セロー250のオフロード走破性能を飛躍的に向上させてくれるサスペンションキットが、テクニクスから発売。気になるその実力をテクニクス開発者に聞いてみました!

YAMAHA・セローは1985年に初期モデル(225cc)が発売、2005年に250ccへと進化した以降は大きなモデルチェンジもないままロングセラーモデルとなりましたが、2020年に惜しまれながらも生産終了となりました。いまだに街中から林道まで様々なシーンで活躍を続けており、多くのオフロードライダーに愛されています。

そんなセロー250のオフロード性能をさらに向上させてくれるサスペンションキットが、テクニクスから発表されました。

画像1: 「まるで2000年代のエンデュランサー」セロー250のオフロード性能を飛躍的に向上させる足長サスペンション

ノーマルのセロー250を見慣れている人なら、この写真を見ただけでも少し違和感を覚えると思います。

画像2: 「まるで2000年代のエンデュランサー」セロー250のオフロード性能を飛躍的に向上させる足長サスペンション

ノーマルのセロー250と見比べてみると、一目瞭然ですね。今回のキットではフロントフォークを全長・ストロークともに35mm、リアショックを全長15mm・ストロークを5mm延長することで前後ともサスペンション性能を向上させています。ストローク量が増え、最低地上高が高くなることで難所やギャップへの対応力が向上するのはもちろん、マシン全体の重心位置が上がることも重要なポイントです。

ここで気になるのが前後のバランスです。前後で伸び量が異なるため、セロー250本来のマシンバランスが崩れてしまうのでは? と思ってしまいますが、むしろバランスを追求した結果、フロントはこの長さに落ち着いたとのこと。

「開発の初期段階ではフロントフォークはもっと短かったのですが、それだとトレール量が減ってハンドルが軽くなり過ぎてしまって、例えばコーナーでブレーキングした時などにフロントが下がり過ぎてハンドルが切れすぎるようになり、接地感が薄くなってしまったんです。そこを補正するためにフロントフォークを伸ばしていった結果、この長さに落ち着いたという感じです」と担当者談。

また、前後サスペンションの全長を伸ばしたことで最低地上高が30mmアップしており、障害物を越える時や轍に入れた時の走破力も向上しています。

画像3: 「まるで2000年代のエンデュランサー」セロー250のオフロード性能を飛躍的に向上させる足長サスペンション
画像4: 「まるで2000年代のエンデュランサー」セロー250のオフロード性能を飛躍的に向上させる足長サスペンション

当然、純正よりも足つきが悪化するデメリットはありますが、身長175cmの編集部・伊井が跨った時の足つきは良好。両足の母指球がしっかりと地面に着くため、不安を感じることはありませんでした。

35mm延長のフロントフォーク

画像1: 35mm延長のフロントフォーク
画像2: 35mm延長のフロントフォーク

Technix
YAMAHA SEROW250
TRIC PRO KIT
¥118,800(税込)

左右ともに伸・圧のアジャストが可能。

15mm延長のリアショック

画像1: 15mm延長のリアショック
画像2: 15mm延長のリアショック
画像3: 15mm延長のリアショック

Technix
Tec-5.2 Performance Shock(TRIC PRO専用)
¥115,500(税込)

無段階のプリロード調整と、リバウンドアジャスター、High・Lowのスピードコンプレッションアジャスターを搭載。大容量別体リザーブタンク装着のため、純正ヘルメットホルダーとの同時装着は不可となります。また、フロントフォークTRIC PRO KITとの併用を前提とした商品ですので、リアショック単体での装着は車体のバランスが崩れ、危険を伴います。

なお、前後ともにセロー250の全年式に対応可能とのこと。

鈴木健二セローの究極進化版

画像: 鈴木健二セローの究極進化版

例えレースにあまり興味がなくても、セロー乗りであれば鈴木健二選手の名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。2016年、ナンバー付き車両でしか走れない日高ツーデイズエンデューロ(JEC全日本エンデューロ選手権)にセロー250で出場し、エンデューロレーサーが多数出場するIAクラスにおいて、テスト(成績を決定するタイムアタック区間)でトップタイムをマークした大記録があります。

実は今回のサスペンションも、この鈴木健二選手のリクエストから生まれたものだとのこと。当時、鈴木健二選手が使用したセロー250にもテクニクス製のサスペンションが使われており、コンディションが良い時は快適に走れていたのですが、悪天候のためレース後半になるにつれて轍が深くなってしまい、最低地上高の低いセロー250はエンジンガードが引っかかり、物理的に走れなくなってしまったのでした。

そのため鈴木健二選手の「最低地上高を上げたい」というリクエストに応える形で開発されたのが、このサスペンションなのです。

そしてもちろん、ただサスペンションが長くなっただけではありません。フロントは中身を丸ごと総入れ替え、リアは本体ごと交換しており、ダンピング特性はテクニクス独自のノウハウが詰まったエンデューロレーサー顔負けの性能に仕上がっています。

詳細な試乗インプレッションはまた後日お伝えしたいと思いますが、テクニクスの担当者によるとサスペンションの仕上がりは「明らかにノーマルのセロー250に比べて走破力が高いです。ストローク量が増えているのはもちろんですが、重心が上がっていることによってバイク自体の軽快感が向上しています。段差やガレ場、轍はもちろん、モトクロスコースみたいなところでも走りやすいと思います。今までだったらサスペンションの奥まで入って底付きしてしまうような比較的大きなギャップでも余裕があって楽に走ることができます。YZ250FXのようなモトクロッサーベースのクロスカントリーマシンではなく、一昔前、2000年くらいのEXCなどエンデューロレーサーに近い仕上がりになっています。今のモデルだとBETAのクロストレーナーの感じが近いかもしれませんね。足回りに余裕があるので、ノーマルのセロー250だと苦労するようなアクション……例えばフロントアップして丸太を越えたりする動作が、とてもやりやすくなっています。それでいて、オンロードでの走行でも特にネガティブな要素は見当たりませんでした」とのこと。

テクニクス主催のイベントなどでは試乗できる機会もあるそうですので、気になる方はぜひ問い合わせしてみてください!

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