レイトンハウス(LEYTON HOUSE)といえば、ピンとくるモータースポーツ好きの方もいるのではないだろうか? 1980〜1990年代、バブル期に一世を風靡した往年のレーシングチームで、日本国内だけでなく世界的にもこのレイトンブルーを見に纏ったマシンがサーキットを駆け抜け活躍していた。
今回紹介するオーナーのムラケンさんもその当時を知る一人。これまでも何台ものシャリィをカスタムしてきたが、新たにマシンを製作する時に誰もやっていないカスタムを狙ってこのレイトン仕様にフルカスタムした。純正よりもかなり低くなった車体は前後の足まわりはもちろん、フレームにも大幅な加工が施され、走れるギリギリの低さまで下げられた。
上の写真は車体製作時のもので、ムラケンさんから提供されたもの。極限まで低さを追求したマシンは前後足まわりのローダウンだけでなく、フレームはネック部とシート下をチョップ、シートもほぼベースだけなのではないか!? と思うほど低く製作したことでこの低さを実現。
ペイントから車体の組み立てなど、自分できる部分は自ら作業。このマシンも数年前に一度組み上がっていたが、足まわりを太くするために全バラ。さらにパーツを追加、加工を施すなど、トライ&エラーを繰り返し、トータルで2〜3年かかってようやく完成した。
このマシンのポイントにもなっているセンター、リアのチャイルドシート。センターに装着されるのがスーパーカブ用にリリースされていた物で、リアは自転車用をベースに、シートベース部分を木の板で自作し、シート屋さんでメインのシートと同じCB風の表皮で張り替え。
ステムからアウターが一体型となっているフロントフォークは、ステム部分を一度カットし、ワイドに。吊り下げ式のDAXエクスポートのフロントフェンダーを流用する通な部分にも注目してほしい。
リアはホイールのワイド化に合わせ、フェンダーもワイド化。カウンターシャフトはJAZZ用を流用し、ワイドスプロケを装着することで極太ホイールにも関わらずチェーンラインをだした。外側に装着されるパーツはカウンターシャフトサポートと言い、プレート部にベアリングが用意されシャフトのブレ、しなりを軽減。4ミニでワイドホイールを投入する時に鉄板の組み合わせ。リアショックは当時のマルゾッキ製をベースにショート加工済。
マービングのマフラーは他車種用を加工流用。もはや地面と設置してしまっているかのような低さがこだわり。エキパイに巻かれたバンテージが車体の雰囲気をグっとあげてくれる。
車体を作るにあたりレイトンハウスのJKTやステッカーなどの当時モノのグッズも買い漁ったそう(約30年前のアイテム)。ヘルメットも車体に合わせレイトンブルーに塗装し、カッティングシートで仕上げた。シャリィ以外にもスーパーカブをベースとしたレイトンハウス仕様も同時に製作。コチラはチョッパーテイストにフルカスタムされた。
文・写真:山ノ井敦司