文:丸山淳大/写真:関野 温/モデル:mii
GPz750F 振動撃退 編
テスト1.振動抑制効果を4種類のワッシャーで検証
アイデア勝負!4種類のワッシャーと工業用品を使って振動低減にチャレンジ
ツーリングモデルは振動低減のためハンドルがラバーマウントされていることが多い。それと同じ効果を再現できるか、ハンドルがリジットマウントされたGPz750Fで実験してみた。
〈使用するもの〉
〈テスト方法〉
バーハン化されたGPz750Fのハンドルクランプとトップブリッジの間に様々な素材のワッシャーを挟み込み、防振効果をテスト。
クロスカブ110と同じくスマホアプリでハンドルグリップ部の振動を計測する。
振動計測はタコメーターを見て3000回転時で行った。キャブの同調が狂っているのか、エンジンがバラついて回転維持が難しかった。キャブの調子やエンジンオイルも振動要因になりそうだ。
〈テスト前に計測したGPz750の振動〉
3000回転の維持が難しいし、油温によっても振動が変わってくるようで、最初の計測ではかなり振動が大きく、2.4~-2.4m/s2以上を計測。体感以上に数値が大きく感じた。
〈検証結果〉金属とゴムを加硫接着した「ボンデッドワッシャー」が大健闘
4種のワッシャーでテストを行った。ゴムワッシャーは防振用ではないし、締付で潰れたので未対策と大差はなかった。ナイロンワッシャーとシリコンワッシャーは同じくらい防振効果が現れ、未対策最大2.4~-2.4m/s2以上の数値が2.1~-2.1m/s2くらいに低減。
最も効果の大きかったゴム&ステンレス複合素材の「ボンデッドワッシャー」は1.8~-1.8m/s2くらいに収まった。ただ、体感的にはいずれも劇的変化は感じられなかった。
テスト2.工業用発泡ウレタンをハンドルに注入
ホームセンターで手に入る意外な防振アイテム!?
スプレー直後は液状だが、徐々に膨らんで固まる発泡ウレタンは、建物の断熱や隙間の穴埋めなどに使用するもの。これをバイクのハンドル内に注入すれば防振できるというネット上に出回る説を検証してみた。
発泡ウレタンはスプレーするとすぐに泡状になって1時間で完全硬化。硬化後はカッターで切ったり加工もできる。手に付くとなかなか取れないので、手袋着用を推奨したい。ハンドル程度だとスプレーの99%くらいが余る。
〈検証結果〉巷のウワサは正しかった! 発泡ウレタンは防振効果アリ
結果、確かに防振効果があるようで、未対策時は2.4~-2.4m/s2以上に振動しているのに対し、発泡ウレタン注入後は2.0~-2.1m/s2くらいに収まるようになった。一度注入したら取り除くのは難しいので気をつけたい。
店主・マルの結びの一言〈GPz750 振動撃退 編〉
いつかバイクの振動が辛くなったら思い出してね…
柔らかい素材のワッシャーはボルトを締め込んでいくと潰れてしまうので、本来はトップブリッジにワッシャーのサイズのザグリ加工した上で締め込んだ方が良いと思ったが、今回はあくまで実験的に振動を計測。結果、ワッシャーを挟めば多少の効果が見込めそうだとわかった。
超初心者のmiiちゃんはハンドルの振動の辛さは未体験だが、役立つ日がきっと来るはず。
文:丸山淳大/写真:関野 温/モデル:mii