今回紹介するマシンは、国内よりも先に海外で発売されていたXSR155がベース(125とほぼ車体は変わらない)。XSRの特徴でもフレーム、スイングアームのデザインを引き立てるように、サイドからリア周りの外装は取り外され、フレームは剥き出しとなりワイルドな見た目に。
プラス(追加)するカスタムではなく、マイナス(外す)していくカスタムの手法がとられたマシンは、ヤマハTW200やホンダFTRなどのカスタムが流行った時に大人気となったスカチューンのような手法がとられた。リアはもはやシートレールのみとなり、シートも極限まで薄くデザインされ、座り心地などは無視。この割り切りもカスタムにとっては重要。
ヘッドライトはシンプルな薄いタイプに変更。現在では様々なタイプのヘッドライトが販売されており、このように薄くとも十分な光量が確保できるようになっている。純正ではダウンのフェンダーもアップタイプにすることで、スクランブラー感をアップ。こういった外装製作のスピードには毎回驚かされる。
トラッカーのようなハンドルまわりは極力シンプルに。ゴチャゴチャしがちなスイッチBOX類は取り外されトグルスイッチ化され、配線もハンドル内を通すことでスッキリと見せた。左右のレバー類は日本でもお馴染みのSP武川製(海外でも人気)。ミラーもバーエンドタイプをチョイス。最近では純正でも採用されるほどスタンダードとなった。
カバータイプだからこそ手軽にイメチェンを可能としたタンクも純正よりもスリムな見た目に。カバータイプなので別カラーの外装を購入することで色変えも簡単に楽しめる。タンクに用意されるセンターカバー部にはメッシュ加工が施されているなど芸も細かい。こういった部分はカスタム時の参考にしたいデザイン。
マフラーも純正のダウンからアップタイプに変更しガラッとイメチェン。アップタイプになったことで特徴的な形状のスイングアームを強調し、まるで1つのカスタムパーツのように見せた。異形のサイレンサーは2エンド仕様となっており、リアビューにもインパクトを与えた。どんなサウンドとなっているのかも楽しみだ。
様々な天候でも安定した吸気ができる純正に対し、雨天時などは苦労してしまうだろうが、このスッキリとした見た目のためにも施工されたスカチューン。上の文章でも書いたように国内でTWなどのトラッカー、ストリートカスタムが大流行した時に流行った手法。当時はK&Nのフィルターをつけるのが人気&定番だったな〜。
もはやベースに表皮を被せただけなのでは? と思ってしまうほど薄く作られたシート。このスタイルでシートがモッコリしてしまうと普通のバイクになってしまうので、極限まで薄く仕上げられた。シートレールもSRなどのチョッパー系では定番となっているループ処理が施されたことでスッキリとしたリアまわりに。
足まわりはほぼ純正ながら、より迫力の増すブロックタイプのタイヤに変更することで、スッキリとした外装とムッチムチな足まわりというコントラストを表現。タイヤはMotozのTractionator Rallzで、サイズはフロントが130/80-17で、リアが150/70B17。
リアにあるはずのテールランプに関しては車体右側、スイングアームに装着された。公道を走行する上で装着しなければいけないその他の灯火類に関しては、ヘッドライトは薄く、より車体に近づけて装着。ウインカーに関しては超極小サイズにすることでスッキリとした見た目となった。
レポート:山ノ井敦司