W以上の出力がないとうまく動作しない。
今どきのUSBはPD給電とかの兼ね合いでかなり容量があるので、よっぽど大丈夫だと思うけど、確認は忘れずに。
逆に言えば11W以上の出力があれば、モバイルバッテリーでも使用可能。なので、USB取り出ししてないバイクでも気軽に使うことができるのよね。
ちなみに11Wがどれくらいかというと、今どきのバイクは12Vなので、1Aの容量があれば大丈夫。
電力(W)=電圧(V)×電流(A)だからね。12V*1Aで12W。
自分の場合はJA55用の純正アクセサリーソケット(定格12W)から取り出すので、電力的には問題なし。
ただアクセサリーソケットの電源って、ヘッドライト内のアクセサリー端子から取り出してるじゃん。アクセサリー端子のヒューズが5A。つまり上限60W。
アクセサリー端子にアクセサリーソケットだけついてるなら問題ないんだけど、自分の場合はアクセサリー端子から分岐配線でフォグランプを2灯(20W*2)とタコメーターをつけてるのよ。タコメーターの消費電力は公表されてなかったけどこれが8W以上だとアウト。5Aこえちゃう。
タコメーターの消費電力がわからないので、念のためフォグランプはD-UNITにでもつなげようかと思う。D-UNITを使えば、バッテリーから電源を撮りつつキーのオンオフで通電を管理できるので、電装系の管理が凄く楽になるのよね。しかもハンターカブの場合、バッテリーのあたりにD-UNITが入る隙間があるので、装着も簡単。
まさにハンターカブへのD-UNIT取り付け動画があったので、これを見れば大丈夫。
D-UNITには何種類かあるけど、オススメは常時電源を取ることのできるD-UNIT+。ドラレコとかを装着したくなった時、時計用に常時電源が必要になるからね。
脱線しちゃったけど、そんなわけでUSB電源の巻き付け式は最高なのよ。ただ、唯一の欠点が握りが太くなること。巻き付けてるんだから当たり前なんだけどね。
感覚的にはアメリカンのグリップみたいな感じ。慣れればどうってことないし、アメリカンみたいでそれはそれで新鮮で良いんだけど、もう少し細くしたいって需要もあるはず。
ZETA BASEグリップ スリム
そんなことを考えてたら、ハンターカブ乗りのSKT氏がスリムなグリップを付けてた。
よくよく聞いてみると、ZETAのBASEグリップには、女性やキッズライダー向けにスリムタイプが出てるのよ。
で、これが実に優れもので、スリムなグリップとしてだけじゃなく、ソフトコンパウンドチューブやソフトスポンジフォームを装着すれば、ツーリングやラリーに適したグリップに変身するのよ。
つまり春夏秋は、ソフトコンパウンドチューブやソフトスポンジフォームを装着して普通のグリップとして使用。めっちゃ寒くなったら巻き付けグリップヒーターに付け替えれば、常に程よい太さのグリップになるんじゃないかと。
というわけでさっそく装着して試してみよう。
スリムグリップを装着
必要なもの
まずは新たに取り付けるBASEグリップスリムと、キタコのスロットルパイプ。
なんでスロットルパイプが必要かというと、純正のスロットルパイプにはグリップを固定するためのでっぱりがあるので、そのままだと社外グリップが装着できないのよ。
純正スロットルパイプを削って加工すれば装着できるけど、できれば削りたくない。純正をもう一個買って削るって手もあるかと思ったんだけど、純正だとスロットルパイプ単体の販売がないのよね。
そこでキジマのスロットルパイプ。ハンターカブ適合のスロットルパイプはいくつかあるんだけど、ハイスロが多いのよ。でもこれは普通のスロットルパイプ。しかも突起無し。
逆にせっかくだからハイスロにするというのも、もちろんアリだけどね。迷ったらとりあえずこれかっとけば大丈夫じゃないかな。
