好調アルデゲルが3戦連続のポールポジション獲得
日本人ライダーは羽田太河(Pertamina Mandalika SAG Team)と野左根航汰(Correos Prepago Yamaha VR46 Team)が予選Q1に出走。小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)はすでに予選Q2への進出を決めている。
Q1では羽田がQ2進出圏内である3番手につける走りを見せる。ラストアタックでは自身のタイムを更新することができなかったが、ライバル勢もタイムを詰めることができず順位が変わらず。これにより羽田はQ1を3番手で終え、Q2進出を決めた。
トップタイムはトニー・アルボリーノ(Elf Marc VDS Racing Team)、アルベルト・アレナス(Red Bull KTM Ajo)が2番手、そしてジョー・ロバーツ(Italtrans Racing Team)が4番手に入り、羽田とともにQ2に駒を進めている。
一方、野左根はタイムを詰めることができずQ1を14番手で終え、Q1敗退となった。
予選Q2では予選での速さに定評のあるフェルミン・アルデゲル(Beta Tools SpeedUp)が序盤から暫定トップに浮上。
Q2もQ1同様、各ライダーはラストアタックにタイムを更新することができず、セッション序盤の順位のまま予選が終了。これによりアルデゲルが3戦連続のポールポジション獲得となった。
2番手にセレスティーノ・ビエッティ(Fantic Racing)、3番手には野左根のチームメイトであるマニュエル・ゴンザレス(Correos Prepago Yamaha VR46 Team)が続いた。ポイントリーダーのアコスタは6番手につけ、タイトルをかけて決勝レースに挑む。
小椋が13番手、羽田が17番手と日本勢は苦戦を強いられる結果となった。
史上最年少のMoto2チャンピオン誕生!アコスタが2位でフィニッシュしチャンピオン決定
4位以上でタイトルが決まるアコスタは6番グリッドからのスタート。17周の決勝レースはスタートからアコスタをサポートするような展開となる。
スタート直後のターン2の進入でアルデゲルとゴンザレスが接触。アルデゲルはことなきを得たが、ゴンザレスは転倒してしまう事態となった。
好スタートに加え、アルデゲルとゴンザレスのアクシデントも相まり、アコスタは一気に2番手に浮上。早くも自力でのタイトル獲得が可能となるポジションにつけた。アルデゲル、アコスタ、そして3番手に浮上したマルコス・ラミレス(OnlyFans American Racing)が続く。
トップのアルデゲルは先行逃げ切りを図り序盤にも関わらず2番手のアコスタに対し早くも1秒以上の差をつけていく。
タイトル決定を控えるアコスタは無理にアルデゲルを追うことはせず2番手を走行。そのアコスタのタイトルを阻止できる可能性を持つランキング2位のアルボリーノは上位進出のためプッシュするも、ターン9で小椋に接触してしまい体勢を崩してしまう。
アルボリーノは転倒は避けたものの大きく順位を失ってしまい、レース序盤にアコスタのタイトルはほぼ確実なものになった。
レースはトップのアルデゲルがアコスタに8秒もの大差をつけてトップチェッカー。前戦タイGPに続き連勝、そして2戦続けてのポールトゥウィンとなった。
そしてアコスタが2位でチェッカーを受けタイトル決定。残り2戦を残しながら2023年シーズンのMoto2チャンピオンに輝いた。アコスタは19歳171日でチャンピオンとなったため、これまでマルク・マルケスが保有していたMoto2クラスの史上最年少チャンピオン記録を更新。世界選手権の中量級クラスではダニ・ペドロサに次ぐ2番目の若さでの栄冠となった。
3位はポジションを10あげた小椋の猛追を凌ぎ切ったラミレスが入った。小椋は13番グリッドと予選では苦しむも、決勝では驚異的な追い上げを見せ4位でフィニッシュした。
羽田は16位で入賞まであと一歩及ばず、野左根は転倒リタイアに終わっている。
タイトルが決まった今年のMoto2クラス。残り2戦は来シーズンを見据えた戦いが待っている。次戦のカタールではこれまで以上に激しいバトルが展開されそうだ。
2023 Moto2 第18戦 決勝結果
レポート:河村大志