GIVIの種類
バイク用ハードケースといえばGIVI。ちなみにGIVIっての創始者Giuseppe Visenziの頭文字から来てるらしい。Giuseppe Visenziってことね。イタリアのメーカーで、世界での販売実績ナンバーワン。世界的にもハードケースの象徴なのね。
GIVI製品といえばまずはハードケース。樹脂やアルミケースがあるよ。サイドケースも人気だよね。
さらに、他にもタンクバッグや防水バッグとかのライディングバッグに、スクリーン、エンジンガードなんかもラインナップされてたりする。
で、メインアイテムであるところのハードケースだけど、これが2種類あるのよ。
モノロックシリーズとモノキーシリーズ。
モノロックは、以前カブ90に装着した記事を作った、これ。
カブとかの小排気量車向けで、購入しやすいラインナップ。
公式サイトイメージ画像の通り、日常使いで便利な印象のハードケース。
ハンターカブでキャンプに行った時に装着したやつ。大排気量車向けで、高級感のある、ハードケースの最強モデル。
こちらも公式サイトのイメージ画像を見てみると、非日常でアドベンチャーな感じ。
モノキーにはアルミケースも
今回は樹脂ケースを中心に進めていくけど、モノキーシリーズには、アルミケースやセミハードケースも存在するよ。
もちろんアルミケースやセミハードケースもベース形状は同一。特にアルミケースは憧れの逸品。
GIVIモノキーケースとモノロックケースの違い
モノキーとモノロック、その違いについて掘り下げてみるよ。
ざっくりいうとこんな感じ。
この項目についてひとつずつ見ていこう。
容量の違い
まず容量。モノキーが40~58リットル。モノキーハードケースの最小サイズであるV40以外のモデルでは、ヘルメットを2個入れることも可能。ヘルメットの種類にもよるけどね。ちなみにヘルメットが2個入る容量の目安は、GIVIの場合おおよそ46~47Lくらい。
そうそう、樹脂製ハードケースについては、製品名を見れば容量はわかるようになってるよ。
モノキーだったらV〇〇って感じで、Vの後に付く数字が容量。V47なら47L。
モノロックの場合は、頭の英字にBとかEとかCとかの種類がある。あと、続く数字もたまに3桁だったりする。250とか350とか。でも3桁の場合は頭の2桁が容量。250なら25Lだし、350なら35L。
脱線しちゃった。モノロックの容量は25~47リットル。最小サイズの25Lでもジェットヘルなら1個は入るようになってるよ。
積載重量の違い
次に積載重量。個人的にはここがモノキーとモノロック最大の違い。
モノキーが10kgでモノロックが3kg。
容量だけならモノロックの47Lでも十分に広いんですよ。ただ、自分の場合は三脚とかカメラとか、重量があるものを積む事が多いので、最大積載重量はかなり大事なのよね。
ただ、以前モノキーV47でキャンプに行った時にわかったんだけど、47Lいっぱいにキャンプ道具を積んでも意外と10kgまでいかなかったりするのよね。
ちなみにGIVIの正規輸入元であるデイトナでは、モノキーであっても操縦性を考慮して3kg以下での使用を推奨しているので、なるべく重いものを詰め込まないように注意してね。
構造と重量について
樹脂ケースについては、どちらもGIVI独自開発素材のテクノポリマーというものを使用してる。
GIVIが開発しただけあって、高耐久性や高耐候性を実現した最適な素材になってっぽい。あと、長い期間使った場合に白くなりにくいという特長も。
構造的な部分で一番の違いは重なり合う縁の部分。モノロックでは軽量さ求めてシンプルなモノコック構造だけど、モノキーでは縁部分が二重構造になっていて、シェルの湾曲が起こりにくくなるように剛性を高めてる。
実際に使用してみるとこの違いはかなり大きくて、モノキーの方がギュッと閉まる感じ。モノロックはもうすこし良い意味でルーズな印象。
モノロックが弱いというよりは、モノキーが凄くガッシリしてるって感じ。モノロックだけで使ってると「なんでこれで最大積載3kgしかないの」ってくらいしっかりしてるのよね。
逆にモノキーは素晴らしく剛性感のあるガッチリとした作りなのに、意外と軽くてこれもまた良い。正直どっちも凄く魅力的よ。
装着方法と適合について
モノロックの場合は汎用ベースが付属するので、ほとんどのバイクに装着可能。
さすがにキャリアは必要だけどね。ケースにベースが付属するので、カブみたいにキャリアがついてるバイクであれば、非常にリーズナブルに装着できるのよ。
カブシリーズなんかは基本的にキャリアがついてるけど、そうでもないバイクも多いじゃない。
そんなこともあろうかと、車種によっては装着用のフィッティングも用意されてるよ。
モノキーに関しては、専用フィッティングを介した装着のみ。
なので汎用ベースというものも販売されてない。つまり専用フィッティングがラインナップされていないバイクについては原則装着不可。
ただ、対応車種は300車種くらい※あるので、中型、大型車であれば大抵のバイクは対応してるんじゃないかな。
※年式違いは別車種として計算。
適合リストのpdfが公開されてるので参考にしてね。