グリップを外すということは、バーエンドを外すための道具も必要。自分の場合はコンセントのインパクトドライバーと滑り止め手袋でがんばった。
グリップボンドを用意したけど、塗るのを忘れてたのでワイヤリングで対処したよ。
バーエンドを外すのが大変
グリップ交換で、特にしんどいのがバーエンドを外すのとグリップの脱着。
特にバーエンドはボルトをなめるといけないので、難しそうだなと思ったら早めにショップに相談してね。
まずはこのネジを外すんだけど、硬くて回らないのよ。いろんな工具で試したけど、全然歯が立たない。
悩んだ末に、家から駐輪場までコンセントドラムを伸ばしてインパクトで作業。一瞬でとれた。
これで無理だったらバイク屋行くしかなかったね。
純正バーエンドを外すとこんな感じ。
バーエンドが取れたら、スロットルホルダーを分解して、スロットルチューブごと右グリップを外そう。スロットルホルダーはネジ2本で分解できるよ。
スロットルホルダーを外す時には、ハンドルバークランプを緩めておくと楽かも。
ハンドルからスロットルホルダーを外したら、スロットルワイヤーをスロットルパイプから外して、キタコのスロットルパイプを付けなおすだけ。
左側は、グリップとハンドルバーの隙間にマイナスドライバーとかの適当なのを突っ込んで、ボンドを外しつつ引き抜く。パーツクリーナーも相当有効よ。あと、マイナスドライバーでグリップを傷つけないようにね。
無事に抜けたらこんな感じ。残ったボンドもパーツクリーナーで除去。
ピカピカ。
純正のバーエンドを使用しない場合は、ハンドル内部のバーウェイトも外そう。2カ所の穴に爪で引っかかってるので、それを両側から解除しつつ引き抜く。引くために、バーエンドについてたボルトを軽くつけておくと便利よ。
インナーウエイトとバーエンドはこんな感じね。バーエンドのすぐ左にある鉄の板が爪部分。
グリップの取付
あとは取付。とはいえ、左右ともグリップボンドを塗ってはめ込むだけ。そんだけなんだけど、結構大変。
グリップは右と左で内径が違うので注意してね。内径の大きい方がスロットル側。
右側、つまりアクセル側はスロットルパイプに新しいグリップをはめてもどすだけ。なんだけど、大変すぎて写真撮り忘れた。
最終的にパーツクリーナーをシュッと吹いて、乾く前に一気にはめ込むことでなんとかなった。
左側はハンドルバーに嵌めるだけなんだけど、これもパーツクリーナーでなんとか。シュッと吹いたら、グイッと一気にはめこむのがコツかも。途中で悩むとそれ以上進まなくなるのよね。
結束バンドを使った方が良かったかも(後述)。
で、頑張って付けたんだけど、ボンド塗り忘れたのでワイヤリングするよ。
BASEグリップスリムの場合は、付け根部分にワイヤリング用の溝があるのでここにかけよう。
くるくるっと。楽しいよね、ワイヤリング。
巻きすぎるとワイヤー切れちゃうので、ほどよいところで。
最後に先端が指に刺さらないよう、グリップに端点を埋め込んで完成。
細いグリップってどうなんだろって思ってたけど、TZっぽくてなかなかカッコ良いじゃない。
ハンターカブのハンドルは自分のカブ90と比較して、そこまで振動がきつくないので、キジマのナイロンバーエンドにした。TZグリップぽさが増してお気に入り。
ちなみに装着方法は、ゴムハンマーとかで優しく叩きこむだけ。簡単。
握ってみると、純正よりも相当細い。バンテージ巻いた鉄パイプ握ってるみたいな気分。
ハンドル握ってるダイレクト感が凄いので、すごく自分好み。タイトな握り心地が好きな自分みたいな人には最高よ。
往年のレーサーみたいにも見えるし、シンプルなのにカスタムっぽさもかなりのもの。これは良い。
もちろん手の小さい人にもオススメ。
では、このBASEグリップスリムにグリップヒーターとかオプションを付けたり直径を測っていこう。
スリムグリップにグリップヒーターとか色々つけたり直径を測ったり
