2023年10月末日に鈴鹿ツインサーキットで開催された「ENJOY 4MINI2023」。そこで見つけた4ミニカスタムを紹介しよう。

数年前に特別イヤになったなどではなかったが、やり尽くした感が自身の中であり、それまでカスタム、所有してきた車体を一度全て手放し、4ミニカスタムから一度手を引いたオーナーのニモさんだが「やっぱりモンキーカスタムやりたい」と新たに作り上げたマシンがコチラ。

モンキーの純正は小さな車体に8インチホイールで可愛らしさがあるが、実際に攻めよう、楽しく走ろうとすると少し怖い面もある。そこでモンキーらしさをギリギリ崩さない10インチホイール化で大きくなりすぎないようにうまくカスタム。ブラックなので、純正と見間違ってしまうかもしれないが、フレームはGクラフトから発売されるアルミフレーム(GC-020 NERO)に換装済み。

カスタムのテーマは見てわかるように「ヨシムラ」。ヨシムラが自社でカスタムしたトルネードシリーズをイメージしたカラーリングやモンキー用に同社からリリースされるパーツを多数装着。ヨシムラ好きのオーナーが製作したマシンの各部を細かく紹介していこう。

タンクのサイド、上面に入るロゴは、ヨシムラが作る本物のカスタムマシンと同じく立体に。カラーリングだけ似せても面白くないということで、加工業者にお願いして制作してもらったそう。このヨシムラへのこだわり、愛が本家に届くことを祈っています。

モンキー用・初のレーシングタイプとして登場したヨシムラ製機械曲レーシングチタンサイクロンGP-MAGNUMを装着。ボアアップ、チューニングしたエンジンの性能を引き出すために開発陣がこだわって製作したという管長や、バンク角、マスの集中化を考慮したパイプのレイアウトなど各部にヨシムラならではのこだわりが詰まっている。サイドに装着されるオイルキャッチタンクはCB1300SF用にリリースされていたものを流用。

エンジンは武川製キットで124cc化され、同社の油圧乾式クラッチキットを合わせた。車体横に飛び出たキャブはヨシムラTMR-MJN。ボアアップしたエンジンの性能を確実に引き出してくれる4ミニチューナーに人気のビッグキャブ。シリンダー下を通り車体の左から右へと繋がるオイルラインやブローバイの取り回しも見事。

ブレーキ、クラッチマスターはブレンボ製。「モンキーにブレンボなんて!?」と思ってしまうかもしれないが、カスタムしたモンキーはほぼレーシングマシンのような性能。純正やワイヤータイプでは物足りなく、一流メーカーのモノを使用する人がほとんどなのだ。見栄でも盆栽でもなく、必然のカスタムと言える。

ブレンボ製キャリパー、サンスター製ディスクローターで強化されたブレーキまわり。キャリパーを留めるボルトにはワイヤリングを施し、安全面はもちろん、本気度が伺える。タイヤはダンロップのハイグリップタイヤTT93GPを装着。

純正ではツインショックのモンキーだが、コチラのマシンではモノショックとなり、ロングスイングアーム、ゲイルスピード製ホイールで軽快な足まわりに。もちろんヨシムラ愛は忘れておらず、レーシングスタンドフックがヨシムラ製。ネックからエンジン下でマウントされるオプションのダウンチューブを装着することで、チューニングエンジンでも安心して全開走行が楽しめる。

文・写真:山ノ井敦司

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