『アヴェニス125』と共に過ごす1週間の快適通勤体験
夜も更けてきて、道路で渋滞を作るのはタクシーくらいのものになった東京都都心。
人や車が少ないのをいいことにべらぼうな速度で飛ばすタクシーの中に1台のスクーターが。
快適だぁぁぁぁいっ!
言わずもがなそれは私と『アヴェニス125』である。
というワケで、今回の主役は2度目の試乗となる『アヴェニス125』!
前に試乗できたのはたった数時間でしたので、今回は思い切って1週間通勤に使ってみました!
スポーツテイストに仕上げられた『アヴェニス125』とはいえ、125ccスクーターの主な使用範囲は通勤や通学、近所の移動や買い物といったところでしょう。
今回は1週間通勤に使用することで、実際の使用感についてチェックしてみました!
私は普段、往復で40kmジャストほどの距離を通勤しているのですが「オフピーク通勤」とでも言うべきか、都心の渋滞が緩和される昼頃に出勤し、車が少なくなる夜中に退社する、というルーティーンを送っています。
あまり健康的でない生活スタイルであることは置いておくとして、冒頭でも説明した通り、夜中のタクシーって幹線道路を結構いい速度で走ってたりします。
はじめは「あの中を125ccで走るのか……」なんて思っていましたが『アヴェニス125』、ちゃんと流れに乗れるじゃないか!
まぁスペックとしては時速80kmくらい平気で出てしまうエンジン性能なので、この心配は杞憂といえば杞憂なのですが。
それでも信号待ちからの発進でもたついてしまうと後ろの車にせっつかれかねないので、加速に関してはちょっと心配していたところではありました。
しかし、ここも問題なさそう。
パワーウェイトレシオの差もありますが、そんなに無茶な急発進する人もいないですし、車に対しても遜色ない加速感で幹線道路を乗り切れました。
『アヴェニス125』は当然オートマチックスクーターなので“エンジンブレーキ”が使えません。
そのため減速は基本ブレーキ頼みになり、マニュアルバイクの感覚が抜けないうちはスロットルを戻しても減速しない車体に少々焦ったりもしましたが……2日目にはもう慣れてました。
そして、慣れてしまうとギアチェンジやエンジンブレーキで身体が揺すられることによる軽微な疲労感の積み重ねが無いため、いつもより出社に体力を使わないようにも感じました。
そう感じたのはもちろん、車体の軽さや足つきの良さもあります。
どうしたって車体の大きいバイクでの通勤は停まる度にいちいち気を遣います。それは軽くて扱い易いと言われる250ccクラスでも例外ではありません。
対して『アヴェニス125』は普段履きのスニーカーでもご覧の通り。
小柄で軽い、加えて足つき性もバツグンの『アヴェニス125』はそれだけで通勤に費やす体力を大きく緩和してくれました。
また、軽量ゆえにバイクを降りた状態での取り回しが良いのも、煩わしさを減らす重要なポイントだったかもしれません。
50ccの原付バイクのように小さいがゆえに一定以上の長距離移動には適さない場合もありますが、そこは原付二種バイク。
日本公道の制限速度を鑑みても、ピッタリな排気量区分と言わざるを得ません。
軽量な車体に加え小径ホイールを採用したスクーターらしく、幹線道路を外れ、細い路地の多い住宅街に入ってもスイスイと駆け抜けることができます。
その際も煩わしいクラッチ操作は必要なく、重い車体に気を遣うこともありません。
『アヴェニス125』で通勤を初めて3日経つ頃には「どうして自分は250ccバイクで通勤してるんだろう」などと疑問が湧き、5日乗る頃には「このまま借りパクできないかなぁ……」なんて邪な考えが浮かんでいました。いやしないけれども(汗)。
都内での通勤において、125ccスクーター『アヴェニス125』はそれほどの快適性を見せつけてくれたのです。
……しかし、なんといっても良かったのはこの最高にカッコいいスクーターで通勤している、という事実だったけど!
(下に続きます)
前回はほんのわずかな時間の試乗だったため、あくまで「これなら車の流れの速い道路でも大丈夫“そう”」という曖昧な評価でしたが、夜中の国道20号であれだけ走れれば大丈夫。
しかし!
「スクーター」である『アヴェニス125』が“ちゃんと走れる”だけなワケないじゃないですか!
次回は普通のバイクでの通勤に戻れなくなりそうな理由。
“『アヴェニス125』の利便性”について焦点を当てていきますよ!
To be continued……
【文:石神邦比古(モーターマガジン社)】