650ccから900ccまでの、いわゆるアッパーミドルクラスのバイクたちは、圧倒的な超高性能や誰もがうらやむ最先端の電子制御アイテムを備えているわけではないけれど、ライダーを十分に満足させてくれる走りと所有感を満たしてくれるスタイリングを兼ね備えた「才色兼備」なモデルが多い。ここで、そんな「アンダー900」の魅力を検証してみよう。
文:宮崎敬一郎/写真:赤松 孝、南 孝幸

「アンダー900」が狙い目! その4つの理由

1.さまざまな種類のエンジンが選べる

画像1: 【コラム】いま、アンダー900ccが魅力的なワケ|アッパーミドルクラスの特長に注目

このクラスのバイクたちはメカニズムも個性的で凝ったモデルが多い。エンジンラインアップも豊富で、並列2気筒、V型2気筒、並列3気筒、そして並列4気筒と、実に多彩な種類の中から選べるのだ。パワーも100PS近辺のものが多く、十分に力強い。

2.先進技術搭載モデルも続々登場

画像2: 【コラム】いま、アンダー900ccが魅力的なワケ|アッパーミドルクラスの特長に注目

ホンダEクラッチシステムをはじめ、ヤマハのトレーサー9GT+が採用するアダプティブクルーズコントロールなど、リッタークラスのフラッグシップに採用される最先端技術を搭載したモデルもこのクラスに続々と登場中。先進技術を堪能できるのだ。

3.手に余らないサイズの機種も多数

画像: スズキ「GSX-8S」

スズキ「GSX-8S」

巨大で重いリッタークラスのバイクで苦労したライダーにとって、取り回しと足つきは重要ポイント。このクラスには600ccクラス相当のコンパクトなボディを備えたモデルも多くラインアップされており、扱いやすさで苦労することなく楽しめるモデルも多いのだ。

4.外国車のラインアップも豊富!

画像: ハスクバーナ・モーターサイクルズ「ノーデン901エクスペディション」

ハスクバーナ・モーターサイクルズ「ノーデン901エクスペディション」

中排気量以下のカテゴリーではさすがにラインアップの少ない外車だが、欧米でも人気の高いこのクラスになるとさまざまな種類が選べる。本格スポーツからネイキッド、アドベンチャーにクルーザーとジャンルも豊富。最近では日本車に迫る価格の機種も用意されている。

質実剛健で使ってナンボ、おいしいモデルが勢揃い(宮崎敬一郎)

この2~3年、650ccからリッタークラスより少し下の排気量のアッパーミドルクラスが熱い。質実剛健で使い勝手のいい魅力的なバイクが立て続けに登場している。

バイク界の花形と言うと、リッターSSや、オーバー1リッターのアドベンチャーなんかに目が行く。200PSなど当たり前。アドベンチャー系のモデルでさえ150~180PSを発揮。そして、それを使いこなすためにあらゆる電子制御を搭載している。

でも、やはり大きく重く、一筋縄ではいかないパワーには違いない。それに、高性能に対応するためのスキルまで要求してくるし、スーパースポーツなどはコースでしかその真価を発揮できなかったりする。

だが、その少し下のクラスはコンセプトからして違う。ブランドを背負い、肩肘張って「最高」を求める必要はない。使い勝手が優先され、パワーも程よい力量にチューニングされている。だから扱いやすく、力を駆使する愉しみ方もしやすい。ヤマハのXSR900GPなどはその典型だ。

画像: ヤマハ「XSR900 GP ABS」(左)、ヤマハ「XSR900 ABS」

ヤマハ「XSR900 GP ABS」(左)、ヤマハ「XSR900 ABS」

アドベンチャー系のモデルも、トップモデルに準ずる快適さ、ゆとりを持ちつつ、軽さを武器に強力な走破性を備えていることが多い。電制サスの付かないモデルが多く、プライスも抑えられているが、上質で、快適な走りをするバイクがたくさんある。足まわりを念入りに仕上げられたスズキVストローム800DE、オールマイティなトライアンフのタイガー900GTなどがその一例だ。

画像: スズキ「Vストローム800DE」

スズキ「Vストローム800DE」

スポーツネイキッドなど、スタンダードバイクにも光るものが多い。700cc前後のクラスはパワーも無理のない70~100PS程度に抑えられ、ライディングアシスト機構もシンプル。コスパがとてもいいヤマハのMT-07系や新たにEクラッチを採用したホンダのCB650R、デキが良くて外車にしてはプライスまで頑張っているトライアンフのデイトナ660なども魅力的なバイクだ。

ここで名前を挙げたバイクはほんの一部だ。絵に描いた餅ではなく、使ってナンボの等身大モデルが山盛りだ。

画像: カワサキ「Z900RS」

カワサキ「Z900RS」

文:宮崎敬一郎/写真:赤松 孝、南 孝幸

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