モータリストが取り扱う、ユニークなスタイルの電動トレールマシンであるGOWOW(ゴーワオ)のORI(オーリ)。オリオン座にちなんだという名前を持つこのバイクは、地球の人たちの道しるべとなるような、あらゆるシチュエーションで楽しめるバイクを目指して開発された意欲作。ハイレベルな造りと走りが魅力の一台だ。
文:太田安治、オートバイ編集部/写真:南 孝幸

GOWOW「ORI」インプレ(太田安治)

画像: GOWOW ORI street model 道路運送車両法の原付二種モデルに分類 最高出力:9kW シート高:890mm 車両重量:73kg 税込価格:121万円

GOWOW
ORI street model 

道路運送車両法の原付二種モデルに分類

最高出力:9kW
シート高:890mm
車両重量:73kg

税込価格:121万円

圧倒的な軽さとスリムさ! 革新的アイデアと魅力満載

スポーツライディングやツーリングといった、趣味性の高い使い方をするオートバイのBEV(完全電動)化は容易ではない。航続距離を確保するためには大容量のバッテリーが必要で、必然的に大きく、重く、高価になるし、充電場所と充電時間も問題。

個人的には全個体電池や革新的な電池が実用化されるまでは近距離移動に限定されるのでは……と考えているが、「オーリ」のコンセプトはひと味もふた味も違う。ATB(全地形型自転車)にEVのメリットを組み合わせ、新たなジャンルのファンモデルに仕上げている。

一見するとバッテリーとモーターが収まっている「箱」から伸びた前後サスペンションにタイヤが付いているという変わった構造。試乗したのは保安部品を追加したストリート仕様だが、もともとの成り立ちはコース専用のファンモデル。つまりこの公道仕様は生粋のレーサーレプリカということになる。

まず驚くのが車体のスリムさ。エンジン車では実現できないサイズで、ライダーとの一体感が素晴らしく高い。890mmというシート高だが、前後サスの沈み込み量が大きいうえ、脚を真っ直ぐ下ろせるので足つき性は125ccロードスポーツ車より良好だ。

加えて驚いたのが軽さ。徹底的にシンプルな車体構成だけではなく、ツインスパーフレーム、スイングアームほか、金属パーツのほとんどにアルミ合金を採用して、国内最軽量スクーターのジョグやタクトと同等の73kgという軽さに仕上げており、「BEVは重い」という常識を一気に覆してしまった。

画像: GOWOW「ORI」インプレ(太田安治)

そして極めつけの驚きが加速性能。モーターの最高出力は9kW(約12PS)、トルクは何と42Nm! これは125ccガソリンエンジンの4倍以上で、400ccクラス並みの数値。しかもモーターは動き出しから最大トルクを発生するため、発進加速は強烈で、最もパワフルなモードだと、20km/h以下でスロットルを全開にすると派手にウイリーする。ただし、出力特性や最高速度をハンドル左側のスイッチで簡単に切り替えられるから、ビギナーでも心配は無用だ。

気になる航続距離はWLTCモードで100km。今回の試乗で河川敷から都心まで走り回ったが、この数値は掛け値なし。家庭用100V電源でフル充電まで3.5時間だから、通勤通学の足にも使える。

とはいえ、パフォーマンスが活きるのはやっぱりオフロード。200mmという長いサスペンショントラベルと前19/後18インチのブロックタイヤ、軽量スリムな車体に最大登坂角55度という動力性能で、モトクロス的な走りもトライアル的な走りも存分に楽しめるし、排気音も排ガスも出ないから林道トレッキングで迷惑を掛けることもない。

既存オートバイメーカーがICE(内燃機関)の代替として造ったのではなく、モーターメーカーのMODE社だからこそのアイデアが詰まっており、多くのコンポーネンツを自社開発したから、本気で楽しめる一台を作り上げられたのだと思う。    

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