BASEグリップスリムにホットグリップとか色々つけてみるんだけど、その前に参考までに純正グリップやBASEグリップスリム単体での直径を測っておいたよ。
純正グリップの太さ
まずは純正グリップ。一番太い格子模様の部分で測ってみると、約31.5mm。ただデザイン上、数値よりも細く感じるかも。形状が複雑なので、誤差が出やすそう。
BASEグリップスリムの太さ
BASEグリップスリムだけだと約28.3mm。純正から約3mm細くなってる。実際握ると数値以上に細く感じるよ。
ちなみにすべて左側で測ってるので、アクセル側だと微妙に数値違うかも。
BASEグリップスリム+ホットグリップEASY2
さて上記を踏まえて、色々装着していこう。
まずは本命のホットグリップEASY2。
付けてみたら想像以上のシンデレラフィット。グリップが細いのでうまく着くかちょっと心配だったけど、紐で締めたらちょうど良い案配。
あたためられるポイントはデイトナロゴのあたりなので、この面が指先あたりにくるように装着すると快適っぽい。
こんな感じ。
配線の取りまわしだけど、左側は特に苦労しないと思う。
ただ、右側はスロットルの開閉で配線が邪魔をしないよう、確認をしつつ位置を決めてね。
偶然なのか、設計の妙なのかわかんないけど、グリップのツバにおそろしいほどぴたり収まった。
電源は純正アクセサリーソケットにUSBプラグを差し込んでみるとこんな感じ。差込部分が細くなってるので、奥行きのあるアクセサリーソケットでも余裕アリ。
ホットグリップEASY2を巻いて測ってみたところ、約33.3mm。純正グリップよりもちょっとだけ太い。実際握ってみた感じも、なんとなく太いかなー、ってくらい。
純正グリップとスリムグリップの差がざっくり5mmくらいなので、純正グリップにホットグリップEASY2を装着するとたぶん36.5mmくらい。
BASEグリップスリム+ソフトコンパウンドチューブ
装着するとこんな感じ。オフロードのレーシーなグリップって感じのビジュアル。
で、とにかくグリップ感がすごい。手に吸い付くどころか、へばりつくって感じ。
個人的な印象だけど、オフ走行する人とかにオススメな感じ。
非常に柔軟でよく伸びる素材なので、装着は簡単。
直径は約32.6mm。
BASEグリップスリム+ソフトスポンジフォーム
こっちは見ての通りスポンジ。振動が気になる人やロンツーならコレですね。
ソフトコンパウンドチューブは、強烈なグリップ感なので、個人的にはこっちのが万人向けだと思う。
なんせスポンジだけあって振動吸収効果が凄い。たはら朝活カフェで往復160km位走ってみたけど、まじで振動がなくてびっくりした。
ただ、自分の振動基準はスーパーカブ90なので、かなり鈍感な方ではある。
万人向けだけど、装着難易度は意外と高い。グリップと同様にパーツクリーナーをシュッとふいて一気にはめるのがオススメ。ただ、スポンジなので無理に引っ張ると切れちゃうのよ。自分は強引にやって一個切れた。
より安定して装着するなら、タイラップ併用がオススメ。グリップ装着にタイラップを使うのは、自転車界隈では割と定番の手法らしい。
グリップとスポンジフォームの間にタイラップを数本入れる。
パーツクリーナーを軽くふいて、一気に滑らすと割と簡単に装着できるよ。これ、ハンドルバーやスロットルホルダーにグリップを装着する際にも使える技なので、どうしても困ったら試してみてね。ただ、パーツクリーナーの吹きすぎには注意。
直径は約33.0mm。ホットグリップEASY2を装着した時と同じくらい。スポンジなので握ると少しへこむから、実際の感覚は気持ち細いかな。
まとめ
ただでさえ使い勝手の良い巻き付け型USBグリップヒーターにBASEグリップスリムを組み合わせることで、最強に使いやすくなるよ。これは巻き付けUSBグリップヒーター界の救世主じゃなかろうか。
レポート:若林浩志