モノキー購入の際には、「ケース+ベース+車種別フィッティング」を購入することで装着可能。モノロックに車種別フィッティングを使用する場合も同じね。
ただ、ベースが付属したフィッティングの場合もあるので、そういう車種は「ケース+ベース付属車種別フィッティング」って感じ。
CT125・ハンターカブは小排気量でもモノキー装着可能なレアな存在
で、モノキーってのは基本的に大型車向けなので、小排気量にはほとんど装着できないのよ。
ほとんどってことは、少しはあるわけで。装着可能なのは、たったの3車種。
125cc以下でモノキー装着可能なのは、ヤマハのXMAX125(’18-’21)、カワサキのJ125(’14~’17)、そしてCT125・ハンターカブ(’20-’23)のみ。
つまり、ハンターカブならモノキートレッカーとかのアルミケースも装着可能なのよ。たまらないね。
ベース部分の違い
同じGIVIだけど、ベース形状は全然違うよ。
左がモノキーベース(CT125用)で、右がモノロックベース(汎用)。
見ての通り、モノキーのがひとまわりでかい。
重ねてみるとこれくらいの違い。モノロックベースは、モノキーベースにすっぽりと収まってしまう。
あとは、ベースの取り付け部分の形状も逆。
モノキーはケースの凹部分にベースのフック状パーツを差し込む感じ。
モノロックは逆で、ベースにケースの突起を差し込む感じ。
装着手順はほぼ一緒だけど、モノキーのが剛性が高いせいか、ロックする際によりギュッと押し込む必要がある気がする。
重さはモノロックの方が軽い
二重構造の影響もあるし、積載重量も違うということは、モノキーが重くて、モノロックは軽いはず。
ちょうど、モノキーとモノロックの樹脂ケースで容量が同じものがあったので、重量を比較してみるよ。
モノロックB47とモノキーV47ね。どちらもかなり新しいモデルなので、条件的にも近いはず。
B47の重量は4.6kg、V47の重量は4.4kg。
モノキーのが軽くてどうしたことかと思ったけど、モノロックには付属の汎用ベースプレート及び取付金具(約600g)が付属してるせいなのね。
本体重量のみで比較すると、V47の4.4kgに対して、B47が4.0kgなので、モノロックB47の方がちょうど一割くらい軽い。
選ぶ際に重さを見る場合は、モノロックは汎用ベース(600g)込みの重さってのを頭の片隅においといてね。
せっかくだから最後にモノロックの取付方法と、モノキーの取付方法を。
スーパーカブ90にモノロックを取付
まずはカブ90をモデルにモノロックの取付を。といっても過去記事の焼き直しなので、詳しくは以前の記事を見てね。
で、装着行程だけど、いかんせん簡単なのよ。
波型の固定パーツを使って、4カ所で固定するだけ。
波型パーツは、左右で山の高さが違う。つまり、表裏も併せて4通りのフィッティングができるのよ。山の高さや表裏を変えることで、キャリアにうまく噛ませることが出来たりするので、念入りに位置調整をしてね。
敢えてコツといえば、キャリアを外した状態で最適な位置を探しておくと良いよ。
カブのキャリア裏側って意外とクセのある形状してるから。自分の場合はこんな感じにしてみた。
位置が決まれば本締めして車体に取り付けて完成。位置決めに時間かかるけど、作業自体は非常にシンプルよ。
この位置で取り付けると背中までこれくらいの距離感。
とりあえず古いカブに装着してみたけど、ハンターカブ125(JA55/JA65)やスーパーカブ50(AA04以降)、クロスカブ50(AA06)、スーパーカブ110/クロスカブ110(JA10以降)なら、専用のフィッティングも用意されてるよ。
これらを使えばさらに装着が簡単。
CT125にモノキーベースを取り付け
今回はCT125にモノキーを装着してみるけど、モノキーに関しては、車種によってフィッティングの取付方法が違うから、注意してね。
CT125にモノキーを取り付けるには、お好みのケースと、このスペシャルキャリアを購入しよう。
専用フィッティングなので装着は簡単。
スペシャルキャリアのベース部分はこんな感じで装着されるよ。ちょっとポジキャンみたいになってる。
ついでにベースも位置確認。装着はこの位置で決まり。というかここ以外に装着できない感じ。
まずは12mmのソケットで、純正キャリア中央のボルトを外そう。
キャリアに接する面には付属のゴムを貼って傷つき防止。気が利いてる。
そしたら付属のボルトとカラーをつけて締結していこう。
土台部分が装着出来たら、付属のベース固定ボルトと四角い座金で、モノキーベースを装着していこう。ナットは使わないよ。
こんな感じで四角い座金をはめたらボルトで本締めするだけ。
完成。装着位置はこんな感じ。
まとめ
モノロックはかなりお求めやすい値段なのに、ものすごく使い勝手が良くて最高だし、モノキーは圧倒的な剛性感でワンランク上のハードケースって感じで、これも最高。どっちを選んでも正直後悔することは無いと思う。ただ、ハンターカブはせっかくモノキー装着可能なので、どうせならモノキーをオススしたい。ちょっと高いけどね。
レポート:若林浩志