好調ガルシアが2勝目! 小椋が今季初の表彰台獲得
予選では復帰戦となるアロン・カネット(Fantic Racing)がポールポジションを獲得。ランキングトップのジョー・ロバーツ(OnlyFans American Racing Team)が2番グリッド、3番グリッドにはセルヒオ・ガルシア(MT Helmets - MSI)が続いた。
日本勢は予選で苦戦。小椋藍(MT Helmets - MSI)は17番グリッド、佐々木歩夢(Yamaha VR46 Master Camp Team)が23番グリッドから決勝に挑む。
空には雲が広がるも、気温21度、路面温度31度のドライコンディションの中、22周の決勝レースがスタートした。
好スタートを切ったのは3番グリッドのガルシア。一気にトップに立つと、後続がポジション争いをしている間に早くもコンマ7秒もの差をつけ逃げにかかる。
ポールシッターのカネットが出遅れる中、ロバーツがグリッド通り2位、3位にはこちらもスタートを決めたマニュエル・ゴンザレス(QJMOTOR Gresini Moto2)が順位を上げた。後方では小椋が6つポジションをあげ11位に浮上している。
ガルシアが先頭をひた走る中、スタートで出遅れたカネットがゴンザレスやアロンソ・ロペス(Folladore SpeedUp)とのバトルを制し、2位までポジションを回復。勢いに乗るカネットだったが、先頭のガルシアとのギャップを埋めることができない。
ロバーツとロペスによる激しい3位集団に6位までポジションを上げた小椋が追いついてきた。13周目に昨年までのチームメイトだったソムキアット・チャントラ(IDEMITSU Honda Team Asia)を抜いて5位に上がると、4位のロバーツとのギャップを縮めていく。
レース中盤から後半にかけてトップ争いに動きはなかったが、3位のアロンソが少しずつ2位のカネットとの差を縮めていた。
そして残り3周のターン9でロペスがカネットを攻略し2位に浮上。さらに、その後方からは4位に上がった小椋もきており、ファイナルラップのターン1で小椋がカネットをオーバーテイク。
小椋は勢いそのままに2位のロペスもターン8で仕留め、最終周で2位に浮上した。トップのガルシアは逃げ切り、アメリカズGP以来の今季2勝目を挙げた。そしてガルシアのチームメイトである小椋が2位でフィニッシュ。17番グリッドから圧巻の15人抜きを披露し、今シーズン初の表彰台を獲得した。
3位にロペス、ポイントリーダーだったロバーツは4位でのフィニッシュとなった。
復帰戦となった佐々木は22位でフィニッシュ。ポイント獲得はならなかったが、Moto2クラスでは初の完走となった。
2024 Moto2 第5戦フランスGP 決勝結果
初表彰台獲得で小椋がランキング4位に浮上!
GP参戦初年度から一貫してIDEMITSU Honda Team Asiaで戦っていた小椋だが、今年MT Helmets - MSIに移籍。新天地から再スタートを切った。
新しいチームからの参戦だったが、開幕戦からポイントを積み重ね、第5戦終了時点でトップから26ポイント差の4位につけている。
これまで優勝はもちろん、チャンピオン争いも繰り広げてきた小椋だったが、過去のシーズンはどれも序盤戦でポイントを獲得することができずにいた。
しかし、今年は開幕戦から6位入賞を果たすと、今大会まで全戦でポイントを獲得するという、これ以上ないスタートを切っている。
シーズン前にはアルデゲルの独壇場かと思われていた今年のMoto2クラスだが、ガルシアやゴンザレスといった若手から、カネットにロバーツ、ロペス、そして小椋といった経験豊富なライダーまで多くのライダーが優勝争いを繰り広げている。
まだ5戦しか終了していないことや、昨年のアルデゲルの大躍進を考えると、ひとたびチャンピオン争いはアルデゲルの独壇場になる可能性もある。しかし、ここまですでに4人のウィナーが誕生している今シーズンのMoto2クラスは混戦が続くかもしれない。
そして小椋にもチャンピオンの可能性は十分にある。過去最高のシーズンスタートを切った小椋は、ここからさらにギアをあげてくるはず。予選のパフォーマンスは課題だが、今回のように決勝に合わせ込むことができるのは小椋の強力な武器。フランスのような走りを今後も見せてくれるはずだ。
予想に反して混戦模様のMoto2クラス。次戦は5月24日から26日にかけて行われる第6戦カタルーニャGPは多くのライダーにとって母国グランプリとなる。強力なスペイン勢を相手に小椋とロバーツは一矢報いることができるのかに注目だ。
レポート:河村大志